「サントリー能登復興みらい基金」より5団体への助成決定 ~被災地での地域拠点の再建と交流の場の維持へ~
令和6年(2024年)1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」および、9月に発生した「令和6年奥能登豪雨」の甚大な被害を受け、公益財団法人ほくりくみらい基金(所在地:石川県金沢市、代表理事:永井三岐子)は石川県域のコミュニティ財団として、「令和6年能登半島地震 災害支援基金」「令和6年9月能登半島豪雨災害支援基金」を立ち上げ、支援を続けてきました。
この度、サントリーホールディングス株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役社長:鳥井信宏)からのご寄付により、冠基金「サントリー能登復興みらい基金」を設立し、震災以前から地域住民の拠り所として機能してきた拠点の再建や地域交流の場としての維持活動を行う5団体への助成が決定しました。
助成総額は4,993,740 円となります。

-
これまでの能登半島復興支援について
ほくりくみらい基金は、令和6年(2024年)1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」および同9月に発生した石川県能登地方の豪雨による被害を受け、石川県域のコミュニティ財団として発災直後から被災地で復興支援を行う団体へ活動支援を行ってまいりました。
《主な実施助成事業》
令和6年能登半島地震 災害支援基金(第1次~第6次プログラムまで実施)
概要 :緊急時から復旧期・復興期まで被災地で支援を行う団体への支援金や活動ノウハウの提供
助成団体:80団体
助成総額:2,164万円
「つづける支援活動助成」
概要 :被災者の生活再建や被災地域の復興のための中長期的な活動を支える支援金や活動ノウハウの提供
助成団体:11団体
助成総額:3,049万円
令和6年9月能登半島豪雨災害支援基金 (第1次〜第3次プログラムまで実施)
概要 :豪雨被害に対する復旧活動を支える支援金や活動ノウハウの提供
助成団体:37団体
助成総額:697万円
-
「サントリー能登復興みらい基金」について
「サントリー能登復興みらい基金」の助成プログラムは、「能登の豊かなコミュニティや地域文化を守り、持続可能な地域づくりのための地域の営みの再建を支援できたら」とのサントリーホールディングス株式会社様の思いに沿い、震災以前から地域住民の拠り所として機能してきた拠点の再建や地域交流の場としての維持に寄与する事業を支援することを目的に企画しました。
計8団体から申請をいただく中、震災前の能登、そして現在の復興状況にあかるい審査員の方々に審査を行っていただき、能登の暮らしや文化を守り、継承する拠点の復旧・再建・維持する5つの団体の事業を助成先として採択しました。
-
助成を決定した5団体について
今回採択した5団体は以下のとおりです。

事業名 |
宿泊自然体験のための共同施設づくり事業 |
団体名 |
農事組合法人能登ふれあいガーデン |
活動地域 |
能登町 |
整備・再建・維持する拠点の名称 |
ケロンの小さな村 |
事業概要 |
長年、能登町で能登の里山の豊かさを伝えてきた自然体験施設である「ケロンの小さな村」に、共同で利用できる炊事場や洗濯場、トイレを整備することで、現在整備を進めている宿泊機能を強化する。 |
助成額 |
1,000,000円 |
審査員講評 |
都市部にはない能登の自然の豊かさに触れられる自然体験の拠点として、教育的・文化的な価値を持つ場へと育っていく可能性を強く感じました。子どもたちや親子をはじめ、幅広い年代の方々が集える場として再生されることで、この場所が地域の新たな希望となることを期待しています。 地域住民にとっても外から訪れる人にとっても大切な場所として、今後も発展・継続されていくことを楽しみにしております。 |

事業名 |
震災に耐えた130年の鵜川の蔵宿の再生 |
団体名 |
LOCALIGHT株式会社 |
活動地域 |
能登町 |
整備・再建・維持する拠点の名称 |
鵜川ハーバービュー |
事業概要 |
鵜川の海瀬神社近くにある古民家を改装した宿泊施設「鵜川ハーバービュー」の蔵を修理・補強し、輪島塗の展示、宿泊、能登の文化体験プログラム(よばれ体験、料理教室など)を開催できる施設として整備する。 |
助成額 |
1,000,000円 |
審査員講評 |
130年の歴史を持つ蔵の再建が、復興のシンボルとなるとともに、地域の方々の誇りとなる点を高く評価しました。宿泊機能を維持し、輪島の伝統工芸・文化を感じられる観光資源として活用されるだけでなく、地域住民にとっても身近で多目的に利用できる場として、広く親しまれることを期待しています。 |

事業名 |
地震・豪雨で破壊されたコミュニティと環境の再生拠点「まちの森」の整備 |
団体名 |
もとやスーパー(有限会社もとや庄治商店) |
活動地域 |
輪島市 |
整備・再建・維持する拠点の名称 |
MOTOYA BASE「まちの森」 |
事業概要 |
「まちの森」整備事業として、下記の事業を行う。 1.植樹による森林の整備 ◯水害防備林:スーパーの川側である北西面の外構に水害防備林を計画し、河川氾濫時の減災力を強化 ◯復興のシンボルツリー:桜・紅葉・果樹などを混植し、地域住民やボランティア、訪問客が四季を楽しめる復興感醸成の拠点へ ◯地域の子どもたちを交えて苗木の樹種を選定。公費解体のスケジュールと合わせ苗木の購入・仮設置などの準備期間を経て、2026年1月には住民や支援者とともに植樹式を企画・実行 2.能登ヒバによるガーデンファニチャー製作 ◯公費解体される憩いの場の代わりとなる屋外スペース、スーパーのイートインスペースとして展開 ◯県木指定され屋外環境にも強い能登ヒバを採用し、住民や支援者とともにベンチ・テーブルなどを製作 ◯南志見や真浦地区などの近隣事業者と連携して仕入れやDIYワークショップを展開し、愛され続ける場所へ |
助成額 |
994,000円 |
審査員講評 |
二重災害に遭いながらも続けてこられたこれまでの支援の実績・功績に敬意を表するとともに、コモンズとしての場をつくることで、人々の交流と売り上げを両立するアイデアを高く評価しました。地域内外からの期待を背負いすぎることなく、自由な発想で活動を続けていただきたいと思います。 |

事業名 |
能登の伝統工芸などを展示する古民家蔵のギャラリー再建 |
団体名 |
珠洲織陶苑 典座・珠洲焼伏見窯 |
活動地域 |
珠洲市 |
整備・再建・維持する拠点の名称 |
珠洲織陶苑 ギャラリー「松の樹」 |
事業概要 |
180年前に建てられた宝蔵を改装してつくられたギャラリー、【珠洲織陶苑 ギャラリー「松の樹」】の壁の修復作業を行う。 ギャラリーを再建し、珠洲焼や輪島塗という伝統工芸、江戸時代からそのままの古民家や蔵などの地域文化発信の拠点となることを目指す。 |
助成額 |
999,740円 |
審査員講評 |
江戸時代から続く古民家と伝統工芸の両方に触れられる場の再興は、地域文化の継承と発信の観点から極めて重要であると評価します。 能登の作家による美術・工芸に触れる拠点としての機能に加え、これまで取り組まれてきたように、工芸と地元食材を活かした料理の提供や、地域の農業・漁業との連携といった多角的な展開にも期待しています。 |

事業名 |
能登の里山・ガーデンセラピープロジェクト |
団体名 |
のがし研究所 |
活動地域 |
輪島市 |
整備・再建・維持する拠点の名称 |
(仮)「の庭」 |
事業概要 |
「あまくてかわいい菓子」を入り口に里山の新たな価値を見出し、過疎高齢化や里山の荒廃などの課題解決を試みてきた【のがし研究所】の整備をDIYで行い、既存のcafe +「植物で健やかになれる」場づくりを行う。 |
助成額 |
1,000,000円 |
審査員講評 |
地域資源を活用したワークショップやツアーなどを通じた能登の里山の価値を発信する拠点として、地域にとって欠かせない存在であると評価しました。 拠点整備に際しては、集落の農家の方々にも作業を依頼されるなど、地域とともに場をつくる姿勢がうかがえます。今後も地域の皆さんと連携しながら、さらなる発展につながることを期待しています。 |
選考の過程
公募開始 :2025年2月3日
申請書提出締切 :2025年3月9日
選考委員会の開催:2024年4月17日
選考の対象 :応募書類一式、公開されている情報、団体への追加ヒアリング(必要に応じて実施)
選考委員名簿 (50音順・敬称略)
・高橋 聖子(公益財団法人みらいRITA プログラム・ストラテジスト)
・藤田 聡((元)株式会社セールスフォース・ジャパン Tableau事業統括本部 執行役員)
・谷内江 昭宏(金沢大学 理事)
-
ほくりくみらい基金 代表理事 永井三岐子よりコメント
令和6年能登半島地震・豪雨の発災から月日が経つ中で、地域の復興にはまだ多くの支援と時間が必要です。今回助成が決定した5つの団体は、被災前から地域に根ざし、住民のつながりや能登の文化を支えてきた大切な存在です。それぞれの活動が、地域の再生の礎となることを願っています。
本基金の設立にあたり、多大なるご支援を賜りましたサントリーホールディングス株式会社様に心より感謝申し上げます。復興には、人と人のつながりを取り戻し、未来を描ける場を取り戻すことが欠かせません。私たちは今後も能登のみなさまとともに歩み、持続可能な支援のかたちを模索し続けます。
-
今後について
今後の助成プログラムについては現在準備中です。
準備が整い次第、ウェブサイトにて公募要項を公開します。
-
団体概要
名称:公益財団法人ほくりくみらい基金 (代表理事:永井 三岐子)
設立日:2023年4月3日
公益認定日:2023年12月1日
所在地:〒920-0031 石川県金沢市兼六元町15番28号
事業内容:地域課題の解決に向けて活動する当事者および支援者団体、事業体への助成金の公募・支給、プロボノやボランティア活性化の仕組みづくり など
オフィシャルWebサイト: https://hokuriku-mf.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像