aiESG、地政学・貿易規制リスクを定量化するサプライチェーン脆弱性分析ソリューションの提供を開始
株式会社aiESG(本社:福岡県福岡市、代表取締役:馬奈木 俊介、以下「aiESG」)は、世界的に高まる地政学リスク、貿易規制リスクに対応し、企業のサプライチェーン強靭化を支援するため、新たに「サプライチェーン脆弱性分析ソリューション」の提供を開始したことをお知らせいたします。

■背景
世界各地での紛争や貿易規制の強化は、企業のサプライチェーンに深刻な影響を及ぼしています 。原材料価格の急激な変動、主要航路の寸断による物流の混乱は、調達コストの増大や安定供給の阻害要因となり、事業継続における重大なリスクです。aiESGは、こうした不確実性の高い状況において、データに基づいた客観的なリスク評価と戦略的な意思決定が不可欠であると考え、ESG分析・評価サービス「aiESG Consulting」のサービスとして、サプライチェーン脆弱性分析ソリューションの拡充に至りました。
■新ソリューションの概要
この度の「サプライチェーン脆弱性分析」ソリューションは、以下の分析を行うと共に企業経営の意思決定を支えるシナリオの提案を行うものです。
1. 地政学的価格影響分析
独自開発の機械学習モデルを用い、地政学的リスクがコモディティ価格に与える影響を品目別に定量化します。
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分析対象: 原油などのエネルギー、コーヒーなどのソフトコモディティ、小麦などの穀物、金属など、主要40品目のスポット価格に対応しています。
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提供価値: 価格変動の感応度を算出することで、金融ヘッジとサプライヤー多様化のどちらが有効かといった、データに基づく具体的な意思決定を支援します。
2. 交通の要衝流通分析
グローバルな海上輸送データを活用し、サプライチェーンの地理的リスクを可視化、迂回コストを算出します。
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分析内容: 調達品がスエズ運河やマラッカ海峡といった、地政学リスクの高い交通の要衝をどの程度通過しているかをマッピングします。
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提供価値: 紛争などによる迂回航路発生時のコスト影響も算出 。供給ルートの脆弱性を具体的に評価し、ルート最適化やリソースの最適配分を可能にします。
3.貿易環境の変動制指数分析
原材料の供給元国の規制安定性を比較・評価し、貿易取引環境の変化により発生しうるリスクを洗い出します。
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分析内容: 主要輸出国が特定のコモディティカテゴリに対して実施している貿易介入の内容と過去の実績に基づく頻度を分析し、変動性を明らかにします。
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提供価値: 貿易政策の安定性に基づいて輸出国を分類し、介入が頻発する国と安定的な規制環境を持つ国を識別することで、リスクを考慮した調達戦略の策定を支援します。
上記の分析を組み合わせることで、企業はサプライチェーンにおける「価格変動」「物流寸断」「貿易規制」という3つの主要リスクを統合的に評価・管理できるようになり、定性的なリスク認識にとどまらず、定量的データに基づいた実効性の高い調達戦略の立案が可能です。
■オーストラリア産の小麦の分析事例:要約
日本市場への重要な小麦供給国であり、直近では、20%以上と近年輸入量が増加傾向にある。
・地政学的価格影響分析:中程度から低度
原油価格が1%上昇すると、13か月の調整期間中、長期的に渡り小麦価格が0.4%上昇する可能性がある。
・要衝流通分析:低度
交通の小麦の輸出は同国北西部の港を起点に行われる可能性が高く(右図参照)、海上輸送ルートとして緊張が続く南シナ海を通過することから一定のリスクがある。
・貿易環境の変動性指数:非常に低い
オーストラリアでは2009年以降、小麦貿易に関する規制や制度変更は一度のみで、2012年の輸出関連税の引き下げという輸出にとっては有益な転換であった。

aiESGは、今後も独自のAI技術とESG評価ノウハウを活かし、企業の持続可能な成長に貢献するソリューション開発を推進してまいります。
■株式会社aiESG (アイエスジー)について

「aiESG」は、製品およびサービスレベルのESG分析を通して、持続可能な社会の実現を目指す九州大学発のスタートアップ企業です。国連報告書代表など国際的・学術的な長年のESG研究成果を元に、サプライチェーンを全て遡ったESG評価プラットフォーム「aiESG Flow」などを提供しています。また、ESG全般について支援サービスを行っています。
当社コーポレートサイトはこちらから(https://aiesg.co.jp/)
■会社概要
会社名 :株式会社aiESG
本社所在地 :福岡市博多区博多駅前 1-15-20 NMF博多駅前ビル 2階
代表取締役 :馬奈木 俊介
最高経営責任者 :関 大吉
事業内容 :プロダクト/サービスレベルのESG分析事業
設立 :2022年7月
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