イチゴの凍結解凍時のドリップに影響を及ぼす一因子の推定に成功 日本大学生物資源科学部と共同研究を実施
凍結解凍しても、新鮮でおいしいイチゴの実現を目指して
アヲハタ株式会社(本社:広島県竹原市、代表取締役社長:山本範雄、以下アヲハタ)は、凍結解凍しても新鮮でおいしいイチゴの実現を目的として、2019年から日本大学 生物資源科学部食品生命学科と共同研究を行ってきました。この度、論文『イチゴ果実の凍結解凍処理により生ずるドリップに影響を及ぼす、因子の探索に関する研究』が学術雑誌International Journal of Refrigeration,Vol.134,189-196に掲載されました。また、同誌のオンライン版でも公開※1しています。
※1 Investigation of the key factors that affect drip loss in Japanese strawberry cultivars as a result of freezing and thawing (https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140700721004187?via%3Dihub)
※1 Investigation of the key factors that affect drip loss in Japanese strawberry cultivars as a result of freezing and thawing (https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0140700721004187?via%3Dihub)
一年中おいしいイチゴを食べられるようにしたい、そのためにアヲハタができることとは
冷凍フルーツ市場の拡大に伴い、イチゴも冷凍状態で販売されるようになりました。しかし、イチゴは凍結解凍時にドリップが発生し、果汁が流出して食感が失われるなど、品位が劇的に劣化してしまう課題があります。そこで日本大学 生物資源科学部と、イチゴの品種特性を調査し、ドリップに影響を及ぼす因子を明らかにする共同研究を行いました。
研究概要
今回の研究では、アヲハタの研究施設「アヲハタ果実研究所」で栽培している100種類以上のイチゴ品種の中から熟度が同じ10品種を選定して試験を実施しました。結果としてドリップの品種による差は、イチゴの細胞壁に存在するペクチンの量や構造が保水力に影響した結果である可能性が高いことが分かりました。本研究の結果は将来的に、凍結解凍してもおいしく、ドリップの少ないイチゴ品種の開発に役立つと考えています。
「フルーツのアヲハタ」として、フルーツの可能性をもっと増やしていきたい
アヲハタではジャムの製造に欠かせないペクチン※2について、長年研究を続けてきました。「アヲハタ 55」シリーズのような低糖度ジャムを離水させることなくゲル化※3できるようになったのも、ペクチンの研究開発があったからです。そして今回、イチゴの凍結解凍時の品質向上にも、イチゴが本来持っているペクチンが関係していることが分かりました。これまで磨き上げてきたペクチンの応用技術と、今回の新知見を生かして、凍結解凍しても新鮮でおいしいイチゴの実現を目指すとともに、フルーツのおいしさや楽しさをより感じてもらえる、新たな商品開発にもつなげていきたいと考えています。※2 ペクチンとは食物繊維の一種で、植物細胞をつなぎ合わせる働きをしている天然の多糖類です。
※3 ゲル化とは寒天やゼラチンのようにゼリー状に固まったものを指します。
アヲハタはこれからも、「フルーツで世界の人を幸せにする」というビジョンを具現化する取り組みや商品開発を進めていきます。
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