東邦ガス、産官学連携による「地域でつなぐ部活動支援プロジェクト」新たな共同実証を開始
〜自治体・地域企業・大学とともに、持続可能な部活動のかたちを探る〜

東邦ガスは、自治体向けソリューション「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」の一環として、
愛知県の尾張旭市・一宮市・日進市・弥富市とともに、「地域でつなぐ部活動支援プロジェクト」と題した新たな共同実証を2025年11月中旬から開始します。
本実証では、2025年2〜3月に尾張旭市で行った実証実験の成果をもとに、尾張旭市・一宮市・日進市・弥富市の4つの自治体へ対象を拡大。また、東邦ガスの呼びかけにより、NTT西日本グループ、日本ガイシ株式会社、ブラザー工業株式会社、株式会社山田商会の各社にもご協力いただき、各社の従業員を対象に、部活動の外部指導員として参加いただける方の募集活動も行いました。
取り組みの背景
少子化や教員の長時間労働といった課題が深刻化する中、文部科学省やスポーツ庁・文化庁は「部活動の地域展開」を推進しています。
しかし現場では、外部指導員の確保や契約・日程調整の煩雑さなど、自治体や学校だけでは解決できない課題も多く残されています。
こうした背景を踏まえ、東邦ガスは、地域や企業が協力して部活動を支える新しい仕組みを検証するため、2025年2〜3月に尾張旭市で先行実証を実施しました。

この実証では、東邦ガスグループの社員が自身のスポーツ経験を生かし、中学校の部活動に外部指導員として参加。また、教育委員会と連携しながら、現場での指導や運営体制の課題も整理しました。


その結果、生徒や保護者、教員からは「社会人と関われて刺激になった」「先生の負担が軽くなった」といった声が寄せられ、地域が一体となって子どもたちを支える取り組みとして高く評価されました。
一方で、部活動の指導方針の共有や事務作業の効率化など、運営面での課題も見えてきました。こうした成果と課題の双方をもとに、より持続可能な仕組みを探る次のフェーズとして、今回の共同実証を実施します。
共同実証「地域でつなぐ部活動支援プロジェクト」について
■ プロジェクト名:地域でつなぐ部活動支援プロジェクト
■ 目的:
本実証では、学校現場の負担を軽減しながら、地域全体で部活動を支える新しい仕組みを構築することを目指します。その中でも、次の2つのテーマを中心に検証を進めます。
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企業人材の参加拡大と関わりやすい仕組みづくり:
当社グループ社員に加え、この取り組みに共感いただいた企業の社員も中学校の部活動に外部指導員として参加し、子どもたちの活動を支援します。
指導経験や資格の有無にかかわらず参加できるよう、名古屋産業大学の伊藤理香准教授に内容を監修いただき、尾張旭市と共同制作した研修プログラム動画や理解度テストの実施、顧問教員と指導者が事前にコミュニケーションを取れる仕組みなどを整備します。
こうした取り組みを通じて、地域の多様な人が教育現場に関わりやすい仕組みづくりと、企業と学校が協働する新しい地域連携モデルの確立を目指します。
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デジタルツールを活用した業務効率化と課題の見える化:
部活動の地域展開を持続的に進めるためには、学校や自治体が担う契約・日程調整・報告などの事務作業を効率化し、負担を軽減する仕組みが求められています。本実証では、デジタルツールを活用した運営業務の支援を試行し、情報共有の効率化や業務プロセスの改善効果を検証します。
また、自治体間での共通課題・個別課題を抽出し、今後、地域で持続的に部活動を運営していくうえでの仕組みづくりの可能性も探ります。
■実施概要

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項目 |
内容 |
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実証期間 |
・2025年11月中旬~2026年2月末(予定) ・各自治体のスケジュールに合わせて段階的に実施。 |
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対象自治体 |
尾張旭市、一宮市、日進市、弥富市 |
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対象部活動 |
・運動系・文化系を問わず、中学校の多様な部活動を対象に検証。 ・各自治体で複数の中学校・部活動を対象に実施予定。 ・一部地域では地域クラブチームも対象。 |
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協力企業 |
NTT西日本グループ、日本ガイシ株式会社、 ブラザー工業株式会社、株式会社山田商会 ※本実証において、従業員さま向けの外部指導員の募集にご協力いただいた企業 |
名古屋大学との共同研究について
本実証では、名古屋大学 宮崎正也准教授(経営学・産業経営システム分野)と連携し、地域と企業が連携して教育を支える新しい仕組みの有効性を検証します。
宮崎准教授は、経営組織や地域協働の視点から、企業で働く人が教育現場に関わることで生まれる学びや成長の変化を明らかにするとともに、生徒・保護者・教員・外部指導員など多様な立場からのデータと意見をもとに、多角的な分析を行います。
これらの分析結果をもとに、地域と企業が協働して部活動を支える持続可能な運営モデルの構築につなげます。

名古屋大学 宮崎正也 准教授
私たちが推進する「部活動改革のためのビジネス・エコシステム・デザイン」研究プロジェクトでは、部活動改革に関わる地域の皆様が等しく満足できて、さらに活き活きと部活動に関われる「共生的な仕組み」(エコシステム)を実現するための事業システムの設計を
めざしています。休日もひたむきに部活に取り組んでいきたいという生徒様たちの向上心、部活を通したお子さまたちの成長を願う保護者様たちのお気持ち、日々の仕事を離れて休日に自身の競技経験を活かしたいという社会人・外部指導員様たちの意欲、これらをはじめとする関係者の皆様がよりハッピーになれるエコシステムの構築に向けて、本研究プロジェクトは邁進していきます。
将来的に、東邦ガス様との共同実証研究が生み出す成果の実現に大きく期待しています。
関係者のコメント

尾張旭市教育委員会 三浦 教育長
今回の取組は、地域や企業の皆さんと一緒に、子どもたちの学びや成長を支えていく新しい形だと感じています。本市の実証では、生徒が社会で活躍する大人と関わることで新たな刺激を受け、また先生方にとっても負担軽減や学びの機会につながりました。尾張旭市では、今後も地域や企業と連携しながら、子どもたちのために、1人ひとりが豊かに成長できる環境づくりを推進してまいります。

一宮市教育委員会 高橋 教育長
今回、東邦ガス株式会社と連携し、「部活動支援プロジェクト」の実証事業に参画できることを大変心強く、また嬉しく思っています。本実証事業を通じて、企業人材の活用と運営業務の効率化を進め、生徒がスポーツや文化活動に主体的に親しめる環境の充実を図り、一宮市の部活動改革がさらに前進することを願っています。

外部指導員:株式会社山田商会 眞野氏
この度、部活動の外部指導員として活動する機会をいただき、指導員の資格を持つ身として、皆さんとともに活動できることは非常に光栄であり、新たなきっかけや挑戦にも繋がるのではと期待しております。自分の得意な分野や経験を活かし、部活に貢献できることを嬉しく思います。先生の補佐役として一人ひとりの成長をサポートし、部活そのものがさらに充実したものとなるよう、全力で努めさせていただきます。

東邦ガス株式会社 事業開発部 五藤氏
自治体・学校・外部指導員の皆さまと密接に連携し、持続的な活動を支える運営体制を丁寧に構築していきます。今回の共同実証は、地域・企業・大学と連携し、部活動を支える新たな担い手を育む大切な機会です。学校現場の負担軽減と、地域で子どもたちを支える仕組みの確立を目指し、本実証で得られた知見を体系的に整理し、持続可能なモデルの構築につなげていきます。
「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」について

「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」とは、自治体を対象に、東邦ガスの地域における事業基盤や、くらし・ビジネスを支えるサポート体制、グループ会社や数多くの提携先を含めた幅広いネットワークなどを活用して、行政サービスのデジタル化や事務局業務の効率化など、さまざまな課題を解決するソリューションサービスです。
「東邦ガス つなぐtech(ツナグテ)」の詳細は、公式サイト(https://connect.tohogas.co.jp/)をご確認ください。
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