約9割のミドルマネジメント層が「プレイングマネジャー」であることが明らかに。育成不足や現場業務の優先で、マネジメントスキル不足に大きな課題。

〜半数以上の総務が「マネジャーになりたくない」。理由は「割に合わない」「責任を持ちたくない」など〜

株式会社月刊総務

日本で唯一の総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務(所在地:東京都千代田区、代表取締役:豊田健一)は、全国の総務担当者を対象に「ミドルマネジメントについての調査」を実施し、230名から回答を得ました。

※本調査における「ミドルマネジメント層」は、課長職・マネジャー相当のことを指します。

【調査結果 概要】

  • 9割以上が自社のミドルマネジメント層はスキル不足だと評価

  • 半数以上の総務がマネジャーになりたくない

  • 総務のマネジャーになりたい理由「成長したい」、なりたくない理由「割に合わない」

  • 育成が追い付かないなどの要因で、約半数がミドルマネジメント層の人数が不足

  • 約9割のミドルマネジメント層が「プレイングマネジャー」である

    ミドルマネジメント層に求めるのは「部下を育成する力」「チームを統率する力」など

  • 3割がミドルマネジメント層の負担を軽減する工夫を何もしていない

  • 理想のマネジャーは「リーダーシップが高い」「傾聴力が高い」「後ろ盾になってくれる」

【調査結果 詳細】

■9割以上が自社のマネジメント層を「スキル不足」と評価も、自分自身のマネジメントスキルは「発揮できている」が6割と、認識に大きな乖離

ミドルマネジメント層のスキルが足りないと感じることがあるか尋ねたところ、9割以上がスキル不足を感じていることがわかりました(n=230)。

<スキル不足を感じる理由/一部抜粋>

・プレイングマネジャーであり、マネジメントスキルが乏しい。

・育成をするスキームが不十分。

・能力でなく、年数や年齢での昇格があるため。

また、ミドルマネジメント層に自身のマネジメントスキルをどう評価するか尋ねたところ、約6割が発揮できていると回答しました(n=63/ミドルマネジメント層)。

ミドルマネジメント層の自己評価と全体の評価に51.3ポイントの乖離があり、認識に差があることがわかりました。

■総務のマネジャーになりたい理由「成長したい」、なりたくない理由「割に合わない」

マネジャー層に対し、マネジャーに昇進してよかったと思うか尋ねたところ、8割以上がよかったと回答しました(n=63/ミドルマネジメント層)。

また、リーダー層及び役職なしの方にマネジャーになりたいと思うか尋ねたところ、半数以上がなりたくないと回答しました(n=106/リーダー層・役職なし)。

■育成が追い付かないなどの要因で、約半数がミドルマネジメント層の人数が不足

ミドルマネジメント層の人数が足りているか尋ねたところ、約半数が足りていないと回答しました(n=230)。

ミドルマネジメント層が足りない理由は、「マネジメント職の育成が追い付いていない」が約7割で最多となりました(n=118/ミドルマネジメント層が足りない企業)。


■約9割のミドルマネジメント層が「プレイングマネジャー」であることが明らかに

ミドルマネジメント層がプレイング業務を行っているか尋ねたところ、約9割がプレイングマネジャーであることがわかりました(n=230)。

マネジャーになる条件について尋ねたところ、直属の上司からの推薦が約6割で最多となりました(n=230)。

直属の上司からの推薦:59.6%

人事評価で所定の条件がある:52.2%

決まりはなくケースバイケース:35.7%

昇格試験:29.1%

わからない:4.3%

社員に昇格を打診して断られたことがあるか尋ねたところ、3割以上があると回答しました(n=142/昇格打診について把握している人)。

ある:35.9%

ない:64.1%

<断られた理由/一部抜粋>

・責任を負いたくない。

・管理職になることで残業代がなくなり賃金が減る。

・専門職としてプレイヤーのままでキャリアアップしたい点と、その方が総合的な付加価値が高い。

■ミドルマネジメント層に求めるのは「部下を育成する力」「チームを統率する力」など

ミドルマネジメント層に求めることについて尋ねたところ、「部下を育成する力」が最多となりました(n=230)。

■3割がミドルマネジメント層の負担を軽減する工夫を何もしていない

ミドルマネジメント層の負担を軽減する工夫をしているか尋ねたところ、3割が何も工夫をしていないことがわかりました(n=230)。

社員に対し、マネジメント層になりたいと思うモチベーションをどう醸成しているか尋ねたところ、約半数が「給与・待遇を良くする」と回答しました(n=230)。

給与・待遇を良くする:48.3%

教育・研修を充実させる:31.3%

ロールモデルを示す:27.8%

求める要件を明確化する:25.2%

キャリアコンサルティングを行う:10.9%

その他:0.9%

何もしていない:27.0%

■理想のマネジャーは「リーダーシップが高い」「傾聴力が高い」「後ろ盾になってくれる」

■総評

今回の調査では、ミドルマネジメントのほとんどがプレイングマネジャーであり、プレイヤー業務に追われるなどの要因から、マネジメントスキルの習得に課題が多いことがわかりました。

ミドルマネジメント層自身は「マネジャーになってよかった」と思っている人が多い一方で、その次を担う層は「割に合わない」と昇進に意欲的ではありません。会社としてミドルマネジメント層の負担を軽減する取り組みはあまり進んでおらず、改善が必要な状況です。

まずは、マネジメントに向き合う余裕を作るため、業務の棚卸しを行うことが大切です。足元に不要な会議はないか、効率化できるルーティン業務はないかなど、テクノロジーも上手に活用しながら日常業務の生産性をあげることがベースとして求められます。

総務としては、リスキリングの観点からも、スキルアップのための手段やメニューをしっかり現場に示すことが必要です。同時にロールモデルを示すなど、会社の目標やパーパスと紐付けながら自社が求めるマネジャー像を提示することが、現場の成長意欲や定着へとつながるでしょう。

■株式会社月刊総務 代表取締役社長  豊田 健一 プロフィール

株式会社月刊総務 代表取締役社長

戦略総務研究所 所長

早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。現在は、戦略総務研究所所長、(一社)FOSCの代表理事、(一社)ワークDX推進機構理事、(一社)IT顧問化協会専務理事、日本オムニチャンネル協会フェローとして、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。著書に『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

※「働き方」「リモートワーク・テレワーク」「総務関連全般」等についても取材可能です。

▼メディア実績はこちら

https://www.g-soumu.com/company/message

【調査概要】

調査名称:ミドルマネジメントについての調査

調査機関:自社調査

調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか

調査方法: Webアンケート

調査期間:2024年1月15日〜2024年1月23日

有効回答数:230件

■調査結果の引用時のお願い

※本調査内容を転載・ご利用いただく場合は、出典元の表記をお願いします。

例:「『月刊総務』の調査によると」「『月刊総務』調べ」など


■『月刊総務』について

創刊60年の日本で唯一の総務専門誌。「すべての総務パーソンの心に、火を。」をキャッチフレーズとし、総務部門で働く人を中心に、幅広くビジネスパーソンに読んで役に立つ記事を提供。上場企業、大手事業会社、中堅・中小企業と、幅広い規模の企業に定期購読していただいております。(創刊:1963年6月/印刷部数:1万2,000部/定価:1,100円)

■株式会社月刊総務 会社概要

社名:株式会社月刊総務

代表:代表取締役 豊田健一

住所:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE 11F

設立:2018年8月

事業内容:

・日本で唯一の総務・人事部門専門誌『月刊総務』の発行

・バックオフィス業務の「困った」を解決する「月刊総務オンライン」の運営

・「総務セミナー」「総務サロン」の主催

・働き方改革関連コンサルティング 等

URL:https://www.g-soumu.com/

すべての画像


会社概要

株式会社月刊総務

21フォロワー

RSS
URL
https://www.g-soumu.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE 11F
電話番号
03-4332-4260
代表者名
豊田 健一
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2018年08月