【精度検証レポート】森林内でのみちびきCLAS対応のGPSロガーを検証。装着位置(頭・腰・背中)で精度はどれだけ変わるのか?13kmの実歩行データで比較。
衛星からの信号が届きにくい森林内を歩行。「頭部」を基準に、「背中」「腰」の距離誤差とFIX率を具体的に算出し、その有効性を検証しました。
エゾウィン株式会社(本社:北海道標津町、代表取締役:大野 宏、以下「当社」)はこのたび、当社が開発・提供する、みちびきCLAS対応の高精度GPSロガーについて、GPS信号が届きにくい森林内でのウェアラブル(人体装着型)精度検証を実施し、その結果をレポートとして公開します。
本検証の目的は、農作業をはじめ、人が直接機器を装着して活動する様々なシーンを想定し、GPSにとって最も不利な環境の一つである森林内で、装着位置によってどの程度の誤差が生じるのか、その実用的な限界と可能性をデータとして明らかにすることです。13kmにおよぶ実歩行テストの結果、アンテナの装着位置が測位精度に与える影響と、それぞれの条件下での具体的な誤差を、客観的なデータとして示すことに成功しました。

■検証の背景:GPSの難所「森林内」で、本当に信頼できるデータは取れるのか?
森林内は、樹木や葉が衛星からの信号を遮るため、高精度なGPS測位を行う上で最も困難な環境の一つです。特に、作業者の安全管理や、正確な測量・調査が求められるプロフェッショナルな現場では、「今、本当に正確な位置が取れているのか?」という、データの信頼性が常に問われます。
さらに、アンテナを人体に装着する場合、身体自身が信号の障害物となり、測位精度に影響を与える可能性があります。私たちは、この最も不利な条件下で、装着位置によって精度がどれだけ変わるのかをデータで明確にすることで、ユーザーが用途に応じて最適な運用方法を選択できる、客観的な指標を提供したいと考え、今回の検証を実施しました。
■検証概要:13kmの実歩行データで、3つの装着位置を比較
今回の検証では、一人の人物が、みちびきCLAS対応の高精度GPSロガーのアンテナを身体の各所に装着し、森林内を含む約13kmのコースを歩行。その測位データを比較しました。
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基準データ(真値):アンテナを頭部に設置
最も衛星の信号を遮るものが少ない頭部を、最も正確な値が取れる「基準」としました。
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比較データ①:アンテナを背部に設置
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比較データ②:アンテナを腰部に設置

■検証結果:「頭部」を基準とした、具体的な誤差とFIX率
検証の結果、装着位置によって測位精度に明確な差が生まれることが、具体的な数値として示されました。
1.距離の誤差:
頭部設置時の総距離【基準となる総距離13.4km】を「真値」とした場合、各部位の総距離と誤差は以下の通りでした。
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頭部設置:13.4km
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背部設置:12.8km(誤差 【-4.4%】)
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腰部設置:12.4km(誤差 【-.7.7%】)
2.FIX率の比較:
最高精度である「FIX(固定解)」(誤差12cm)を維持できた割合は、以下の通りです。
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頭部設置:【35.7%】
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背部設置:【0%】
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腰部設置:【0%】
これらの結果は、森林内という不利な環境であっても、頭部にアンテナを設置すれば、FIX値は取れることを示しています。残念ながら、それ以外の部位に関しては、FIX値は取得できませんでした。
ですが、腰部や背部は、距離にも数パーセント程度の誤差という事が明らかになりました。これは、数パーセントの誤差が許容される一般的な活動記録であれば、利便性の高い腰部や背部での装着も実用的であるという、重要な判断材料となります。
■今後の展望
今回の検証により、森林内での高精度測位における、具体的な指針を示すことができました。当社は今後も、こうした地道な実証実験を重ね、プロフェッショナルな現場のニーズに応える、信頼性の高いデータと、その最適な活用方法を提案してまいります。
■動態管理DX「レポサク」の主な特徴

◯ 超高精度な作業記録:
準天頂衛星みちびきのCLASに対応したGPSロガーが、誤差12cmの精度で位置情報を1秒単位で自動記録します 。 車両の電源に接続するだけで、オペレーターの操作は一切不要です 。
◯ リアルタイムな進捗の可視化:
数十台の車両位置や圃場ごとの進捗率を地図上でリアルタイムに確認できます 。 進捗確認のための無線連絡が不要となり、コミュニケーションストレスを軽減します 。
◯データに基づく運用改善と技術継承:
自動作成される日報や稼働データ(実稼働・アイドリング等)の分析により、車両や人員の最適配置、投資判断の材料を提供します 。 熟練者の作業履歴(軌跡データ)は、若手や新規就農者にとって貴重な参考資料となり、早期育成を支援します 。
■エゾウィン株式会社について
日本最大の酪農地帯が広がる北海道東部の標津町(しべつちょう)で、2019年に創業。
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2022年:令和4年度農林水産技術会議会長賞を受賞
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2023年:J-Startup HOKKAIDOに選定
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2023年:イチBizアワード最優秀賞を受賞
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2024年:CEATEC AWARD 2024『コ・クリエイション(共創)部門賞』を受賞
○私達のミッション
「2021年に130万人いた農業従事者は、2040年には35万人にまで減少。日本の食糧生産は危機に瀕しています。エゾウィンは、北海道から国内最大の完全自動化農場を目指し、日本の食を支えます。」
■会社概要
名称:エゾウィン株式会社
設立:2019年1月
代表者:代表取締役 大野宏
住所:北海道標津郡標津町川北63-7
レポサクの商品一覧ページ:https://ezowin.com/products
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