【大阪工業大学】シナモン粒子を使い食べられる「シャボン玉」

かむとカリッ♪ 音の楽しいスイーツ素材に

学校法人常翔学園

 大阪工業大学(学長:井上晋)応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授のグループが、シナモン粒子で安定化させたシャボン玉(ガスマーブル)を開発しました。見た目が楽しく、かむと音の出る食用カプセルとして、ケーキ等のデコレーションにも利用できます。
  • 本件のポイント

● 食べることができるシャボン玉構造のカプセル(ガスマーブル)を開発

● マイクロメートルサイズの不規則な形状のシナモン粒子が絡み合い、状態が安定化

● 食感、音を楽しめるデコレーションとしての利用が可能


 作る楽しさや美しさから人々に愛されるシャボン玉。一般的にシャボン玉は、洗剤に含まれる界面活性剤分子が薄い水膜に吸着することで安定化しています。最近、界面活性剤分子の代わりに、固体粒子を薄い水膜に吸着させることでもシャボン玉を作製できることが分かり、ガスマーブルと呼ばれ注目を集めています。ただ、どちらのシャボン玉も水が蒸発すると割れてしまいます。

 本研究では、香辛料の一つであるシナモン粒子を安定化剤として使用することで、食用のガスマーブルの作製が可能であることを明らかにしました。シナモン粒子はマイクロメートルサイズの不規則な形状をしています。水膜に吸着させると、粒子同士が絡み合うような状態で安定化したガスマーブルになり、水が蒸発した後も割れずに球状構造を保つことが確認されました。液体として水以外に、ミルク、豆乳、コーヒーを使用してもガスマーブルの作製に成功しました。ミルクを用いて作製したガスマーブルを乾燥させると、丈夫な殻を持つ中空カプセルが生成されます。歯でかみ割ると「カリッ」と音を立てることもできます。見た目の面白さ、シナモン由来の香り・味、発音する特性から、スイーツ(ケーキ等)のデコレーションに向く素材として利用可能です。

     シナモン粒子は不規則な形状が絡み合い安定化(写真右下)。1年後も形状を維持する


 本研究で開発したシナモン粒子で安定化させたガスマーブルは、簡単に作製可能です。また、内部に新たに香りを導入することができる点も魅力的です。本研究で開発したガスマーブルは、分子ガストロノミー(分子美食学)の分野でも活躍することが期待できます。

 この成果は、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)の支援を受け、Anne-Laure Fameau博士(フランス国立農業・食料・環境研究所)との共同研究を通じて得られたものです。学術雑誌Advanced Functional Materials誌に論文が掲載(2024年8月6日付)され、注目を集めています。


URL: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adfm.202409926

(DOI: 10.1002/adfm.202409926)

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会社概要

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URL
https://www.josho.ac.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
大阪市旭区大宮5-16-1
電話番号
-
代表者名
西村泰志
上場
未上場
資本金
-
設立
1922年10月