元JETRO理事長 佐々木伸彦が会長に就任 2名の共同代表理事体制へ

新理事会体制に移行、更なるフェアトレードの市場拡大を目指す

(左から、共同代表理事 樽本哲、会長 佐々木伸彦、共同代表理事 前田京子)

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(東京都中央区/事務局長 潮崎 真惟子、以下フェアトレード・ジャパン)は、2025年7月1日付で、元JETRO理事長である佐々木伸彦を会長に迎え、新たな理事会体制へ移行します。1993年の団体設立から30年以上にわたり当団体を率いてきた堀木一男は、理事長を退任して名誉顧問に就任するとともに、理事として活動を推進してきた前田京子と樽本哲が新たに共同代表理事に就任したことをお知らせします。

今後は、長年にわたり日本の通商政策や国際貿易の最前線で培ってきた佐々木の豊富な経験と知見、そして新たに共同代表理事体制のもとで発揮される多角的なリーダーシップを結集し、フェアトレード・ジャパンのビジョンである「公正な貿易の実現によって、世界から貧困がなくなり、生産者が持続可能な生活を実現し、自ら未来を切り開いていける世界の実現」に向け、一層取り組んでいきます。

■会長 佐々木伸彦(ささきのぶひこ)からのコメント

世の中に良いことを根付かせようとするとき、三つの方法が考えられます。第一は人の善意に頼って良いことをしようと呼びかける。しかしこれは応ずる時にコストがかかれば、応ずる人と応じない人に不公平感を生み、結局広まりません。第二は、規則で強制して、違反した人は処罰する。これは効果は抜群ですが、国境をまたがって行われるビジネスでは誰がどうやって規則を作り守らせるかの仕組み作りが容易でありません。第三は良いことをすることで経済的にもリターンがあるような仕組みを作り広く参加を募る。フェアトレード・ジャパンの活動は長年の多くの人の知恵と実行力が結実した稀有の好例です。多くの人の参加を得て、世の中に良いことを根付かせるために微力を尽くしたいと思います。

<佐々木伸彦プロフィール>

1979年、東京大学法学部卒業後、通商産業省(現 経済産業省)入省。 1986年、カリフォルニア大学バークレー校政治学修士課程修了。 通商政策局長、経済産業審議官を務め、2013年に東京海上日動火災保険株式会社顧問、2015年より富士通株式会社顧問、執行役員専務、執行役員副会長を歴任。 2019年4月、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)理事長に就任。2024年4月より一般財団法人日中経済協会理事長。

■名誉顧問、前・理事長 堀木一男(ほりきかずお)からのコメント

2023年にわたしたちの取り組みは30年を迎えみんなでお祝いしました。30年前は、毎週一度ボランティアが集まってフェアトレードの勉強会をしていました。イギリスの留学から帰国した学生から現地の様子を聞いて、どうしたら日本もフェアトレードを受容する成熟した社会になれるだろうかと、熱く話し合っていました。商品は少なかったですが、口コミで仲間や諸集会でアピールしていました。30年経ってフェアトレードは小学生が教科書で学ぶ時代になりイメージも飛躍的に広がりました。フェアトレードの意味を受け止めている世代も増しています。更にこの変化を促すために、組織の新体制で時代に即した新しい取り組みをと切に願うものです。

<堀木一男プロフィール>

1981年 株式会社デザイン コンビビア設立、代表に就任。

科学雑誌「Newton」のADとして創刊に参画。その後も折々に海洋研究開発機構、理化学研究所、JAXAなど主に科学機関の広報活動に携わる。また美術大学、専門学校の講師として主にTypographyを担当する。出会いを通してフェアトレードの理念に感銘を受け、その運動に関わる。ボランティア活動にも興味を持ち、長く傾聴ボランティアを続けた。

■共同代表理事 前田京子(まえだきょうこ)からのコメント

このたび代表理事に就任いたしました前田京子です。企業でサステナビリティを10年、ダイバーシティを7年推進し、「誰もが尊重され、自分らしく働ける社会」をめざして取り組んでまいりました。フェアトレードは、まさにその社会の土台を確実に支える仕組みであり、その価値と可能性に深く魅せられてきました。これまでこの活動を築き支えてこられた諸先輩方に、心より敬意を表します。その志をしっかりと受け継ぎ、未来へとつなげていけるよう尽力してまいります。いま世界は不安定さを増し、人権・環境、そして“人”とどう向き合うかが改めて問われています。生産者が誇りをもって働ける社会の実現へ。みなさまとともに、その輪を広げてまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 <前田京子プロフィール>

ダイバーシティ推進コンサルタント。株式会社NTTデータグループ 人事本部 DEI推進室 所属

社員約20万人のグローバルIT企業の人事部で7年間にわたりダイバーシティ推進を担当。方針策定から研修・イベントの企画運営まで、社員の声を聴きながら、実践的な取り組みを展開。

テーマは女性活躍にとどまらず、ジェンダー平等(育児・介護と仕事の両立支援)、LGBTQ+、障がい者の活躍推進、柔軟な働き方の促進など、幅広いテーマにおける具体的な取り組み事例やノウハウを社内外に向けて広く発信。

以前はサステナビリティ推進に10年間携わっており、「ダイバーシティ×サステナビリティ」の視点から、持続可能な組織づくりと、誰もが自分らしく働ける社会の実現をめざしている。

大学、国連組織、経団連などでの講演実績も多数。現在は講演・執筆を通じて、幅広いテーマで実際の職場経験を活かしたダイバーシティの意義と実践方法を伝えている。

2024年12月に書籍『超実践!今日からできる 職場の多様性活用ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター社)を出版。

■共同代表理事 樽本哲(たるもとさとし)からのコメント

フェアトレード・ジャパンの理事に加わって10年余りが経ちました。SDGsや社会的インパクトといった言葉が広がる一方で、残念ながら世界の現場では紛争、飢餓、気候変動が深刻化し、経済的な格差も拡大しているのが現実です。

だからこそ、フェアトレード・ジャパンが大切にしてきた「生産者の自立を後押しし、公正な貿易を社会に根付かせる」という使命は、今、かつてないほど重要です。弁護士として、より多くの企業が次世代に対して責任ある行動を選択し、生産者の尊厳と権利に配慮した取引の仕組みを構築するように促すことで、この使命に貢献したいと考えています。

フェアトレード・ジャパンは、特定の誰かが引っ張る組織ではありません。設立当初からの揺るぎない理念と、多様な専門性を有するスタッフ・役員全員の「集合知」が何よりの強みです。この強力なチームと共に、これからも皆さんと手を取り合いながら、フェアトレードの取り組みを力強く推進し、持続可能な未来を共に創造していきたいと願っています。応援をよろしくお願いいたします。

<樽本哲プロフィール>

2003年弁護士登録(第一東京弁護士会)、2024年至善館大学院大学 経営修士(MBA)。

経営者の挑戦と人生を支えるインテアス法律事務所の代表弁護士。東日本大震災を機にNPOや社会企業家の支援活動を始め、遺贈寄付の推進や株主優待寄付の普及、フィランソロピストの伴走支援などに活躍の場を広げるNPOのための弁護士ネットワーク創設者・理事。フェアトレード・ジャパンでは2015年11月より理事兼リーガルアドバイザーを務めている。

 

【フェアトレードとは?】

フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」です。通常の取引では、市場価格の情報や販売先の選択肢の欠如により、末端の小規模生産者は、安く買い叩かれてしまうことが今も多くあります。その結果、生産者の生活水準低下、コスト削減を目的とした児童労働・強制労働、過剰な農薬による環境破壊や生産者が健康被害をうけるという問題が引き起こされます。フェアトレードは、人と環境に配慮して生産されたものを適正な価格で取引し、持続可能な生産と生活向上を支援する仕組みです。フェアトレードによる取引では、適正価格の保証・プレミアムの支払い、児童労働・強制労働の禁止、環境に配慮した生産などが行われます。国連のSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標全ての達成に寄与すると言われ、特に8つ(目標1貧困、目標2飢餓、目標5ジェンダー、目標8労働環境、目標12持続可能な消費と生産、目標13気候変動、目標16平和、目標17パートナーシップ)の達成に大きく寄与すると言われています。

【認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン】

 1993年設立、2023年11月に30周年を迎えた認定NPO法人。国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)の構成メンバーとして、日本国内における国際フェアトレード認証ラベルの認証・ライセンス事業、フェアトレード の啓発・アドボカシー活動を行います。国際フェアトレードラベル機構は、公正な取引を通じた世界の貧困問題の解決、生産者の持続可能な生活の実現を目指して1997年設立された国際組織。現在開発途上国 70カ国・200万人以上の生産者・労働者と消費国30カ国メンバーが参加しています。(https://www.fairtrade-jp.org/

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会社概要

URL
https://www.fairtrade-jp.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中央区日本橋富沢町11-6 英守東京ビル3階
電話番号
-
代表者名
堀木一男
上場
未上場
資本金
-
設立
1993年11月