有志専門家と当事者がシビックテックで睡眠のセルフモニタリングツール(睡眠記録シート)を開発
睡眠不足大国日本で睡眠に悩む人々のためのセルフモニタリングツールをオープンソースソフトウェアとして開発
睡眠不足大国日本の寝不足や睡眠にまつわる課題を研究者・臨床現場で働く医療関係者・睡眠の困りごとを抱える当事者がともに考え、ともにつくるシチズンサイエンス・シビックテックのプロジェクトとして、睡眠記録シートのデジタル版「gussuri(ぐっすり)」の開発プロジェクトに取り組んでいます。
一般社団法人コード・フォー・ジャパン(以下、Code for Japan)では、シビックテックコミュニティとしてハッカソンやイベントを運営し、そこに参加するコントリビュータの皆さんが興味関心のある社会課題や地域の困りごとを取り上げプロジェクト化し、データを集めて分析したり、プロトタイプを開発したりしながらシビックテックアプローチにチャレンジしています。
睡眠不足大国である日本において、睡眠の困りごとをもつ人が増え、慢性的に睡眠不足な人が多い状態に危機感を感じている研究者さん、臨床現場で患者さんと関わり支援方法の拡充を考える医療関係者の方々、当事者として睡眠を改善したい人たちの中で、シチズンサイエンス・シビックテックのアプローチにチャレンジしたいと考えている人たちが集まり、睡眠状況を把握するためのセルフモニタリングツールである睡眠記録シートのデジタル版「gussuri(ぐっすり)」を開発しています。
個人の健康、組織経営などさまざまなシーンで注目されている「well-being(ウェルビーイング)」の構成要素としても重要な睡眠に着目し、その改善や行動変容を考える前段階として、そもそもの実態を個人や組織単位で把握するために用いられる睡眠記録シートが現状紙ベースであることに課題意識を持ち、誰でも簡単に手持ちの端末で記録し、そのデータを必要に応じて専門家や家族にに共有できるよう、オープンソースソフトウェアとして開発していくことで、自分達の健康を自分達で考え、組織単位・地域単位で健康や医療福祉ついてともに考え、ともにつくっていく機会づくりを提案していきます。
背景
2021年のOECD調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と33カ国の中でも最低で、全体平均(8時間27分)を1時間以上も下回っています。睡眠不足がもたらす経済損失は15兆円とも言われており、労働効率の低下、メンタルヘルス課題などに直結するだけでなく、子どもの脳機能・発育の妨げにもなる問題です。国内には1,860万人の不眠の症状を抱える人がいますが、実際に治療を受けているのは590万人で、精神科に通うことや睡眠薬を飲むことに抵抗感を感じている人は少なくありません。今回は、不眠や寝不足に困っている人たちに対して支援策を提供するのではなく、前段階のセルフモニタリングとして、「睡眠リズムはどんなパターンなのか」「睡眠時間は足りているのか」などを記録しながら考えるための睡眠記録シートのデジタル版を提供します。
(参考資料:Gender Data Portal 2021 https://www.oecd.org/gender/data/ )
gussuri(ぐっすり)のプロジェクトチーム
ポッドキャスト「バク睡らじお」をきっかけに、認知行動療法や睡眠について研究している専門家と、睡眠について困りごとを抱える当事者エンジニア・デザイナーのシチズンサイエンス プロジェクトとして、中島 俊 氏(博士(医学)/ 公認心理師 / 臨床心理士 / 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター 臨床技術開発室 室長) 井上 真里 氏(公認心理師 / 臨床心理士 / 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター / 北里大学大学院)らと共に、睡眠課題にアプローチするための最初の段階で臨床現場で用いられている「睡眠記録シート」をデジタル化するプロジェクト「gussuri(ぐっすり)」を立ち上げました。
システムの導入や監視、トラブル対応などで深夜の作業が発生しやすいエンジニア、集中できる作業時間を確保するために夜更かしになりがちなデザイナーなど、当事者として睡眠の困りごとに興味関心があるメンバーと研究者あるいは臨床現場で患者さんと関わっている専門家のメンバーがそれぞれの視点から意見を出し合い、デザイン案を考え、コーディングに参加しています。世界睡眠デー(2023年3月17日)に合わせ、本日プロジェクトをお披露目させていただきます。
(gussuriのプロジェクトページ: https://github.com/codeforjapan/Gussuri )
睡眠記録シート
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでは、これまでにも世界標準の既存睡眠記録用紙を「見やすく」「書きやすく」する取り組みとして、デザインやカラーバリエーションで記入者の行動に繋がるようにというサポートも取り組まれていました。
(NCNP版睡眠記録シート https://www.ncnp.go.jp/cbt/medical/download )
バク睡らぢお
昨年の世界睡眠デー(2022年3月18日)から専門家と当事者が対話しながら睡眠について考えるポッドキャストをアウトリーチの取り組みとしてチャレンジしています。国立精神・神経医療研究センター(NCNP) 認知行動療法センターと、Code for Japan、大阪大学、九州大学、福島県立医科大学、中央大学、富山大学、NCNP睡眠障害センターなどから集まった有志メンバーのコントリビュートでお送りする“眠り“を考えるポッドキャストです。医師や心理士、睡眠専門家、当事者、メンタルヘルス研究者が眠りとメンタルヘルスにまつわるエピソードについて、話題提供しながらこれまで50回放送してきました。
(バク睡らぢお https://podcasters.spotify.com/pod/show/ncnp-cbt-sleep )
シビックテックによるオープンソース開発
gussuri(ぐっすり)は中島氏・井上氏や上記ポッドキャスト「バク睡らぢお」に参加するその他の専門家の方とのコミュニケーションの中で、研究者・臨床現場で実際に患者さんとのコミュニケーションで使う医療関係者の皆さんの視点からフィードバックをもらいながら設計を進め、デザインや開発については、Code for Japanが運営するシビックテックコミュニティのエンジニアやデザイナーの貢献により開発されました。現在もCode for Japanが主催する開発イベントである、「ソーシャルハックデー」を中心にプロジェクトは進行中です。
(イベントページ:https://code4japan.peatix.com/ )
gussuri(ぐっすり)は、営利目的での利用も含めて許諾される「MITライセンス」によりソースコードを公開・提供いたします。今後、実際に臨床現場で患者さんの睡眠記録を診療や支援に活用していこうと考えている専門家の方々や、睡眠にまつわる研究のために実験協力を募る方々、また地域単位でクラス人々の健康やウェルビーイングの可視化を検討されている自治体などを含め、様々な方とシチズンサイエンス・シビックテックのプロジェクトとして、ともに考え、ともにつくる社会を実践していきたいと考えています。企業や自治体などの皆様がソースコードをご活用される際は、利用規約をご確認ください。
睡眠不足大国である日本において、睡眠の困りごとをもつ人が増え、慢性的に睡眠不足な人が多い状態に危機感を感じている研究者さん、臨床現場で患者さんと関わり支援方法の拡充を考える医療関係者の方々、当事者として睡眠を改善したい人たちの中で、シチズンサイエンス・シビックテックのアプローチにチャレンジしたいと考えている人たちが集まり、睡眠状況を把握するためのセルフモニタリングツールである睡眠記録シートのデジタル版「gussuri(ぐっすり)」を開発しています。
個人の健康、組織経営などさまざまなシーンで注目されている「well-being(ウェルビーイング)」の構成要素としても重要な睡眠に着目し、その改善や行動変容を考える前段階として、そもそもの実態を個人や組織単位で把握するために用いられる睡眠記録シートが現状紙ベースであることに課題意識を持ち、誰でも簡単に手持ちの端末で記録し、そのデータを必要に応じて専門家や家族にに共有できるよう、オープンソースソフトウェアとして開発していくことで、自分達の健康を自分達で考え、組織単位・地域単位で健康や医療福祉ついてともに考え、ともにつくっていく機会づくりを提案していきます。
背景
2021年のOECD調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と33カ国の中でも最低で、全体平均(8時間27分)を1時間以上も下回っています。睡眠不足がもたらす経済損失は15兆円とも言われており、労働効率の低下、メンタルヘルス課題などに直結するだけでなく、子どもの脳機能・発育の妨げにもなる問題です。国内には1,860万人の不眠の症状を抱える人がいますが、実際に治療を受けているのは590万人で、精神科に通うことや睡眠薬を飲むことに抵抗感を感じている人は少なくありません。今回は、不眠や寝不足に困っている人たちに対して支援策を提供するのではなく、前段階のセルフモニタリングとして、「睡眠リズムはどんなパターンなのか」「睡眠時間は足りているのか」などを記録しながら考えるための睡眠記録シートのデジタル版を提供します。
(参考資料:Gender Data Portal 2021 https://www.oecd.org/gender/data/ )
gussuri(ぐっすり)のプロジェクトチーム
ポッドキャスト「バク睡らじお」をきっかけに、認知行動療法や睡眠について研究している専門家と、睡眠について困りごとを抱える当事者エンジニア・デザイナーのシチズンサイエンス プロジェクトとして、中島 俊 氏(博士(医学)/ 公認心理師 / 臨床心理士 / 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター 臨床技術開発室 室長) 井上 真里 氏(公認心理師 / 臨床心理士 / 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター / 北里大学大学院)らと共に、睡眠課題にアプローチするための最初の段階で臨床現場で用いられている「睡眠記録シート」をデジタル化するプロジェクト「gussuri(ぐっすり)」を立ち上げました。
システムの導入や監視、トラブル対応などで深夜の作業が発生しやすいエンジニア、集中できる作業時間を確保するために夜更かしになりがちなデザイナーなど、当事者として睡眠の困りごとに興味関心があるメンバーと研究者あるいは臨床現場で患者さんと関わっている専門家のメンバーがそれぞれの視点から意見を出し合い、デザイン案を考え、コーディングに参加しています。世界睡眠デー(2023年3月17日)に合わせ、本日プロジェクトをお披露目させていただきます。
(gussuriのプロジェクトページ: https://github.com/codeforjapan/Gussuri )
睡眠記録シート
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでは、これまでにも世界標準の既存睡眠記録用紙を「見やすく」「書きやすく」する取り組みとして、デザインやカラーバリエーションで記入者の行動に繋がるようにというサポートも取り組まれていました。
(NCNP版睡眠記録シート https://www.ncnp.go.jp/cbt/medical/download )
バク睡らぢお
昨年の世界睡眠デー(2022年3月18日)から専門家と当事者が対話しながら睡眠について考えるポッドキャストをアウトリーチの取り組みとしてチャレンジしています。国立精神・神経医療研究センター(NCNP) 認知行動療法センターと、Code for Japan、大阪大学、九州大学、福島県立医科大学、中央大学、富山大学、NCNP睡眠障害センターなどから集まった有志メンバーのコントリビュートでお送りする“眠り“を考えるポッドキャストです。医師や心理士、睡眠専門家、当事者、メンタルヘルス研究者が眠りとメンタルヘルスにまつわるエピソードについて、話題提供しながらこれまで50回放送してきました。
(バク睡らぢお https://podcasters.spotify.com/pod/show/ncnp-cbt-sleep )
シビックテックによるオープンソース開発
gussuri(ぐっすり)は中島氏・井上氏や上記ポッドキャスト「バク睡らぢお」に参加するその他の専門家の方とのコミュニケーションの中で、研究者・臨床現場で実際に患者さんとのコミュニケーションで使う医療関係者の皆さんの視点からフィードバックをもらいながら設計を進め、デザインや開発については、Code for Japanが運営するシビックテックコミュニティのエンジニアやデザイナーの貢献により開発されました。現在もCode for Japanが主催する開発イベントである、「ソーシャルハックデー」を中心にプロジェクトは進行中です。
(イベントページ:https://code4japan.peatix.com/ )
gussuri(ぐっすり)は、営利目的での利用も含めて許諾される「MITライセンス」によりソースコードを公開・提供いたします。今後、実際に臨床現場で患者さんの睡眠記録を診療や支援に活用していこうと考えている専門家の方々や、睡眠にまつわる研究のために実験協力を募る方々、また地域単位でクラス人々の健康やウェルビーイングの可視化を検討されている自治体などを含め、様々な方とシチズンサイエンス・シビックテックのプロジェクトとして、ともに考え、ともにつくる社会を実践していきたいと考えています。企業や自治体などの皆様がソースコードをご活用される際は、利用規約をご確認ください。
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