山田和樹指揮、日本フィル東京定期演奏会はラヴェルのボレロ。武満&フレンチプログラム。11月28日(金)残席僅少!※29日(土)は完売
世界で最も活躍する日本人指揮者のひとり、山田和樹。ベルリン・フィルデビュー大成功から5か月、その時と同じく武満&フレンチプロで!ライブ&アーカイブ配信もあり(一部)
山田和樹が描く、色彩と祈りが織りなす世界

公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団(東京都杉並区、理事長:石塚邦雄 以下日本フィル)は、2025年6月のベルリン・フィルデビューも大成功をおさめ、今や最も世界で活躍する日本人指揮者のひとりとしてひっぱりだこの山田和樹を迎え、11月28日、29日に第776回東京定期演奏会を開催します。
10年間正指揮者を務めた日本フィルは山田にとって「うちのオケ」。多忙極めるスケジュールの中で「1年に1回は帰ってくる」約束で、今年も11月の東京定期演奏会に登場します。
プログラムは、ベルリン・フィルで取り上げた曲目と同じく、久しぶりに邦人&フレンチ・プログラムに回帰します。
ドビュッシー最後のバレエ曲であり最後の管弦楽曲でもある色彩感あふれる《遊戯》からコンサートはスタート。そしてドビュッシーに多大な影響を受けた武満徹の「マイ・ウェイ・オヴ・ライフ −マイケル・ヴァイナーの追憶に−」は、英訳された田村隆一の詩に、後期武満作品ならではの柔和で明朗な響きが包み込む幸福感に満ち溢れた作品です。後半冒頭は誰もが知るラヴェルのボレロで始まり、最後は同じくフランスの作曲家プーランクのシリアスかつ妖しい和声の美しさに魅了される「スターバト・マーテル」をお贈りいたします。
【インタビュー】”うちのオケ”とふつうにはないプログラミングを
(日本フィル第775回東京定期演奏会プログラム「次回指揮者にインタビュー」より 聞き手:青澤隆明)
今年6月中旬、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演デビューで大きな成功をおさめ、国際的な名声をさらに高めた山田和樹。同月末からはバーミンガム市交響楽団を音楽監督として率いて日本ツアー。2026/2027シーズンからはベルリン・ドイツ交響楽団首席指揮者兼芸術監督に就任することも報じられた。
「指揮者稼業は一人ではできない。これまで積み重ねてきたこと、ぜんぶが繋がっている、そのおかげですよね。不思議なんだけど、僕はバーミンガムも“自分のオーケストラ”と言えるし、モナコも、横浜シンフォニエッタも東京混声合唱団も“自分の”って言えるけど、“うちのオケ”って言うときは日本フィルのことなんだよね、いまだにね。10 年間正指揮者をやって、マーラー・チクルスとか、いろんなことをやってきて、いまタイトルはないんだけど、勝手に僕は一員だと思ってる」。
これほどまでに日本フィルに惹かれるのは、どのような思いからだろう?
「初めて自分がチケットを買って行った演奏会で感動を与えてくれて、ファンになって通いつめた。その頃もいまも、日本フィルの演奏会は、いつもなんかキラキラがある。演奏の特徴を言えば、集中したときに、音がぐわって寄る。空中浮遊感というか、わっと音楽が沸き立つというか、会場全体がぼわんって盛り上がる瞬間が必ずある。たとえばフォルテの音が 1 個あるとして、日本のオケはどこでも
必ず合うんだけど、その合いかたがすごい合いかたをする。あの感覚は他にない、海外のオケにもない、日本フィル独自のものなんです。なんだろうね、“日本フィル魂”みたいなものかな? 僕も海外でさまざまな経験を積み、一年経って帰ってくると、日本フィルもつねに進化して、できることの幅が広くなっていて、驚かされます」。
この秋、待望の再会は、フランスと日本の作品、そして合唱を含むレパートリー。山田和樹が当初から日本フィルと大切にしてきたプログラムだ。
「音楽をやる意味のなかで、やっぱり僕は即物的に、唯物論的になりたくないとすごく思う。そこ
にプラスアルファを生み出したいし、エーテル的なものを生み出したい。蒸留酒みたいに音楽が揮発されて、そこになにか香りが出るとか、燃えている温度であるとか、そういうものを感じたい。僕は音楽に色をみたいと思う。それがフランス音楽とそのエスプリと結びつくんですね。それと、日本フィルはいちばん数多く指揮しているのに、合唱つきの定期はひとつもなくて、『それはやらなきゃね』という
話になって。プーランクはできたら面白いし、武満さんの《マイ・ウェイ・オヴ・ライフ》を今回初めて指揮することにしました。合唱の東京音楽大学も、ソリストお二人も共演するのは初めて。未来の余白が多い人たちとだから、すごく楽しみ」。
武満の前にはドビュッシーの《遊戯》、プーランクの《スターバト・マーテル》の前にはラヴェルの《ボレロ》を組み合わせるのがまた独特だ。奇しくも作曲家のレイト・ワークスばかりである。
「武満さんの音楽というのは、基本的に美しさで満たされている。やっぱり自然的なものと結びついているからで、それがもうこの作品には溢れている。プーランクって独特で、美しくもあり、すごくクレイジーでもある。対比が極端なんですよ。
彼はクリスチャンを離れた時期があって、戻ってきたときの信心の強さがすごい。ロカマドゥーというところに行って、彼は黒い聖母像をみたんですね。プーランクの音楽にはいつも皮肉もあってユーモラスでもあるんだけど、単純に言うと僕は『黒い天使、白い悪魔』って言いかたができると思う。ラヴェルの《ボレロ》も対比しかない。そして、くり返すことの恐怖。言わずと知れたこの名曲を後半の頭に置くプログラミングもふつうはないし、4曲のコントラストが良い作用を生めばと思います。カレーを辛くするには砂糖を入れる、スイカに塩を振るように」。
とは言え、どうしたって生と死を思わざるを得ない、深みのあるプログラムとなっている。
「一見ばらばらなんだけど、通して聴いたら、なにかちょっと考えるところがあるかもしれませんよね。最終的な問いは、『われわれはどこから来てどこへ行くのか?』っていうことに尽きる」。
では、その問いにご自身としてはどう答えますか?
「僕はなんかこう、結局それを考えるために生きてるのだと思う。まさしく、
少しでもわかるためじゃないですか、『なんでここにいるのかな?』っていうのを」。

日本フィルハーモニー交響楽団 第776回東京定期演奏会 サントリーホール
2025年11月28日 (金)19:00 開演(18:20開場)
2025年11月29日 (土)14:00 開演(13:10開場)※完売
※両日マエストロのプレトークあり!(金曜日:18時30分~45分、土曜日:13時20分~35分)
指揮:山田和樹
バリトン:加耒徹*
ソプラノ:熊木夕茉**
合唱:東京音楽大学***
ドビュッシー:バレエ音楽《遊戯》
武満徹:マイ・ウェイ・オヴ・ライフ −マイケル・ヴァイナーの追憶に−* ,***
ラヴェル:ボレロ
プーランク:スターバト・マーテル**,***
S席 ¥10,000 A席 ¥9,000 B席 ¥7,500 C席 ¥6,000 P席 合唱団 Ys席 ¥2,500
Ys席:25歳以下の方が対象のお席です。S席以外から選べます。
日本フィルeチケット♪ https://eticket.japanphil.or.jp/
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https://ebravo.jp/archives/200129
11月21日(金)午前8:15~ NHK総合「あさイチ」に出演
https://www.japanarts.co.jp/news/p9544/




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