育休取得の男性3割「職場から全面的に賛成されず」、うち半数以上は取得期間に「満足していない」。育休取得率公表だけでは見えない課題
- 調査サマリー
・育休取得を職場(上司)から全面的に賛成されなかった男性は32.8% ・職場(上司)から全面的に賛成されなかった男性のうち、57.1%が育休取得期間に「満足でなかった」と回答 ・育休取得期間が1週間未満の場合、66.7%の男性が取得期間に「満足でなかった」と回答 ・男性が育休取得時に最も大変だったこと、第1位は「仕事の引き継ぎ」(47.7%) |
2023年4月より、従業員が1,000人を超える企業は、 男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられます。本制度では社内の男性が育休を取得したかどうかで取得率を計算しますが、今回の調査結果から、単に取得率が高い/低いだけで議論することの危うさが浮き彫りとなりました。
男性が育休を取得できるだけでなく、取得者本人が満足できるよう、子どもや家庭に十分関われる期間を話し合うことが今後企業側に求められます。
- 職場(上司)が育休に全面的に賛成してくれない場合、男性の育休取得期間に対する満足度が低くなる
「職場(上司)に育休を取ることを相談したとき、職場(上司)の反応はどうでしたか?」という質問に対し、「全面的に賛成してくれた」以外を選択した男性は32.8%。さらに、取得期間への満足度を調査したところ、全面的に賛成されなかった男性のうち57.1%が「満足でなかった」と答える結果となりました。
一方、「全面的に賛成してくれた」と回答した男性の場合、68.7%が「満足だった」と回答していることから、職場の反応が育休取得期間の満足度に影響していることがうかがえます。
職場(上司)が全面的に賛成せず、期間に満足できていない回答者からは「できたら短い期間でという雰囲気はあった」「引き継ぎや業務の簡素化を条件として提示された」「代わりの社員の関係上、育休は3日が限度とされ、それ以上は勘弁してほしいと言われた」といったコメントが寄せられました。
育休を取得するにあたり、職場や上司から「できるだけ短期間で」という雰囲気を感じる、もしくは提案される男性も多く、本人の希望する期間の育休取得の壁となっているようです。
- 1週間未満の育休取得は、66.7%の男性が「取得期間に満足できなかった」と回答
では、どのくらいの期間を育休取得すると「満足した」と言えるのでしょうか。
育休取得経験のある男性118名に対して「育休を取得した期間」と「その期間に満足しているか」の質問結果をかけ合わせて分析したのが以下のグラフです。
育休の取得期間と満足度はおおよそ相関関係にあり、取得期間が短いほど満足度は低く、取得期間が長いほど満足度が高くなることがわかります。
育休取得期間が1年以上の男性は90.9%が期間に「満足だった」と回答しているのに対し、取得期間1週間未満の男性はわずか33.3%にとどまりました。また、取得期間1週間未満〜3ヶ月未満の結果を見ると、51.9%もの男性が期間に対して「満足でなかった」と回答しました。
育休期間に満足でなかった理由として、「ママのコンディションが安定するまでは取りたかった」「もっと子どもの成長を見守っていたかった」といった声が多く寄せられました。
実際に子育てに関わることで、より子どもと関わりたいという気持ちや、パートナーを気遣う思いが強まる傾向が見られました。
- 育休取得時の最大の壁は「仕事の引継ぎ」
「規模が小さい職場だったので、自分が不在の間迷惑をかけてしまうという負い目があった」「予定よりも早い出産で引き継ぎが終わっていなかった」「通常業務に加えて、引き継ぎ用のマニュアル作成等がプラスされ、出産前は大変だった」といった理由が寄せられました。
先日、産後パパ育休の給付率を実質手取り10割に引き上げる、との表明がありましたが、金銭面の悩みにあたる「お金をどうやりくりするかを考えること」を選択した男性は、今回の調査では仕事の引き継ぎよりも少なく、全体の37.6%となりました。
- 男性の育休取得を有意義にするために、企業側が心がけたい3つのこと
パパninaruは、企業側が心がけたい3つのことを、以下にまとめます。
1. 育休取得期間は本人の希望に沿うよう受け入れを
2. 短すぎる育休は満足度を下げるリスク有と認識を
3. 仕事の引ぎ継ぎは、本人の負担が減るような仕組みづくりや配慮を
- 育休取得率の向上だけでなく、満足して育児できる社会へ
企業側は育休取得の有無だけでなく、家庭や子育てに対して満足のいく育休が取得できるかにも焦点を置いて、支援していく必要があります。今後の取り組みのきっかけに、今回の調査結果をご活用ください。
パパninaruはこれからも、多くのママパパが安心して子育てできる社会となるよう、サポートしてまいります。
【調査概要】
調査名称:男性育休満足度に関するアンケート
調査対象:育休取得経験のある男性
調査人数:235名
※うち、118名に対しては取得期間への満足度を調査
調査期間:2022年11月7日〜2023年3月23日
調査方法:自社サービス内
※本調査をご使用される際は、「パパninaru調べ」とご記載いただけますよう、お願いいたします。
【パパninaruについて】
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サービス名: パパninaru
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社名 : 株式会社エバーセンス
代表者 : 代表取締役社長 牧野 哲也
所在地 : 〒103-0005 東京都中央区日本橋久松町4-7 グリームス日本橋8F
設立 : 2013年1月
事業内容: WEBメディアの企画・運営、子育て支援アプリの企画・開発
資本金 : 11,750,000円
URL : https://eversense.co.jp/
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