インバウンド客の訪日中の飲酒行動と人気ビールランキング
〜訪日中の飲酒率・情報源・人気銘柄・国別傾向を分析した調査レポート~
株式会社Payke(本社:沖縄県那覇市、代表取締役:古田奎輔、以下「Payke」)は、訪日外国人を対象に、日本滞在中のアルコール飲料に関するアンケート調査を実施しました。
調査では、「アサヒスーパードライ」および「生ジョッキ缶」が人気のビール銘柄として上位に挙がり、アルコール飲料に関する情報源としては「コンビニ」が最も多く挙げられる結果となりました。

サマリー
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訪日客の約9割が滞在中にビールを飲酒 。帰国後も9割以上が購入経験あり 。
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最も好まれたビールは「アサヒスーパードライ」と「生ジョッキ缶」のツートップ
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日本のビールを知るきっかけ、最多は「コンビニ」。購入の決め手は「日本らしさ」や「限定感」が上位に。
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国別で好みに違い。韓国では「生ジョッキ缶」の体験価値、台湾では多様なブランドの飲み比べに関心が高い傾向。
【飲酒率】訪日中、外国人観光客の9割以上が「日本のビールを飲んだ」と回答
「日本滞在中にビールを飲みましたか?」という設問に対し、全体の87.6%が「はい」と回答しました。

猛暑の続く7月、観光や食事とともに冷えたビールを楽しむ姿が各地で見られ、旅のひとときに、日本のビールは多くの訪日観光客にとって自然な選択肢となっていることがうかがえます。
【飲酒傾向】「最も選ばれているお酒」はビール、国別の傾向にも特徴
「日本滞在中にどんな種類のお酒を飲みましたか?」(複数回答)という設問では、ビールが最多(1,347件)という結果に。

特に韓国からの観光客では788件と、全体の半数以上を占める圧倒的な支持が見られました。ハイボール(20.0%) も韓国人観光客の間で非常に人気が高く、ビールに次ぐ回答数を記録しています。
一方、香港の観光客でも32.2%がビールを選択しており、韓国(33.5%)とほぼ同水準の割合です。
また、台湾では日本酒やカクテル系の人気が高く、酒類の好みが分散。フィリピンやアメリカからの観光客でもビールが選ばれており、日本のビールが幅広い国籍に支持されている様子がうかがえます。
【人気銘柄】「最も気に入ったビール」は?アサヒが“ダブルトップ”に
訪日中に飲んだビールの中で「特に気に入った銘柄」を尋ねたところ、「アサヒスーパードライ」および「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」がともに372名から支持を集め、“ツートップ”という結果となりました。

長年愛される『スーパードライ』の安定した美味しさに加え、『生ジョッキ缶』が提供する“缶を開けると泡が立つ”というユニークな飲用体験が、訪日外国人の心を強く掴んだと推察されます。そのあとには、「キリン一番搾り」(254名)、「サッポロ黒ラベル」(174名)、「サントリープレミアムモルツ」(152名)などが続いています。
■ インバウンド 人気ビールブランドランキング(2025年)
1位:アサヒスーパードライ
1位:アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶
3位:キリン一番搾り
4位:サッポロ黒ラベル
5位:サントリープレミアムモルツ
【国別の好み】台湾は“多様志向”、韓国は“泡・飲み口”重視?
「どのビールが特に気に入ったか」という質問に対しては、国によって選ばれる銘柄にも傾向の違いが見られました。たとえば、台湾の旅行者(n=429)の回答を見ると、

アサヒスーパードライ(95件)やキリン一番搾り(77件)といった定番商品に加えて、
オリオンビール(49件)やアサヒ生ビール(通称マルエフ)(30件)など、地域性や新しさのある商品にも一定の票が集まっています。このことから、台湾の旅行者は比較的多様なブランドに関心を持ち、飲み比べを楽しんでいる様子がうかがえます。
一方で、韓国の旅行者(n=838)においては、

アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶(258件)の支持が最も多く、その特徴である「泡が出る体験」や「すっきりとした飲み口」などが、評価されたポイントの一つであると考えられます。続くのはアサヒスーパードライ(155件)、キリン一番搾り(116件)と、知名度の高いブランドが上位に並んでいます。
このように、台湾=ブランドの多様性と飲み比べ、韓国=飲み口の良さと飲用体験重視といった、国別で異なる嗜好性が見えてきました。今後のプロモーション施策や商品設計において、国ごとの“選ばれる理由”を丁寧に紐解くことが、より効果的なアプローチにつながると考えられます。
【情報接点】「どこで日本のビールを知ったのか?」— コンビニが情報源のトップに
「日本のビールをどこで知りましたか?」という設問では、最も多く選ばれたのは「コンビニ」(1,111件)でした。

コンビニは商品の購入場所であるだけでなく、ブランドとの“出会いの場”として重要な役割を果たしています。次いで多かったのは、「母国でも売っている」(735件)、「SNS(Instagramなど)」(639件)、「観光地のポスター」(439件)など。オンライン・オフライン双方のタッチポイントが一定の影響力を持っていることがわかります。今後のブランド戦略においても、「コンビニでの目立つ展開」や「旅ナカでの視認性」は、インバウンド需要を取り込むうえで重要な鍵となりそうです。
【選ぶ決め手】味・文化性・限定性が“ビール選び”のトップ3に
「日本でビールを飲む/購入する際に、どんな要素が選ぶ決め手になりましたか?」という質問では、

「日本らしさ・ローカル感を感じられること」(807件) や「限定品や季節限定であること」(606件) が、特に多くの支持を集めました。
この結果から、単に「味の好み」だけでなく、“日本でしか体験できない特別感”や“旅の思い出につながる文化的な魅力”が、訪日観光客のビール選びにおいて大きな影響を与えていることがわかります。実際に、価格(347件)やブランドイメージ(471件)も一定の支持は得ているものの、「その土地ならではの価値」や「今しか飲めない特別感」を重視するインバウンド特有の傾向が、明確に浮き彫りとなる結果となりました。
【飲酒場所】居酒屋・ホテルがツートップ、コンビニでの購入も目立つ結果に
「どこで日本のビールを飲みましたか?」という設問(複数回答可)に対して、最も多く選ばれたのは 居酒屋:952件 と ホテル:934件 の2つで、いずれも訪日観光中の主要な滞在・食事シーンであることがうかがえます。

続くのは、コンビニ:713件、観光地の飲食店:688件、レストラン:675件でした。さらに、スーパー(310件) や バー(201件) でも一定数の回答が見られ、ビールが旅のさまざまなシーンに溶け込んでいる様子が明らかとなりました。
【ホテル飲み派の傾向】部屋飲みには“泡”と“安定感”を——アサヒ系が人気集中
ビールを「ホテル」で飲んだと回答した人(n=934)の中でも、特に支持されたのはアサヒスーパードライ 生ジョッキ缶(319件)とアサヒスーパードライ(295件)でした。

冷蔵庫で冷やしてそのまま楽しめる手軽さに加え、“泡が出る”という体験性が特徴のジョッキ缶、そして、安定した人気を誇るアサヒスーパードライが、ホテルでの「くつろぎの一杯」として多く選ばれたことがうかがえます。
続いては、キリン一番搾り(211件)、サッポロ黒ラベル(138件)、サントリープレミアムモルツ(131件)などが並びます。また、地域性のあるオリオンビール(94件)や、復刻路線のアサヒ生ビール(通称マルエフ)(65件)も回答が寄せられており、一定の認知度がうかがえます。
【海外での購入状況】日本のビールは“旅行後”も愛される存在に
「海外(あなたの居住国)で日本のビールを購入することはありますか?」という設問に対して、

「たまに買う」(833件)、「よく買う」(641件) を合わせると、全体の約73% が「買ったことがある」と回答しました。さらに、「買ったことはあるがめったにない」(298件) を含めると、9割以上の回答者が“海外でも日本のビールを手にした経験がある” ことがわかります。
こうした結果から、日本のビールは単なる“旅ナカ体験”にとどまらず、旅行後も自国でリピートされる「継続的なブランド体験」として、海外消費者に根づきつつある様子がうかがえます。また、日本ブランドへのロイヤルティが高い訪日客においては、帰国後も「日本製品」を積極的に選ぶ傾向があることも示唆されました。今後は、“旅後需要”を見据えたプロモーションや、現地での販売強化がカギとなるかもしれません。
最後に
今回の調査では、日本滞在中にビールを飲んだ訪日外国人は約9割にのぼり、旅のさまざまなシーンで日本のビールが選ばれている実態が明らかになりました。ブランドの知名度や味わいに加え、「泡が出る体験」や「日本らしさ」など、文化的・情緒的な価値が訪日客の選定理由として大きく影響していることがうかがえます。
今後は、国・地域ごとの嗜好性をより深く理解し、それぞれのニーズに合った商品展開やプロモーションが求められると考えられます。
Paykeは、多言語対応アプリと購買・行動データをもとに、訪日外国人のリアルな声をタイムリーに可視化し、企業・自治体のインバウンド施策を支援してまいります。
Paykeが実現する、訪日外国人向けマーケティングの新たな可能性
Paykeはインバウンド向けにさまざまなソリューションを提供しています。累計500万ダウンロードを超えるユーザ基盤と、そこから得られる豊富なデータから、各企業様のニーズに合わせたご提案が可能です。
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旅マエ、旅ナカ、旅アトでのユーザへのリーチ:ユーザの9割は旅マエでPaykeをダウンロード。そのうち7割が3ヶ月以内に来日します。旅マエ段階でアプリ内で購入商品を探しているユーザも多く、効率的なアプローチが可能です。
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インバウンドの購買関連データ:いつ、どこで、誰が、どの商品を手に取ったかが把握できます。属性毎のトレンドや、特定チェーンでの傾向などマーケティング戦略立案に活用できるデータを保持しています。
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アンケート調査:直近での訪日可能性が高いユーザーに直接アンケートをとることが可能です。
お問い合わせ
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【調査概要】
調査名称:「Payke」日本への旅行に関する意識調査
調査機関:自社調査
調査対象:『Payke』アプリユーザー
調査方法: Webアンケート
調査期間:2025年7月11日(金)~ 2025年7月18日(金)
有効回答数:2,012件
【会社概要】
■株式会社Payke
本社:沖縄県那覇市真嘉比2丁目5−16
代表者:代表取締役CEO 古田 奎輔
設立:2014年11月
資本金:100百万円
概要:商品パッケージにある「バーコード」をスマホでスキャンするだけで、商品のあらゆる情報を7言語で表示することができる訪日外国人アプリ「Payke」を運営。現在、約75万点の商品データを7言語で保有し、訪日客が手に取る商品の約90%*1をカバーしています。2015年のサービス開始以来、アジア圏を中心に500万人*2以上が利用し、企業向けには広告配信やデータ提供を行うなど、累計1,200社以上の企業や団体に活用されています。さらに、「Paykeタブレット」を国内の主要小売チェーンに導入し、多くの訪日外国人に利便性を提供しています。
*1 当社実績(2024)Paykeアプリにて国内でスキャンされた回数を分母に商品情報を保有していた割合
*2 API提供先なども含む利用者
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