DeelがAI時代の“働き方と採用”に関するグローバル調査を発表

日本企業も70%が3年以内に新卒採用を減速、85%で職務変化が進む一方、68%はAI研修投資で労働力のスキル向上に

Deel Inc.

グローバルチーム向けオールインワン人事・給与プラットフォームを提供するDeel(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Alex Bouaziz)は、IDCに委託して実施した「AI at Work: The Role of AI in the Global Workforce¹」の調査結果を発表しました。

本調査は、世界22市場²な普及が、グローバル企業による職務役割の再設計や人材開発のアプローチを根本から変えつつあることが明らかになりました。

【調査結果サマリー】³

採用への影響:日本企業の70%が今後3年以内に新卒・若手採用を抑制すると回答(世界平均値を上回る)。日本企業のほとんど(99%)がAI導入を開始しており、特に採用プロセスでのAI活用は64%と、世界平均(52%)を上回る。

職務の変化:日本の組織の48%が従業員の働き方を変更し、24%がAI主導の変化の結果として、職務の大幅から完全な再構築までを実施した回答。

人材育成の課題:日本企業の73%が「将来のリーダーの採用・育成が困難になっている」と懸念し、72%が「OJT機会の減少」を回答。

リスキリング(スキル再教育): 日本では68%の企業がAI研修を実施。リスキリング推進の最大の課題として53%が「従業員のエンゲージメントが限定的」と回答。

求められるスキルの変化:日本企業は新卒・若手採用で「技術認定(65%)」「問題解決力・批判的思考力(56%)」「コミュニケーション力・協働力(54%)」を重視。大学の学位を必須要件とする企業は日本でわずか1%。

AI人材の競争: 日本では44%がトップAI人材に25%以上高い給与を提示。さらに、人材の獲得・維持のため48%が「最先端ツールへのアクセス」、41%が「明確なキャリアパス」を提供。

AIガバナンス:日本では、国内のAI規制に「非常に熟知している」企業はわずか21%。一方で、従業員のAIツール使用を指導する正式なポリシー導入率は30%と他市場よりも高い。

[1] IDC InfoBrief “AI at Work: The Role of AI in the Global Workforce” - Doc #AP242540IB, November 2025

[2] Argentina, Australia, Brazil, Canada, Chile, China, Colombia, France, Germany, Hong Kong, India, Israel, Japan, South Korea, Mexico, Netherlands, New Zealand, Singapore, Spain, Sweden, United Kingdom, and the United States.

[3] Source: IDC Resource Map Document for Deel, Doc#AP242540IB, November 2025

■AI導入の拡大と人材育成への影響 

調査対象市場の中では、ほぼ全組織(99%)がAIを導入し、その中約7割がお試しではなく、本格的な導入を行っています。この傾向は日本も同様で、ほぼ全企業がAI導入に着手しており、68%がAI導入の「上級段階」に進んでいます。 

世界全体では3社に2社(66%)が今後3年以内に新卒・若手層の採用を減速する見通しを示しており、特にメディア(53%)・小売(51%)・ヘルスケア(46%)などの業界で大きな影響が見られます。日本では70%の企業が同様の方針を示しており、世界平均を上回っています。 

AIによる新卒・若手層の採用が減速する一方、日本では人材開発とリーダー育成のパイプラインにおいて強い課題感を直面しています。

・将来のリーダーの採用・育成が難しくなっている:72%(世界71%) 

・若手社員の実地学習機会が減っている:72%(世界69%)

先進企業は、生産性と人材育成のバランスを維持するため、職務の再設計、チームのリスキリング、継続的な学習文化の構築を進めています。

■AIによる業務変化と役割の再定義 

AIの浸透により、職場の役割は世界的に再構築が進んでいます。調査では、世界企業の91%が役割の変更や職務の廃止を経験し、3分の1以上(34%)がAIの本格統合に合わせた、大規模な組織再編を実施しています。 

日本では、48%の日本企業が従業員の働き方を変革しており、従業員の分析的思考、デジタルコラボレーション、AIを活用した意思決定が求められています。職務再編はある程度進んでいるものの、部門横断や全社レベルでの再編は24%にとどまり、世界全体の数値(34%)を下回っています。 

その他の主な調査結果は以下の通りです。

・廃止・統合が多い国:ニュージーランド 53%、アルゼンチン 53%、米国 50% 

・廃止・統合が少ない国:中国 11%。同国は職務の再設計が主流(79%)で、政府主導のスキル向上策が背景

定型的な業務はAIに置き換わりつつあり、人の役割は戦略的な意思決定、AI運用の管理、クリエイティブな課題解決へと転換しています。今後は、業務設計と人材育成を統合した仕組みづくりが重要になると考えられます。

■AI研修への投資は進むも、責任体制と運用面に課題

AIの影響に対応するため、世界では約3社に2社(67%)が、従業員のスキル向上や将来への備えとしてAI関連の研修・教育プログラムに投資しています。日本も68%と同水準で、AI研修への投資はすでに定着しつつあります。

一方で、世界的に共通する運用上の課題も明らかになりました。

・研修への従業員参加が限定的(57%)
・予算制約(51%)
・指導人材(専門トレーナー)の不足(45%)
・社内でAIリスキリングの責任部署が不明確(29%)
・横断チームを設置している企業はわずか3%

日本でも同様の傾向が見られ、従業員のエンゲージメントが限定的(53%)であること、予算制約(51%)がリスキリング推進の障壁トップ2として挙がっています。AIリスキリングの責任体制は多くの企業にとっては依然不明確であり、日本企業で横断的なチームを設置して取り組みを調整しているのはわずか4%で、24%は「誰が担当しているか分からない」と回答しています。

エントリーレベル採用では“学歴よりスキル重視”が世界的潮流に

新卒・若手層の採用において、形式的な学歴よりも実務経験や、実践的スキルを重視する傾向が世界的に進んでいます。調査では、大学学位を必須要件とする企業は世界全体で約5%、日本ではわずか1%にとどまりました。

また調査では、新卒・若手人材に求められるスキルとして、世界的に共通して次の3項目が上位に挙げられました。

・AIツールやコーディングブートキャンプなどの技術認定・資格(66%)
・問題解決力・批判的思考力(59%)
・コミュニケーション力・チームでの協働力(51%)

これは日本でも同様で、企業は「技術認定(65%)」「問題解決力・批判的思考力(56%)」「コミュニケーション力・協働力(54%)」を持つ人材を採用する傾向が明らかになりました。

新卒・若手層には、入社してAIやテクノロジーツールを使いこなしつつ、批判的思考やコミュニケーション能力を発揮することが期待されています。学歴重視から実務能力重視への劇的な転換であり、雇用主が技術的な習熟度ととに、機敏性、継続的学習、人間の創造性を重視することを示しています。

AI人材の確保と待遇面での課題

AI導入推進の強い加速がある一方で、グローバル企業はAI導入の加速において、依然として課題に直面しています。調査によると、世界の企業の半数近く(48%)がレガシーシステムがAI統合を遅らせていると回答し、43%がAI熟練人材の不足を主要な障壁として挙げています。

競争力を維持するため、全雇用主の半数(50%)がAI専門人材に対し、同等の技術職より25〜100%高い給与を支払う意向を示しています。この傾向はアジア太平洋地域で特に高く、韓国(25%)、インド(22%)、ニュージーランド(21%)、オーストラリア(20%)などでは上乗せ給与を支払う割合が特に高く、地域内で先行しています。

日本でも状況は類似しており、43%の企業がAI人材の確保を課題として挙げています。一方で、25%以上の給与上乗せを提示している企業は44%にとどまり、過半数は25%未満の上乗せとなっており、給与面での競争力は限定的になります。

さらに、世界的には給与以外の要素を重視する傾向が強まっており、企業の49%が「最先端ツールへのアクセス」、43%が「明確なキャリアパス」をAI人材の獲得・維持において重要な要素として挙げています。この傾向は日本でも同様に強まっており、48%が「最先端ツールへのアクセス」を、41%が「明確なキャリアパス」を用意すると回答しました。日本企業にとっては「強力な企業ミッションとバリュー(価値観)」(37%)も、トップAI人材の獲得・維持に効果的な方法のトップ3に入っています。こうした労働環境の整備は、AI人材のスキル維持やモチベーション向上に加え、競争が激化する人材獲得市場における企業の魅力向上にもつながっています。

AIガバナンス整備の遅れと内部ルールの実態

 AIの導入が進む一方で、ガバナンス体制の整備は世界的に遅れが見られます。調査では、自国のAI関連規制に「非常に熟知している」と回答した企業はわずか16%で、規制が「明確でビジネスを支援するものだ」と感じている企業は24%未満でした。市場別では、中国でAI関連規制の理解が十分でない企業が57%と最も高く、インド、ドイツが53%と続きました。アジアではシンガポールが36%で最も高い水準を示しました。 日本では、自国のAI規制に「非常に熟知している」企業はわずか22%であり、AIガバナンスの理解が日本国内でも課題となっています。その一方従業員のAIツール使用を指導する、社内ポリシーの導入においては、日本が先行しています。日本の企業の約3分の1(30%)が公式かつ強制力のあるポリシーを導入しており、これは世界で最も高く、英国(27%)、米国(21%)、中国(19%)、シンガポール(18%)などの市場を上回っています。日本企業がAI活用に伴う内部統制やリスク管理に早期から取り組んでいることが明らかになりました。

Deel グローバルポリシー責任者 ニック・カティーノ のコメント 

AIはもはや出現しつつあるものではなく、完全に行き渡っています。それは私たちの働き方やビジネスのあり方を再形成しています。新卒・若手レベルの職務は変化し、企業が求めるスキルも同様に変化しています。労働者と企業の双方が迅速に適応する必要があります。これは競争力を維持するという問題ではなく、もはや存続に関わる問題なのです。

IDC アジア太平洋地域 AI担当バイスプレジデント クリス・マーシャル博士 のコメント 

人工知能は、近年のどの技術シフトをも上回る、前例のないペースで世界の労働力を再形成しています。成功する組織とは、自動化と人間中心のビジョンを結びつけ、スキルアップへの投資、新卒・若手レベルの機会の再定義、そしてガバナンスと倫理がイノベーションと歩調を合わせて進化することを保証する組織です。」

 Deel Japan 社長執行役員 カントリーマネージャー 西浦 亮 のコメント

AIは、日本の「働き方」「採用」、そして「グローバルな競争力」を再定義しています。 あらゆる業界で、主要企業は従来の「学歴・資格主義」から、「スキルベースの採用」や「継続的な学習文化」へと移行しています。 この変革は、生産性、創造性、そしてグローバルな競争力を加速させています。 国境を超えて才能(タレント)と機会をつなぐプラットフォームとして、Deelは、日本企業が人とテクノロジーが共に成長し、より強くなれる「仕事の未来」を築くことを支援することに尽力しています。

■調査方法

本調査は、DeelがIDCに委託して実施し、合計5,500名のビジネスリーダーが参加しました。対象者は各規模の組織から抽出され、ビジネス戦略とデジタル戦略の両方を策定する意思決定者が含まれています。調査は世界22市場(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、フランス、ドイツ、香港、インド、イスラエル、日本、韓国、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、シンガポール、スペイン、スウェーデン、英国、米国)で実施されました。対象業種は、銀行、教育、金融サービス、政府、ヘルスケア、ホスピタリティ、保険、製造、メディア、専門サービス、資源産業、小売、テクノロジー、通信、運輸・物流、公益事業などがあります。データ収集は2025年9月に実施されました。 

■Deelについて 

会社名: Deel Inc. 

本社: 米国 カリフォルニア州 サンフランシスコ 

CEO: Alex Bouaziz 

URL: https://www.deel.com/ja/ 

Deelは、グローバルチームのために設計された、オールインワン型の給与・人事管理プラットフォームです。多様化する働き方に対応したDeelのプラットフォームでは、HRIS(人事情報システム)、給与計算、コンプライアンス、福利厚生、パフォーマンス管理、IT備品管理など、人事・労務に関わるあらゆる機能をシームレスに統合します。Deelは、AIを活用した各種ツールと自社が保有するグローバル給与インフラを通じて、150カ国以上のあらゆる雇用形態に対応し、企業がよりスマートかつ迅速、そしてコンプライアンスに準拠した形でビジネスを拡大できるよう支援しています。 

詳細はdeel.comをご覧ください。

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Alex Bouaziz
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設立
2019年01月