半数以上の企業がDXの取り組みに着手。大企業では8割超に「抜本的な事業構造の変革」を重視する企業が昨年から大きく増加
【日本能率協会】「日本企業の経営課題2022』 調査結果速報【第1弾】
一般社団法人日本能率協会(会長:中村正己、JMA)は、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的に、1979年から、企業経営者を対象に、「当面する企業経営課題に関する調査」を実施しています。今年は2022年7~8月に調査を実施し、689社からの回答を得ました。
今回は第1弾として、各社におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み状況や課題について、ご報告します。
今回は第1弾として、各社におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み状況や課題について、ご報告します。
- 1.DXに取り組む企業は55.9%と半数超。大企業では8割超に
- 2.取り組みを始めた企業は、全社がDXによる「業務プロセスの効率化・高度化」を重視
- 3.推進の課題として「DX推進に関わる人材が不足」を挙げる企業が8割
※詳細の調査報告書は12月に公表予定です。
- 「2022年度(第43回)当面する企業経営課題に関する調査」概要
調査時期 | 2022年7月22日~8月19日 |
調査対象 | JMAの法人会員ならびに評議員会社、およびサンプル抽出した全国主要企業の経営者(計5,000社) |
調査方法 |
郵送調査法(質問票を郵送配布し、郵送およびインターネットにより回答) |
回答数・回収率 | 回答数689社・回答率13.8% (回答企業の概要は下部もしくは、詳細リリースの5ページに記載) |
- 1.DXに取り組む企業は55.9%と半数超。大企業では8割超に 取り組みの成果が出ている企業は7割と昨年に比べ増加
○ 各社におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組み状況について尋ねたところ、全体では「既に取り組みを始めている」企業が55.9%と、半数以上の企業がDXへの取り組みを始めていることがわかりました。DXへの関心はコロナ禍による一過性のものではなく、企業として当然取り組むべきこととして定着してきていることが見てとれます。【図1-1】
○ 従業員規模別に見ると、取り組みを始めている企業が、大企業では8割超と高めになっているほか、中堅企業でも58.3%と半数を超えています。中小企業では取り組みを始めている企業は36.1%にとどまりますが、「検討を進めている」「これから検討する」も合算すると76.1%となり、関心の高さがうかがえます。【図1-2】
○ 「既に取り組みを始めている」と回答した企業(n=385)に成果状況を尋ねたところ、「成果が出ている」との回答(おおいに ~ ある程度 の合計)が70.7%と、約7割となりました。ただし、「ある程度の成果がでている」が5割と多数になっており、多くの企業がDX推進の途上にあることがわかります。【図1-3】
【図1-1】 DXへの取り組み状況(過去3年の推移)
【図1-2】 DXへの取り組み状況(従業員規模別の比較)
本調査では、
大企業 :従業員数3,000人以上
中堅企業:従業員数300人以上~3,000人未満
中小企業:従業員数300人未満
と区分しています。
【図1-3】 DXの取り組みの成果に対する評価(昨年との比較)
- 2.取り組みを始めた企業は、全社がDXによる「業務プロセスの効率化・高度化」を重視 DXの取り組みにより「抜本的な事業構造の変革」を重視する企業が昨年から大きく増加し9割
○ 「既存の商品・サービス・事業の付加価値向上」も95.8%が重視しており、DXの取り組みが、足元の効率化だけではなく、既存事業の付加価値向上にも広く必要とされていることがわかります。
○ また、「抜本的な事業構造の変革」は90.1%が重視と、昨年と比較して大幅に増加しました。DXの取り組みを時代の変化に対応する事業構造改革に活かしていくという、企業の積極的な姿勢がうかがえます。
【図2】 DXの取り組みで重視していること
- 3.推進の課題として「DX推進に関わる人材が不足」を挙げる企業が8割 ただし、昨年と比べ全体的に課題感は減少傾向
○ ただし、昨年と比較すると「DXに対するビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」以外の項目で課題感は低くなりました。DXに対する取り組みが企業内で定着し、取り組みが進捗していることが要因として考えられます。
【図3】 DX推進の課題
回答企業の概要
■業種
- 【調査結果を受けてのコメント】
○ まず、取り組み状況を見ると、「既に取り組みを始めている」企業が昨年から10.6%増え55.9%となり、半数以上の企業が取り組みを始めていることが確かめられました。DXの取り組みは着実に広がっていることがわかりました。従業員規模別に取組状況の差があるものの、昨年と比較し全体的に取り組みが進んでいます。
○ 一方で、成果状況については、取り組みの成果が出ている企業は70.7%であるものの、内訳を見ると「ある程度の成果」が5割となっています。
○ DXの推進の課題としては、推進のための資源の投入や関係部署の連携については取り組まれたもののDXを成果に結びつけるためのビジョン・経営戦略・ロードマップが明確に描けていないことに着目する必要があります。加えてDX推進に関わる人材は、採用・育成ともに不足しているようです。
○ DXの取り組みで重視していることにおいては、「抜本的な事業構造の変革」「既存の商品・サービス・事業の付加価値向上」「業務プロセスの効率化・高度化」など、激しいビジネス環境下において事業構造や商品・サービスを変革していくという目的が見てとれます。
○ 一方で「新商品・新サービス・新事業の開発」の優先度はポイントを下げており、デジタル技術を自社の組織や既存事業に活用することで競争優位を確立することに目を向けられているようです。
【本件に関するお問合せ先】
一般社団法人日本能率協会 経営企画センター 広報・マーケティング室 綿貫 里美
〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22 TEL:03-3434-8620または090-6510-9161
E-mail:jmapr@jma.or.jp
◆詳細プレスリリースはこちらからダウンロード可能です。
https://prtimes.jp/a/?f=d16501-20221104-e082fbeb7d53b18e2f3936a35b383d54.pdf
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