2025年度グッドデザイン賞9件受賞
株式会社久米設計(本社所在地:東京都江東区潮見2-1-22)は、当社が設計した「ポーラ青山ビルディング」「キャプション by Hyatt なんば 大阪」「コネクトスクエア博多」「田中貴金属ビルディング」「松本市立博物館」「旭川市総合庁舎」「川崎市役所本庁舎」「小牧市立小牧南小学校」
「Toyota Technical Center Shimoyama 車両開発棟・来客棟」の9件がグッドデザイン賞を受賞したことをお知らせします。


ポーラ青山ビルディング
【審査委員の評価 公開コメント】
建て替えによって、端正にデザインされた賃貸オフィスビルが誕生した。特筆すべきは、ワークプレイスの選択性を設けたり、近隣住民のための保育所を併設したほか、積極的にアートをとりいれたこと、また文化財である土浦亀城邸を敷地内の公開空地に移築し、一般公開も行っていることである。特に存続が危ぶまれていた歴史的に重要なモダニズム建築の保存は画期的な試みであり、高く評価できる。これが先駆けとなって、今後、類似の事例が増えていくことが期待される。

キャプション by Hyatt なんば 大阪
【審査委員の評価 公開コメント】
なんとも楽しいホテルである。 いかにもミナミ。オチがなければ許されなさそうだ。そんなことをも建築デザインから感じ取ることができる。 体験を求めて海を渡る旅行者はエクスプローラーであり、それぞれの多様性を認め違いを愉しむ。多くの情報をSNSから得て、おもろくてなんぼ、の文化を肌で感じるためにやってくる。 そのゲストに体験価値と満足を与えつつ、まるでニューヨークのストリートにずっと前からあったようなクールな顔つきも併せ持っている、少々韻を踏むような辛口の知的さもチラリと魅せる。そう、ヒップホップなホテル。 ようやくホテル文化が根付きだした日本に、ラグジュアリーな外資系ホテルのイメージを覆す新たなホテル価値を提供するグッドデザインホテルと評価する。

コネクトスクエア博多
【審査委員の評価 公開コメント】
博多駅前の大通りに面したオフィスビルである。足元のピロティ広場を街角に対して効果的に開き、都市の回遊性を与えている。とくに印象的なのは、凹型曲面のアルミパネルユニットとカーテンウォールを組み合わせたファサードだろう。わずかに彫りがあることによって、時間の移ろいとともに変化する陰影を帯び、個性的な表情を獲得している。また縦方向において四層に分節された外装も、各層のリズムにズレを与えることで、デザインに動きを与えている。

田中貴金属ビルディング
【審査委員の評価 公開コメント】
創業の地に戻った新本社は、「街」「人」「未来」をつなぐという明快なテーマを建築に込めている。1階には地域の祭りを担う神輿展示やホールがあり、街との交流の場を広げた。オフィス中央を貫く大きな吹抜「クルーシブルスペース」は光と風を運びながら、人と人の出会いや協働を促す象徴的な空間となっている。免震や環境配慮の仕組みも整え、歴史を受け継ぎながら次代へと続く企業の姿を体現する建築である。

松本市立博物館
【審査委員の評価 公開コメント】
松本城三の丸地区に移転建て替えされた松本市の中心的博物館。大名町通りに面した吹き抜けのエントランス空間は、そこで起こるアクティビティも相まって、はす向かいの松本城大手門枡形跡広場とともに、城下町・松本のひとつの核としての性質を明確にしている。一方、奥に深い敷地形状を活かした土手小路沿いの軒下空間では、市民活動や憩う人々が垣間見られ、街路に温かみを添えている。展示内容とともに松本市のアイデンティティ強化に資する建築と評価できる。

旭川市総合庁舎
【審査委員の評価 公開コメント】
旭川らしさとは何かを希求されたプロジェクトだろう。人口32万人規模の市役所建築で、将来の空間の変化を予測しながら、余白を確保する空間計画は困難を極めたと想像できる。高い志を持つ旭川市役所の中の人たちと設計者が手を取り合い、市民と未来のために手間と時間を惜しまなかったことに賛辞を送りたい。願わくば、この設計や対話のプロセスをより多くの市民に知っていただき、市民と行政の協働の場が始まり、目的どおりの空間になることを願っている。

川崎市役所本庁舎
【審査委員の評価 公開コメント】
長年親しまれてきた旧本庁舎を復元し、最新の技術を纏った新築棟と対峙させることで、受け継がれてきた記憶とともに街の奥行きを表現することに成功している。特に、新築棟と復元棟の間にあるアトリウムは、日常的には商店街とつながる賑わいの通りでもあり、非常時には防災拠点にもなる空間で、災害時などの非常時には市民にとっては使い慣れた安心感のある避難所としても機能すると想像できる。室内環境に影響する日射負荷を低減する外装の工夫が、そのままビル全体を印象付けるファサードとして表現されるなど、技術とデザインの融合という意味でも秀逸な作品である。

小牧市立小牧南小学校
【審査委員の評価 公開コメント】
明るく、児童たちの動きが見える/見られる吹き抜け空間が印象的だ。その下には図書エリアがあるという。このような計画を提案された設計者、受け容れて日々運営されている学校現場の皆さんに賛辞を送りたい。こうした空間は簡単にはでき上がらない。本を紫外線から守るために暗い空間にするのではなく、子どもたちのコミュニケーション能力醸成のために自然光が降り注ぐ図書エリアにしようと決断した勇気は称えられるべきだろう。階段の絶妙な配置や転落防止の柵など、細やかな検討プロセスもすばらしい。

Toyota Technical Center Shimoyama 車両開発棟・来客棟
【審査委員の評価 公開コメント】
レクサスとGRという、トヨタの中でも個性と高い品質を担うブランドにふさわしく、研ぎ澄まされた空間が丁寧につくられている。素材の選び方や光の扱い、空間の構成に至るまで、ブランドの世界観が自然に感じられる設計が印象的である。加えて、地元産の間伐材を内装に活かすことで、施設が立地する地域とのつながりを感じられるとともに、森を守る取り組みにも貢献しており、企業としての社会的な姿勢が空間に表れている。

グッドデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
【会社概要】
株式会社久米設計
「豊かさ」を拓く。私たちは「豊かさ」とは何かを真剣に考える多様な個性の集合体です。地域・人を大切に、未来を見据えた新たな価値を創造していきます。
1932年の創設以来、数多くの都市、建築の設計を手掛けてきました。技術とデザインの融合を追求し、人と社会への貢献を目指す企業です。本社を東京都江東区潮見に構え、社員数約650名(約450名の資格を有する専門家)を擁し、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでおります。持続可能な社会の実現へ、技術とデザインで貢献してまいります。
URL:https://www.kumesekkei.co.jp/
所在地:東京都江東区潮見2-1-22
取締役社長 井上宏
【久米設計Instagram】
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