AI Travel、ホテル価格高騰時代の「出張難民」に対応
── 高すぎて諦める前に、AIが出張の選択肢を拡張させる「宿泊地スライド」機能リリース

高騰する都市部の宿泊価格を前に、出張者が「この出張は、規程内ではもう泊まれない」と感じてしまう場面が増えています。目的地周辺を検索しても旅費規程を大きく上回る価格が並び、その日の出張そのものを諦めるしかない──。こうした状況を変えるために、株式会社トランスファーデータは、出張管理クラウドサービス「AI Travel」において、一度の検索を起点に代替エリアを自動で提案する「宿泊地スライド機能」を提供開始します。
株式会社トランスファーデータ(本社:東京都港区、代表取締役 CEO 村田佑介、以下当社)は、出張管理クラウドサービス「AI Travel」に新たな機能として「宿泊地スライド機能」を追加します。本機能は、出張者が目的地周辺のエリアで宿泊検索を行った際、その日の料金が企業の旅費規程を明らかに上回る場合に、出張者が再検索を行わなくても、AIが自動的に探索範囲を広げ、同等の移動時間で規程内に収まる宿泊先を提示するものです。まずは東京23区エリアから提供を開始し、今後、全国の都市部、海外都市部へ順次拡大する予定です。
「この出張は、規程内で泊まれない」
近年、都市部のホテル価格は高騰が続き、出張者が宿泊検索をした瞬間に「この条件ではもう泊まれない」と判断せざるを得ない状況が増えています。目的地周辺の宿泊先を検索しても、画面に並ぶのは旅費規程を大きく超えた価格ばかりで、その日の出張を取りやめる、スケジュールを組み直すといった意思決定に追い込まれるケースも少なくありません。
本来であれば、目的地から少し離れた別のエリアに視野を広げることで、移動時間を大きく変えずに規程内で泊まれる選択肢が見つかる可能性があります。しかし、どの方向に、どれくらい範囲を広げればよいのか、土地勘や路線の知識がなければ判断は難しく、現場の出張者が一人で対応するには大きな負担となっていました。
その結果、「この出張は規程内では実現できない」という諦めにつながっていたのが現状です。
宿泊地スライド機能とは
宿泊地スライド機能は、出張者がいつもどおり目的地周辺を検索した結果、その日の料金が旅費規程を大きく超えている場合に作動します。「AI Travel」が検索結果と旅費規程を照合し、周辺エリアに規程内で宿泊できるホテル候補が見つかった場合に、電車で移動しやすい周辺エリアの選択肢を自動的に提示します。
具体的には、電車や徒歩での移動時間が大きく変わらない範囲に探索エリアを広げ、実際に予約可能なホテルだけを候補として抽出します。出張者は検索条件を変えたり、別エリアをいくつも試したりする必要はありません。

利用イメージ
たとえば、新宿エリアで宿泊検索を行ったところ、その日の相場が30,000円/泊まで跳ね上がっており、旅費規程(15,000円/泊)を大きく超えるホテルしか表示されないという状況を考えます。従来であれば、この時点で「今回は難しい」と判断したり、地図を頼りに周辺エリアを一つずつ検索し直したりする必要がありました。
宿泊地スライド機能を利用すると、同じ検索操作を行った瞬間に、「AI Travel」が「池袋エリアなら12,000円/泊で宿泊できます。新宿まで電車13分・徒歩5分です」という代替案を自動で提示します。目的地までの移動時間、経路の現実性、旅費規程を満たす料金かどうかを考慮したうえで、その日の出張を成立させるための宿泊候補が提示されるため、「この日はもう泊まれない」と感じていた状況から、出張実現への明確な代替案へと視界を切り替えることができます。
導入による効果
宿泊地スライド機能は、3つの観点から価値を提供します。
・規程内に収まる宿泊先を探しやすくなることで、規程を無理に超える判断や、後からの例外処理を抑えられます。
・移動時間が大きく変化しない範囲に候補を絞ることで、商談や会議の予定に影響を与えずに宿泊先を変更できます。
・空室があり実際に予約可能なホテルだけを提示することで、表示された候補をそのまま予約でき、空室確認の手間が不要になります。
出張者にとっては、短時間で規程内の宿泊先にたどり着ける安心感が生まれます。管理部門にとっては、旅費規程遵守率の向上と、例外対応にかかる手間の削減が期待できます。企業全体としては、「泊まれないこと」を理由に出張を中止するケースを減らし、商談機会やプロジェクトの進行を支える効果が見込まれます。
技術的な背景とロードマップ
「AI Travel」は、2015年のサービス開始以来、350社、延べ60万人以上のビジネスパーソンの出張を支援してきました。蓄積された正規化済みの出張データに、市場の宿泊価格データ、各社の旅費規程、移動時間、乗換情報の情報を組み合わせることで、「どのエリアまで探索範囲を広げれば、その日規程内で泊まれる可能性が高いか」を推定できるようになっています。
当社は2025年7月に「Travel Intelligence Agent」構想を発表し、出張者一人ひとりの文脈やニーズを理解して提案を行うAIエージェントの開発を進めてきました。宿泊地スライド機能はその第一弾として、「出張を諦める要因」を減らすことに真正面から取り組む機能です。
今後は、スケジュールを考慮した自動旅程提案、営業商談の最適化、承認アシスト機能など、出張前後の意思決定を連続的に支える機能を順次リリースしていく予定です。

提供概要

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機能名 |
宿泊地スライド機能 |
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提供開始 |
2025年12月 |
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対象エリア |
東京23区(今後、全国都市部・海外都市部へ順次拡大予定) |
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利用条件 |
AI Travelをご利用中のすべての企業様 |
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利用料金 |
追加料金なし(AI Travel利用料に含む) |
代表コメント
今回の宿泊地スライド機能は、「この出張は、規程内ではもう泊まれない」と感じてしまう瞬間を減らすための第一歩です。出張は企業活動を前に進めるための重要な手段であり、宿泊先が確保できないことを理由に出張を諦めることは、大きな機会損失につながります。
当社はこれまで、システムを入れただけで各部門がバラバラに動き、結局業務が変わらない「見せかけDX」からの脱却を訴えてきました。宿泊地スライド機能は、宿泊価格・旅費規程・移動時間といった本来バラバラだった情報をAIが一つにつなげ、出張者が自分で調べ直す手間をなくすことで、その考え方を形にしたものです。
当社は「この世界すべての出張にAI Agentを。」というビジョンのもと、出張管理のあり方を根本から変えていくことを目指しています。今後も、出張者・管理者・経営層それぞれにとって価値ある出張体験を提供し、日本全体のビジネス効率化に貢献してまいります。
── 株式会社トランスファーデータ 代表取締役 CEO 村田 佑介
【株式会社トランスファーデータについて】
●会社概要
会社名:株式会社トランスファーデータ
代表者:代表取締役 村田 佑介
設立:2014年2月
社員数:101人(2025年12月時点、非正規含む)
事業内容:システム開発、IT業務コンサルティング、その他インターネットを利用した旅行等各種情報提供サービス
HP:https://transferdata.co.jp/
●代表取締役CEO プロフィール

村田 佑介(Yusuke Murata)
京都大学経済学部卒業後、2010年に楽天株式会社に入社。エンジニアとして全社MVPを獲得。要件定義・設計からプログラミング・インフラ構築まで全ての工程に従事。選抜メンバーとしてシンガポールへの出向も経験した後、2014年に株式会社AIトラベルを共同創業。CTOを経て2017年10月より代表取締役に就任。特許の発明実績多数。
●本リリースに関する報道関係のお問い合わせ
広報担当:info@aitravel.jp
TEL:03-6843-3295
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