【保育士に本音調査】68.7%の保育士が勤務する園に対し、「給与・待遇」を改善要望51.6%が「保育士の地位は低く見られている」など課題も
〜第一弾|愛知県・岐阜県・三重県の在職保育士99名対象、「東海三県の保育士」に関する実態調査〜
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、以下 明日香)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」は、愛知県・岐阜県・三重県の在職保育士99名を対象に、「東海三県の保育士」に関する実態調査を行いましたので、結果を発表致します。
- サマリー
- 調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年11月17日〜同年11月19日
有効回答:愛知県・岐阜県・三重県の在職保育士99名
- 保育士として仕事をしようと思った理由、「子どもが好きだから」が91.9%
・子どもが好きだから:91.9%
・自身の保育園時代が良い思い出だったから(担任への憧れ):32.3%
・保育が好きだから:16.2%
・親から保育士を勧められたから:12.1%
・中学・高校時代の体験学習で興味を持ったから:11.1%
・家族・親族に保育士がいたから:9.1%
・社会的意義が高いから:6.1%
・その他:1.0%
- 51.6%の保育士が、親類や友人等から、「保育士という職業の地位が低いと見られている」と実感
・とても地位が高いと見られている:7.0%
・やや地位が高いと見られている:41.4%
・やや地位が低いと見られている:46.5%
・とても地位が低いと見られている:5.1%
- 現在働いている保育施設等との雇用形態、「正社員」が96%
・正職員:96.0%
・派遣職員:1.0%
・アルバイト・パート:3.0%
・その他:0.0%
- 保育士として保育施設等に就職する際に重視した条件、「給与」が58.6%、「自宅からの距離」が51.5%、「人間関係」が49.5%
・給与:58.6%
・自宅からの距離:51.5%
・人間関係:49.5%
・保育方針・理念:24.2%
・雇用形態:19.2%
・仕事量の多さ:17.2%
・休みの多さ:16.2%
・福利厚生:15.2%
・労働時間の長さ:12.1%
・施設・定員の規模:10.1%
・組織風土:3.0%
・扶養内での勤務:2.0%
・保育施設の知名度:1.0%
・その他:2.0%
- 「別の保育施設へ転職した経験がある」保育士は49.5%
・ある:49.5%
・ない:50.5%
- 保育施設間の転職経験を持つ保育士のうち、42.8%が「2回以上」転職
・1回:57.2%
・2回:24.5%
・3回:14.3%
・4回:2.0%
・5回:2.0%
・6回以上:0.0%
- 直近の転職理由、「業務過多」が44.9%、「給料が安い」が38.8%
・仕事量が多かった、労働時間が長かった:44.9%
・給料が安かった:38.8%
・職員との人間関係がよくなかった:28.6%
・結婚・妊娠・出産:18.4%
・園長との人間関係がよくなかった:16.3%
・健康上の理由:10.2%
・子育て・家事:0.0%
・その他:36.7%
- 勤めている園の「良いところ」、「人間関係」が60.6%で最多
・人間関係:60.6%
・給与・待遇:34.3%
・休暇保障:33.3%
・勤務時間の長さ及び時間帯:30.3%
・施設・定員の規模:18.2%
・研修制度:8.1%
・キャリアアップ制度:6.1%
・当てはまるものはない:9.1%
- 「小規模保育施設なので家庭的な保育ができる」や「職員の希望に対して柔軟な対応をとってもらえる」などの良いところも
<自由回答・一部抜粋>
・28歳:小規模保育施設なので家庭的な保育ができるところ。
・32歳:職員の希望に対して柔軟な対応をとってもらえる。
・23歳:英語教育。
・29歳:給食が美味しい。
・26歳:適度に自由。
・35歳:公立なので不定期だが必ず異動があるため、各園の特色や保育を学べたり、多くの保育士さんとの関わりの中で人間関係や保育の視野が広がったりする。
・30歳:自分の意見を忌憚なく伝えられる雰囲気。
・32歳:運動場や施設が広く、のびのびと保育できる。
- 勤めている園の「改善して欲しいところ」、「給与・待遇」が68.7%で最多
・給与・待遇:68.7%
・人員体制:41.4%
・勤務時間の長さ及び時間帯:32.3%
・休暇保障:30.3%
・人間関係:25.3%
・産休・育休制度:15.2%
・キャリアアップ制度:12.1%
・研修制度:6.1%
・当てはまるものはない:6.1%
- 他にも「人手不足」や「持ち帰り仕事」について改善してほしい声も
<自由回答・一部抜粋>
・32歳:パート職員を細切れに配置して人員不足の穴埋めをしているが、正規で1人雇用した方が周囲は仕事がしやすいし、子どもにとってもいい環境ができる。
・44歳:休みの日に準備に追われるところ。
・29歳:認可外保育園なので、認可をとってほしい。
・27歳:制服じゃなくジャージにして欲しい。
・25歳:持ち帰り仕事、暗黙の了解のこと。
・32歳:園長の公私混同。
・30歳:会議がないので意思疎通を取る時間が無い。
・25歳:残業代がきちんと出てほしい。
- 保育施設が取り組むべきだと思うこと、「給与改善、休暇制度の改善」や「保育士一人当たりの子どもの人数を少なくする」など
<自由回答・一部抜粋>
・26歳:給与改善、休暇制度の改善。
・29歳:保育士一人当たりの子どもの人数を少なくする。
・29歳:サービス残業の廃止の徹底。保育士自体の子育てしやすい環境を整える。
・30歳:事務仕事の簡素化。
・22歳:保育施設が取り組むというより、政府の「保育人数の最低基準見直し」配置の人数が一歳時で子ども6人に対し1人は無理がある。
・24歳:退職金制度、キャリアアップ制度、人員増加。
・29歳:保育士がもっと尊重され働きやすくなる対処。
・24歳:保育士を続けたいと思えるような体制を整える。1人でも生活していけるだけの給料の確保。
・29歳:親への育児アドバイス。
・23歳:職場の雰囲気や人間関係の改善。
・24歳:幼稚園を利用する人だけでなく働く人(職員)に寄り添った施設。
・23歳:強制してやらせるのではなく、自由に遊びながら学んでいける保育環境。
- 保育園の仕事に関する悩みの相談相手、64.6%が「同僚」、54.5%が「家族」、49.5%が「友人」
・同僚:64.6%
・家族:54.5%
・友人:49.5%
・先輩・上司:39.4%
・インターネットサイト:5.1%
・SNS(Facebook・Twitter等):4.0%
・その他:1.0%
・相談しない:4.0%
- まとめ
まず、保育士として仕事をしようと思った理由について尋ねたところ、「子どもが好きだから」が91.9%で最多となりました。一方で、約半数の保育士が、親類や友人等から「保育士という職業の地位が低いと見られている」と実感していることも判明しました。
次に、現在働いている保育施設等との雇用形態については、96%が「正社員」であり、保育施設等に就職する際に重要視した条件については、「給与」が58.6%、「自宅からの距離」が51.5%、「人間関係」が49.5%の結果となりました。「別の保育施設へ転職した経験がある」保育士は49.5%いる中で、保育施設間の転職回数が「2回以上」の保育士は42.8%に及びました。直近の転職理由については、「仕事量が多かった、労働時間が長かった」が44.9%、「給料が安かった」が38.8%と、待遇を指摘する意見が多く挙がりました。
続いて、勤めている園の「良いところ」を尋ねたところ、「人間関係」が60.6%で最多の回答となりました。他にも、「小規模保育施設なので家庭的な保育ができる」や「職員の希望に対して柔軟な対応をとってもらえる」などが挙がりました。反対に、勤めている園の「改善して欲しいところ」については、「給与・待遇」が68.7%で最多の結果に。他にも「人手不足」や「持ち帰り仕事」について改善してほしいという声も挙がり、給与面や業務過多、人手不足の3点が大きな課題であることが明らかとなりました。
また、これからの保育施設が取り組むべきだと思うことについて尋ねたところ、「給与改善、休暇制度の改善」や「保育士一人当たりの子どもの人数を少なくする」など、前述した3点の課題が再度挙げられた形となりました。具体的には、政府の「保育人数の最低基準見直し」を求める声も挙がりました。
最後に保育園での仕事に関する悩みの相談相手は、「同僚」が64.6%を占める結果となりました。
今回の調査では、多くの保育士が「子どもが好きだから」という理由で保育士になったものの、「給与・業務量・人手不足」という壁に向き合い、奮闘している状況が明らかとなりました。加えて、職場の人間関係や地位に関する世間のイメージも後押しし、保育現場だけでは乗り越えられない事情が多々あることが分かりました。OECDの国際調査(2020年公表)においても、参加9か国のうち日本の保育者の労働時間は最長の一方で、給与の満足度は最下位から2番目という結果が出ています。保育園側で改善出来る点、そして、国が取り組むべき保育士の賃金引上げなど、東海三県だけの課題ではなく国全体の課題として、今後の保育士への待遇や職場環境の改善に期待が高まっています。
- 会社概要
設立 :1994年8月30日
代表取締役:萩野 吉俗
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 わかさビル3F
事業内容 :・保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
・自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
・保育に関わる人材の派遣・紹介(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
・居宅訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)
・臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)
・保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)
・新規保育事業の開発及びコンサルティング
URL :https://www.g-asuka.co.jp/
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