【AIが生んだ「期待のズレ」】約半数が非エンジニア職から「AIがあるならもっと早くできるだろう」と言われた経験あり 約4割が「AIツール普及後、ストレスはむしろ増えた」と回答
〜効率化の裏で静かに広がる、エンジニアの新たなメンタル負荷〜
株式会社キッカケクリエイション(本社:東京都渋谷区、代表取締役:川島 我生斗)は、システム開発に携わるITエンジニア321名を対象に、ITエンジニアの開発メンタル負荷実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

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01|ITエンジニアの約半数が、非エンジニア職から「AIがあるならもっと早く・簡単にできるだろう」という趣旨の発言を経験
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02|AIツール普及後にストレスが「増えた」と感じるエンジニアは36.1%にのぼる
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03|45.8%のエンジニアが、他職種からの理解不足を実感
本調査のコラムはこちら:https://itrend.kikkakeagent.co.jp/articles/223
■調査概要
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調査名称:ITエンジニアの開発メンタル負荷実態調査
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調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
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調査期間:2026年5月13日〜同年5月20日
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有効回答:システム開発に携わるITエンジニア321名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「KIKKAKE ITREND」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■エンジニアが最もストレスを感じる開発フェーズ、「要件定義・仕様策定」が23.4%で最多
「Q1. 以下の開発フェーズのうち、あなたが最も精神的な負荷・ストレスが高いと感じるフェーズを1つだけ教えてください。」(n=321)と質問したところ、「要件定義・仕様策定」が23.4%、「テスト(単体・結合・総合)」が15.0%という回答となりました。

・要件定義・仕様策定:23.4%
・テスト(単体・結合・総合):15.0%
・設計(基本設計・詳細設計):13.1%
・レビュー(コードレビュー・スプリントレビューなど):12.1%
・実装・コーディング:10.9%
・運用・保守:10.6%
・リリース・デプロイ:5.6%
・その他:0.0%
・特にない:6.9%
・わからない/答えられない:2.5%
■ストレスを感じる要因、「事前に決まっていたことが途中で変わること」が37.8%でトップ
「Q2. Q1で「わからない/答えられない」「特にない」以外を回答した方にお聞きします。そのフェーズにおいて、あなたがストレスを感じる主な要因を教えてください。(上位3つまで回答可)」(n=291)と質問したところ、「事前に決まっていたはずのことが途中で変わること」が37.8%、「エンジニア同士で認識がズレていることが後から判明すること」が33.7%、「十分な時間が確保できないまま期限が迫ること」が26.8%という回答となりました。

・事前に決まっていたはずのことが途中で変わること:37.8%
・エンジニア同士で認識がズレていることが後から判明すること:33.7%
・十分な時間が確保できないまま期限が迫ること:26.8%
・自分の担当範囲を超えた対応を求められること:24.4%
・非エンジニア職(他部署・経営層など)と認識がズレていることが後から判明すること:22.3%
・成果物に対する指摘やダメ出しが厳しいこと:21.0%
・自分の技術力では対応が難しいと感じること:17.5%
・長時間の集中や精神的緊張を要求される作業が続くこと:17.2%
・やるべきことの優先順位が定まらず手戻りが発生すること:11.0%
・その他:1.4%
・わからない/答えられない:3.8%
■「顧客の理解を得られなければ瑕疵扱いで無理な対応を迫られる」「何も決まっていないのに納期・品質・コストの両立を求められる」などの声も
「Q3. Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。開発業務で感じているストレスやその原因について、具体的なエピソードがあれば、自由にお聞かせください。」(n=280)と質問したところ、148の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・排他制御やセキュリティのことなどわからない顧客に対して、こちらが気づき説明して理解を得なければいけない。理解を得られなければ、テスト段階で顧客と齟齬が生じ、こちらの瑕疵として残業などで無理して対応しないといけない。
・開発業務の中ではチームとしての流れができるだけ同じようになっていないといけないが、それぞれがネガティブな意味で個人の方向性を持っており、バラバラになります。そのためエラーやトラブルがおきても誰の責任なのか、という部分にこだわり先に進むのが遅い・途中で放棄する人間がでる。
・準備に時間が掛かり、使い回し出来ないテストデータを作成したにも関わらず、最初からやり直しになった。
・納期、品質、コスト、色々なことを両立することを求める。そのくせ、何も決まってない。決めてくれない。教えてくれないため。情報もあとで出てくる。
・実装直前で、上の人から実装中止を言われたこと。懸念点があるなら、実装直前よりももっと早く言えたと思う。
■スプリント周期での最も精神的な負荷が高いタイミング、約2割のエンジニアが「常に追われている感覚があり特定のタイミングに絞れない」と回答
「Q4. スプリント周期の中で、あなたが最も精神的な負荷が高いと感じるタイミングはいつですか。」(n=321)と質問したところ、「常に追われている感覚があり、特定のタイミングに絞れない」が19.6%、「実装・開発作業中」が15.3%という回答となりました。

・常に追われている感覚があり、特定のタイミングに絞れない:19.6%
・実装・開発作業中:15.3%
・スプリント最終日(デモ直前の追い込み):13.1%
・デイリースクラム・進捗共有:11.2%
・スプリントレビュー・ふりかえり:8.1%
・スプリントプランニング(計画):5.6%
・リファインメント(次回以降の準備):3.4%
・その他:0.3%
・精神的な負荷はない:10.9%
・わからない/答えられない:12.5%
■AIツール普及後にストレスが「増えた」と感じるエンジニアは、約4割を占める
「Q5. AIツール(ChatGPT、GitHub Copilotなど)の業務利用が広がった2025年以降、あなた自身が感じるストレスは増えたと思いますか。」(n=321)と質問したところ、「非常にそう思う」が7.8%、「ややそう思う」が28.3%という回答となりました。

・非常にそう思う:7.8%
・ややそう思う:28.3%
・あまりそう思わない:43.9%
・全くそう思わない:12.5%
・わからない/答えられない:7.5%
■AI普及で感じる新たなストレス、53.4%が「非エンジニア職からの"もっと早くできるだろう"というプレッシャー」を選択
「Q6. Q5で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。AIツールの普及によって、どのような新しいストレスを感じていますか。(複数回答)」(n=116)と質問したところ、「非エンジニア職から「AIがあるならもっと早くできるだろう」という期待やプレッシャーを受けること」が53.4%、「AIが生成したコードの妥当性を自分が保証しなければならない責任感」が41.4%、「AI活用に関する新しい知識のキャッチアップを常に求められること」が30.2%という回答となりました。

・非エンジニア職から「AIがあるならもっと早くできるだろう」という期待やプレッシャーを受けること:53.4%
・AIが生成したコードの妥当性を自分が保証しなければならない責任感:41.4%
・AI活用に関する新しい知識のキャッチアップを常に求められること:30.2%
・AIのプロンプト設計やツール選定に想定外の時間がかかること:25.9%
・自分のコーディングスキルが陳腐化するのではという不安:25.0%
・コードレビューで「AIを使ったか」が論点になり気まずい雰囲気になること:12.1%
・意思決定にAIの判断をどこまで入れるべきか悩む場面が増えたこと:8.6%
・その他:2.6%
・わからない/答えられない:2.6%
■エンジニアの約半数が非エンジニア職から、「AIがあるならもっと早くできるだろう」という趣旨の発言を受けた経験あり
「Q7. 業務や職場において、非エンジニア職の方から「AIがあるならもっと早く・簡単にできるだろう」という趣旨の期待や発言を受けた経験はありますか。」(n=321)と質問したところ、「頻繁にある」が10.6%、「時々ある」が35.2%という回答となりました。

・頻繁にある:10.6%
・時々ある:35.2%
・あまりない:24.6%
・全くない:24.3%
・わからない/答えられない:5.3%
■自身のストレスや苦労は他職種に「十分に理解されていない」と感じるエンジニアは、45.8%にのぼる
「Q8. あなたの職種のストレスや苦労は、他職種(プロジェクトマネージャー、営業職、非エンジニア職など)に十分に理解されていると思いますか。」(n=321)と質問したところ、「あまりそう思わない」が35.5%、「全くそう思わない」が10.3%という回答となりました。

・非常にそう思う:6.9%
・ややそう思う:36.1%
・あまりそう思わない:35.5%
・全くそう思わない:10.3%
・わからない/答えられない:11.2%
■エンジニアの約4割が「環境を変えて続けたい」、約2割が「離れたい」と回答
「Q9. 現在の開発業務で感じているストレスの状況を踏まえて、あなたは今後もITエンジニアとして働き続けたいと思いますか。」(n=321)と質問したところ、「現在の環境で続けたい」が28.7%、「環境(会社・現場)を変えて続けたい」が37.7%という回答となりました。

・現在の環境で続けたい:28.7%
・環境(会社・現場)を変えて続けたい:37.7%
・できれば離れたい:15.0%
・すぐにでも離れたい:4.0%
・わからない/答えられない:14.6%
■ストレス軽減のために求めるもの、第1位「適切な工数・スケジュール設定ができる体制」、第2位「給与改善・報酬の改善」
「Q10. ストレス軽減や働きやすさ向上のために、あなたが今後求めたいものを教えてください。(上位3つまで回答可)」(n=321)と質問したところ、「適切な工数・スケジュール設定ができる体制」が41.7%、「給与・報酬の改善」が30.2%、「関係者間の認識合わせを効率化する仕組み」が29.3%という回答となりました。

・適切な工数・スケジュール設定ができる体制:41.7%
・給与・報酬の改善:30.2%
・関係者間の認識合わせを効率化する仕組み:29.3%
・業務範囲や役割を明確にする社内の仕組み:23.4%
・自分のスキルや志向に合った案件・ポジションへの社内異動の機会:20.9%
・技術的な相談ができる社内のメンター・シニア:17.8%
・AIを活用した業務効率化の支援・研修:16.8%
・メンタルヘルスケアの充実:14.6%
・キャリアについて相談できる社外の専門家・エージェント:10.0%
・その他:0.6%
・特にない:5.9%
・わからない/答えられない:4.7%
■まとめ
今回は、システム開発に携わるITエンジニア321名を対象に、ITエンジニアの開発メンタル負荷実態調査を実施しました。
まず、最も精神的負荷が高い開発フェーズについては、第1位が「要件定義・仕様策定」(23.4%)となり、「テスト(単体・結合・総合)」(15.0%)、「設計(基本設計・詳細設計)」(13.1%)が続きました。ストレスを感じる主な要因では、「事前に決まっていたはずのことが途中で変わること」(37.8%)がトップに挙がり、「エンジニア同士で認識がズレていることが後から判明すること」(33.7%)、「十分な時間が確保できないまま期限が迫ること」(26.8%)も上位に並んでいます。スプリント周期の中で最も精神的負荷が高いタイミングを尋ねた設問では、「常に追われている感覚があり、特定のタイミングに絞れない」(19.6%)が最も多い結果となりました。また、AIツール普及後にストレスが「増えた」と感じるエンジニアは36.1%にのぼり、新たなストレス源としては「非エンジニア職から『AIがあるならもっと早くできるだろう』という期待やプレッシャーを受けること」が53.4%で最多となっています。さらに、実際に同趣旨の発言を受けた経験を持つエンジニアは45.8%に達し、他職種に自身の苦労が「十分に理解されていない」と感じるエンジニアも45.8%を占めました。今後のキャリアについては、「環境(会社・現場)を変えて続けたい」と回答したエンジニアが37.7%で、「できれば離れたい」「すぐにでも離れたい」の合計も19.0%に上りました。最後に、ストレス軽減のために求めるものとして、「適切な工数・スケジュール設定ができる体制」(41.7%)が首位となり、「給与・報酬の改善」(30.2%)、「関係者間の認識合わせを効率化する仕組み」(29.3%)が続きました。
本調査から、エンジニアが抱えるストレスの根本には、仕様変更や関係者間の認識ズレといった「コミュニケーション起点の手戻り」が深く関わっている構造がうかがえます。AIツールの普及が業務効率化をもたらす一方で、非エンジニア職との期待値ギャップが新たなストレス源を生み出している現状は、技術人材の定着において看過できないシグナルです。
2026年現在、生成AIの業務利用は試験導入を終え、本格的な「投資対効果」が問われるフェーズへと移行しています。また同時に「人的資本経営」の重要性が叫ばれていますが、本調査はそうした経営の理想と開発現場の間に潜む「深い溝」を浮き彫りにしました。ツールがどれほど進化しても、上流工程における曖昧な要件やコミュニケーション不足といった根本的な課題を、AIが魔法のように解決してくれるわけではありません。AIによって開発が簡単になったと錯覚する非エンジニア職からの無意識のプレッシャーと、その歪みを現場で吸収し続けるエンジニア。企業が今、真に向き合うべきは、最新技術への投資だけではなく、それを扱う「技術者への理解」と「適切な工数管理」です。AI時代におけるツールの効果と限界を組織全体で正しく認識し、職種間のリスペクトを伴う開発体制を再構築することこそが、今後の最大の論点となるでしょう。
本調査のコラムはこちら:https://itrend.kikkakeagent.co.jp/articles/223
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■会社概要
会社名 :株式会社キッカケクリエイション
設立 :2020年3月26日
代表者 :代表取締役 川島 我生斗
所在地 :東京都渋谷区桜丘町22番14号 N.E.Sビル N棟3階
事業内容:ITキャリア支援事業、IT転職映像メディア、ITライフスタイルメディア
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