オズマピーアール、早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所と産学連携研究を実施
観光インバウンドと産品アウトバウンドの循環づくりをテーマに12月に日本商業学会にて成果発表
オズマピーアールのグローバル領域における取り組み
オズマピーアールでは、これまで<訪日インバウンド>ならびに<産品アウトバウンド>の領域において、官公庁事業や民間企業の支援を通じて取り組んでまいりました。両領域においては、各地域からの情報発信などの「コミュニケーション」と、実際の購買活動に結びつく流通整備などの「ディストリビューション」のアプローチが分断されていることが多く、その状態を解消していくことが今後の日本全体の海外事業成長につながっていくと考えています。政府としても経済産業省などはじめ、インバウンドとアウトバウンドの好循環を生み出していくことが求められている方向として示されており、今後注力していくべき課題となっています。
オズマピーアールでは、上記のような状況に高い問題意識を持ち、両領域(インバウンドとアウトバウンド)と手法(コミュニケーションとディストリビューション)を統合することで課題解決を図るグローバル領域における施策の実施とソリューション開発に取り組んできました。今回、その課題解決の活動の一環として、早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所と産学連携での研究を実施しており、産業面と学術面の両面から循環を生み出すためのヒントを探ってまいりました。
産学連携研究概要
・テーマ:⽣産地への渡航を促す特産品の訴求⽅法―製品の⽣成プロセス提⽰による効果に着⽬して―
・研究目的:地域特産品に関するどのようなコミュニケーションが、生産地への渡航意向の促進につながるか
(訪日インバウンドを含む観光客誘致に地域特産品にまつわる物語の提示の有効性)を検証
・研究方法:消費者向けオンライン調査
・研究期間:2022年9月~現在
・研究結果データ:
研究結果サマリー
・地域の製品を提示し、“物語移入”が起こると当該地域への渡航意欲が高まる。
渡航意欲を高めるためには、自分が実際に渡航先にいることが想像できること、言い換えると渡航先への不安を低減するようなコミュニケーションを行うことが有効であると言われています。消費者向けオンライン調査の結果、地域の製品が生成されるプロセスを提示すると当該地域への渡航意欲が高まることが確認できました。さらに、“物語移入”の有無が地域への渡航意欲に影響を及ぼすことも分かりました。
製品の提示によって“物語移入”が起こると地域への渡航意欲が高まった結果が確認され、同時に“物語移入”が起こらない場合、渡航意欲の高まりも見られなかった結果となりました。このことから、製品の提示によって渡航意欲が高める、“物語移入”がそのファクターになることが判りました。
・“物語移入”を引き起こすポイントは“製品生成プロセス”の提示!完成品提示との比較で判明。
消費者は人の成長や、時間の経過を感じることができる情報に接すると、それを何かの「物語」として認識することができるとされています。そのため、“物語移入”を引き起こすには、どのような製品提示形式が有効なのかに焦点をあてて検証してみました。
その結果、完成品イメージよりも、製品の生成プロセスを見せることの方が、消費者が「物語」として知覚するのに有効であることが分かりました。また、同じワインの生成プロセスの写真でも、それらはバラバラではなく、完成するまでのプロセスに沿って順序立てて提示することで、その有効性が発揮されることも併せて判明しました。
今後の展望
成果発表を経て得られた結果を踏まえ、より幅広い特産品や生産地、または海外消費者に対しても同様の結果が得られるか、物語によるアプローチをさらに深めて検証していくとともに、オズマピーアールはこの研究をもとにインバウンド・アウトバウンド領域でのさらなる連動強化を図ってまいります。
研究メンバー
株式会社オズマピーアール(OZMA Inc.)
2023年10月に創業60周年を迎えた老舗PR会社。国内、海外の企業、政府関係機関、公的団体などのクライアントに企画立案から実施まで、総合的な広報(パブリックリレーションズ)サービスを提供。「世の中に新しい『問い』を立て、新しい『あたりまえ』を創る」ことをミッション&ビジョンに掲げ、「社会デザイン発想」をもって企業と社会の課題を解決する“最適解”を共創していく。
林 直樹(はやし なおき)
株式会社オズマピーアール エグゼクティブマネジメントアドバイザー
谷澤 和哉(たにざわ かずや)
株式会社オズマピーアール ブランドデザイン部 部長
馮 惠芸(ひょう けいうん)
株式会社オズマピーアール ブランドデザイン部 コミュニケーション・ディレクター
宮崎 由美(みやざき ゆみ)
株式会社オズマピーアール ブランドデザイン部 シニアアソシエイト
早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所
早稲田大学総合研究機構内のプロジェクト研究所のひとつとして、ビジネスの諸問題に対してマーケティングの視点から考察を試み、社会的な価値の創出と普及を促進させることを目的として活動している。2004年に設立されてから現在に至るまで、早稲田大学商学学術院の教員、商学学術院を卒業した国内の大学で活躍する研究者、実務家を中心として、マーケティングに関連する産学共同研究を多数実施している。
【研究メンバー】
恩藏 直人(おんぞう なおと)
早稲田大学 商学学術院 商学部 教授 早稲田大学マーケティング・コミュニケーション研究所 所長 / 公益社団法人日本マーケティング協会理事長 / 専門はマーケティング
平木 いくみ(ひらき いくみ)
東京国際⼤学 商学部 教授 / 専門はマーケティングと消費者行動
石井 裕明(いしい ひろあき)
早稲田大学 商学学術院 商学部 准教授 / 専門はマーケティング・コミュニケーション及び消費者行動
須田 孝徳(すだ たかのり)
東洋学園大学現代経営学部 専任講師 / 専門はマーケティングと消費者行動
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