フェアトレードの社内調達を通し社員のウェルビーイング向上へフェアトレード・ワークプレイス登録制度導入1年半で広がり加速
Jリーグやアクセンチュア等新規参加、大日本印刷 年間20万杯達成。フェアトレード市場拡大を後押し


認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(東京都中央区/事務局長:潮崎真惟子、以下「フェアトレード・ジャパン」)が運営する「フェアトレード・ワークプレイス登録制度」は、開始から1年半を迎え、導入企業が多業種へと広がり、職場でフェアトレードを選ぶ動きが拡大しつつあります。
導入の背景には、社内の飲料や物品をフェアトレード認証製品に切り替えることで、企業は気軽かつ継続的にサステナブル調達に取り組めること。また、外部評価や企業価値向上だけでなく、従業員のサステナビリティ意識やロイヤリティ向上に寄与し、“日常の選択を社会貢献につなげる”ウェルビーイング施策として評価されていることがあります。
このたび、制度開始から1年半の最新動向と、導入企業で生まれた変化を取りまとめました。
■ 導入企業の最新アップデート
【アストラゼネカ株式会社】

2024年の登録後、2025年にフェアトレード・ワークプレイス・ゴールドへ移行。社内カフェにて国際フェアトレード認証コーヒー、紅茶を使用し、年間2万杯以上提供しています。この取り組みが評価され第2回フェアトレード・ジャパン・アワード(2025年11月)ではフェアトレードオフィス部門にて優秀賞を受賞しました。
・アストラゼネカ日本法人コメント
「現在、社員カフェでは「KEY COFFEE Clé d'Or」シリーズのフェアトレードコーヒーと、「オーガニックフェアトレードティー イングリッシュブレックファスト」を導入し、フェアトレード活動に取り組んでいます。これらの認証製品を提供することで、社員が日常的にフェアトレードの意義や背景に触れる機会が生まれ、「フェアトレードについて知るきっかけになった」「環境や生産者に配慮された商品を選べて嬉しい」といった前向きな声も寄せられています。
こうした取り組みは当社のサステナビリティ推進活動の一環であり、環境への負荷低減や社会的責任への意識向上にもつながっています。今後も、フェアトレード活動の趣旨を大切にしながら、取り組みを継続してまいります。」
【大日本印刷株式会社(DNP)グループ】
社内で提供するフェアトレード認証コーヒーが2024年度に20万杯を突破。取り組みは統合報告書2025にも掲載され社内外に発信が強化されています。
・大日本印刷株式会社(DNP)グループコメント
「2006年、来客用コーヒーに国際フェアトレードラベル認証製品を導入。2018年には認証コーヒーの社内消費が100万杯に達しました。そのほかにも、認証砂糖を使用したお菓子、認証アイス、認証コットンを使ったノベルティなどにも導入し、「社内消費のパイオニア」として、フェアトレード・ラベル・ジャパンから「第1回フェアトレード・ジャパン アワード」で「フェアトレードオフィス部門 優秀賞」として表彰されました。2024年度には、社内のカフェでの提供やドリップバッグの社内販売などで、年間20万杯以上の消費をするに至っています。
こうした取り組みは、会社が事業活動を通じて継続的に「公正な取引」に貢献するだけでなく、社員個人が人権に関する理解を深め、自ら寄与する機会を提供しています。」
【日本郵船株式会社】
2年連続で「ゴールド」を取得。累計70万杯以上を提供。社内喫茶室にて国際フェアトレード認証コーヒー、紅茶を使用し、フェアトレード・ワークプレイス・ゴールドに登録されています。
・日本郵船株式会社コメント
「日本郵船では、フェアトレードの大切さを社員に知ってもらうため、2015年度から社内での取り組みをスタートしました。
最初の一歩として、社内の喫茶室で販売するコーヒーの一部と来客用のコーヒーを、国際フェアトレード認証を受けた商品に切り替え、この取り組みを広く知ってもらうために、併せてポスターの掲示や社内講演会、ワークショップなどを開催しました。2016年度からは、本活動への社員の理解も増し、喫茶室で提供するすべてのコーヒーやコーヒー飲料、紅茶を、フェアトレード認証の商品に切り替えました。
その結果、提供したコーヒーの数が徐々に増え続け、2023年度には生産者への貢献が評価され、「フェアトレード・ワークプレイス・ゴールド」に認定された4社のうちの1社に選ばれました。これまでに当社は累計約71万杯のフェアトレードコーヒーを提供しており、年間で4万〜7万杯ほどの消費につながっています。
今後も、社内に持続可能なフェアトレード認証商品に対する関心を高めてもらえるよう、講演会などを通じて情報発信を続けていく予定です。」
【アクセンチュア株式会社(新規参加)】
フェアトレード認証カカオを使用したチョコレートの販売や、フェアトレードキャンペーンと連動するなど今年新たにワークプレイス制度に参加。オリジナルPOP掲出など商品販売にとどまらず、フェアトレードへの共感を生む仕掛けをされています。
・アクセンチュア株式会社コメント
「社内カフェにてフェアトレードチョコレート「Tony’s Chocolonely」を通年で販売し、社員が日常的にフェアトレードに触れられる環境づくりを進めています。環境配慮を重視した社内カフェ運営を行っており、プラスチックZEROの方針に沿った商品選定を進めています。同商品もプラスチックフリーのパッケージであることから、環境負荷の軽減と社会貢献を同時に叶える選択肢として採用しました。
今年のフェアトレード・ジャパンが主催するフェアトレード啓発キャンペーンでは、カフェでの販売をきっかけに多くの社員が参加し、売上は寄付にもつながりました。「美味しくて続けて買いたい」「気軽に社会貢献できるのが良い」といった声が寄せられ、認知と関心が確実に広がっています。
販売コーナーには、オリジナルのPOP「What’s FAIR TRADE?」の説明ボード、フェアトレード・ジャパンの公式リーフレットを設置し、購入時に自然とフェアトレードを学べる場をつくっています。季節の飾り付けや写真映えするディスプレイも好評で、
カフェを通じて社員同士がフェアトレードの話題を共有する機会も増えました。今後も、カフェを情報発信の拠点として、社員が“選ぶことが社会につながる”体験を継続的に提供していきます。」
【喜多機械産業株式会社(新規参加)】
長年フェアトレードを寄付という形で支援してきた同社が、今年新たにワークプレイス制度に参加。
社員同士が集う「FIKAタイム」にフェアトレード製品を導入し、コミュニケーション活性化と社会貢献を同時に実現する取り組みとして注目されています。
・喜多機械産業株式会社コメント
「社長の提案で社内で「FIKAタイム」を導入し、気軽にコーヒータイムを楽しめる社内カフェを開設しています。コーヒー、紅茶、ナッツ、砂糖、蜂蜜などのフェアトレード製品を積極的に採用し、種類もMount Hagenや齊藤コーヒー、小川珈琲店、Clipper Teaなど様々。味の良さも好評です。ドリップマシンの導入により、抽出を待つ時間が社員同士の自然な会話のきっかけとなり、「次はこんな紅茶を試してみよう」といったコミュニケーションが活性化しています。今後はさらに多様なフェアトレード商品を調査・導入していく予定です。」
【公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ/新規参加)】
スポーツ業界から初の参加として、サステナビリティ戦略の一環として国際フェアトレード認証コーヒーを提供し、フェアトレード・ワークプレイスに登録されています。
・公益社団法人 日本プロサッカーリーグコメント
Jリーグでは、日常の中で社会や環境に配慮した取り組みに触れられる環境づくりを進めています。フェアトレード製品の提供を始めたことで、「身近なところから取り組めるのがよい」という声も寄せられ、これまで意識する機会の少なかった生産背景や調達のあり方について考えるきっかけにもなっています。
また、プロサッカーリーグを運営する立場として、サッカー・スポーツを通じて社会にネガティブな影響を減らし、ポジティブな影響を広げることを大切にしています。今年度発行したJリーグ気候アクションハンドブックでは、持続可能な調達の一例として国際フェアトレード認証ラベルを紹介しており、クラブのみならず、幅広いステークホルダーにも活用いただけるよう公開しています。
今後もフェアトレードの趣旨を大切にしながら、スポーツを起点とする持続可能な取り組みを継続し、環境や社会への貢献を目指してまいります。
■ フェアトレード・ジャパン事務局長 潮崎真惟子 コメント
本制度は、あらゆる業種の企業で無理なくフェアトレードを導入でき、福利厚生や働く環境を整える施策として取り入れやすいことから、多くの企業に選ばれています。社員の誰もが日常的に口にするコーヒーやお茶、ノベルティなどをフェアトレードにすることで、自身や自社の日々の活動が誰かの暮らしを支えている実感につながり、ウェルビーイングの向上やロイヤリティの強化に繋がる効果があります。
また、フェアトレードに関する社内勉強会や説明パネルの設置などを通じて社内教育をすることで、企業の理念やパーパスを日々の行動に落とし込んで理解しやすくなり、全社的なサステナビリティ意識の浸透にも繋がっています。
特に若年層はサステナビリティに関する関心も高いため、フェアトレードの社内への導入が新入社員の入社のきっかけになったとの声も実際に聞いています。企業にとって「普段のコーヒー等を置き換える」ことで継続的に社会貢献やサステナビリティ啓発を推進できる本制度は費用対効果も高いとの評価もいただいており、今後も更に広がっていくと期待しています。
■フェアトレード・ワークプレイス登録制度とは?
社内食堂や来訪者向け飲食・物品などのノベルティ、制服などを国際フェアトレード認証製品に切り替え、年間を通して継続的に調達することで、日本国内に法人を有する事業団体であればあらゆる業種で登録できる制度です。ランクは2種類あり、登録資格を満たした企業には【フェアトレード・ワークプレイス】が、調達量が指定の数量基準を超え生産者へのインパクトをより創出した企業は【フェアトレード・ワークプレイス・ゴールド】が与えられます。
フェアトレードは元来、フェアでサステナブルな生産と取引を促進し、コーヒーやカカオ等の原料生産から製品になるまでのサプライチェーンに関わる企業(メーカー、商社等)を認証する仕組みです。更なるフェアトレード拡大においては、つくられたフェアトレード製品を活用していく企業や個人の存在が非常に重要であることから、2024年7月よりスタートした新たな制度です。
新制度により、近年増加している企業の間接材におけるフェアトレード調達を加速させ、生産国への還元・社会的インパクトを拡大することを企図しています。
【登録基準】
●フェアトレード・ワークプレイス:年間を通じてフェアトレード認証製品を提供または使用している
●フェアトレード・ワークプレイス・ゴールド:直近年度1年間の実績が以下を満たした場合は上位ステータスのゴールドに登録可
・飲料:2万杯以上提供/食品:1万品以上提供/物品5000点以上提供
【フェアトレードとは?】
フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」です。通常の取引では、市場価格の情報や販売先の選択肢の欠如により、末端の小規模生産者は、安く買い叩かれてしまうことが今も多くあります。その結果、生産者の生活水準低下、コスト削減を目的とした児童労働・強制労働、過剰な農薬による環境破壊や生産者が健康被害をうけるという問題が引き起こされます。フェアトレードは、人と環境に配慮して生産されたものを適正な価格で取引し、持続可能な生産と生活向上を支援する仕組みです。フェアトレードによる取引では、適正価格の保証・プレミアムの支払い、児童労働・強制労働の禁止、環境に配慮した生産などが行われます。国連のSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標全ての達成に寄与すると言われ 、特に8つ(目標1貧困、目標2飢餓、目標5ジェンダー、目標8労働環境、目標12持続可能な消費と生産、目標13気候変動、目標16平和、目標17パートナーシップ)の達成に大きく寄与すると言われています。
【認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン】
1993年設立、2023年11月に30周年を迎えた認定NPO法人。国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)の構成メンバーとして、日本国内における国際フェアトレード認証ラベルの認証・ライセンス事業、フェアトレード の啓発・アドボカシー活動を行います。国際フェアトレードラベル機構は、公正な取引を通じた世界の貧困問題の解決、生産者の持続可能な生活の実現を目指して1997年設立された国際組織。現在開発途上国 70カ国・200万人以上の生産者・労働者と消費国30カ国メンバーが参加しています。(https://www.fairtrade.net/jp-jp.html)
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