「湾岸タワーマンションを買っているのは誰なのか」を調査。本当に現在でも外国人は買っているのか?
マンションリサーチ(株)中古マンション資料調査 2024年5月号
昨今、東京都の湾岸エリアのタワーマンションを購入しているのは、主に外国人又はパワーカップルであるという論調を、よく耳にします。そこで、マンションリサーチは2023年3月~2024年4月に所有権移転した物件を対象に、購入者の調査を行いました。
集計対象 |
・東京都湾岸エリアのタワーマンション
・2023年3月~2024年4月に所有権移転した物件
・登記簿謄本100件
結果 |
【購入者比率】
パワーカップル:約30%
外国人:約4%
その他(個人・法人):約65%
※パワーカップルは、所有者が2名かつ所有者住所がともに同一の記載があるものと定義している。
※外国人は所有者住所が、日本以外のものと定義している。
外国人の所有が大きな割合を占めているという予測に反して、その比率は非常に低いものでした。一方で、パワーカップルに関しては、世の中の論調と同様に高い比率を占めています。外国人所有者の所在地は中国、台湾、シンガポールといずれもアジア諸国でした。
本調査では、あくまでもおよそ直近1年間に所有権移転したものを対象としている為、それ以前の購入層に関しては改めて調査し、現在との比較をおこなっていきたいと思います。
高い比率を占めていた購入層は、パワーカップル |
所有者のうち30%はパワーカップルで共有名義となっていました。ここでパワーカップルに関してより深掘りしてみました。
【パワーカップルは同等の債務を負う】
本リリースでパワーカップルと定義される所有者のうち、所有者①と所有者②の持分割合は、59%対41%、債務額の割合は61%対39%となっており、持分割合と債務額割合はほぼ一致していました。パワーカップルはほぼ同等の債務を負い、タワーマンションを購入するようです。
【パワーカップルの9割が2LDKか3LDKを購入】
本件の調査全数100件に対し1LDKの割合が17.8%であるの対し、1LDKを購入したパワーカップルは3.6%と著しく少ない結果となりました。一方で、2LDKまたは3LDKを購入したパワーカップルは約9割に及びました。
【パワーカップルの購入と支払の方法】
本件調査対象のパワーカップルの購入物件の平均額は、約8000万円で、フルローン・オーバーローンを活用している割合は約6割、残りの4割は平均で購入価格の23%の頭金を支払っているという結果になりました。
考察 |
今回の調査では、ランダムに選択した湾岸エリアのタワーマンションのうち、およそ直近1年以内に所有権移転のあった物件のみを対象としましたが、それ以前に遡ったり、オーナーチェンジ物件のみ焦点をあててみると、その姿はまた違ったものになるかもしれません。今後様々な角度から実態を明らかにしていければと思います。
【マンションリサーチ株式会社その他サービスURL】
■不動産売却一括査定サービス『マンションナビ』
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■分譲マンション、土地、戸建てデータ販売
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■マンション購入サービス『MATSUDAKE』
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【マンションリサーチ株式会社について】
マンションリサーチ株式会社では、 不動産売却一括査定サイトを運営しており、 2011年創業以来「日本全国の中古マンションをほぼ網羅した14万棟のマンションデータ」「約3億件の不動産売出事例データ」及び「不動産売却を志向するユーザー属性の分析データ」の収集してまいりました。 当社ではこれらのデータを基に集客支援・業務効率化支援及び不動産関連データ販売等を行っております。
会社名: マンションリサーチ株式会社
代表取締役社長: 山田力
所在地: 東京都千代田区神田美土代町5-2 第2日成ビル5階
設立年月日: 2011年4月
資本金 : 1億円
筆者プロフィール
福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室
不動産データ分析責任者
FUKUSHIMA RESEARCH INSTITUTE
代表研究員
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。
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