小型高速モータ用極薄電磁鋼帯「STシリーズ」の材料データを電磁界解析ソフトウェア『JMAG』に搭載
~高精度シミュレーション環境の提供により、革新的なモータ開発を強力に支援~
日本金属株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:下川康志)は、この度、株式会社JSOL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:永井健志、以下「JSOL」)が開発する電磁界解析ソフトウェア『JMAG』の材料データベースに、小型高速モータに最適な当社の無方向性極薄電磁鋼帯「STシリーズ」の材料データが公式に搭載されたことをお知らせいたします。本搭載により、JMAGユーザーのお客様はこれまで必要だった材料データの入力作業から解放され、シミュレーションを活用したモータ設計・開発プロセスを大幅に効率化し、開発期間の短縮に大きく貢献します。
『JMAG』は、特にモータや発電機、トランス、アクチュエーターといった電気機械や電子部品の設計・開発において、その性能や挙動を予測・評価するために広く利用されています。

当社の無方向性極薄電磁鋼帯「STシリーズ」は、厚さ0.050~0.150mmと、従来の一般的な電磁鋼帯(例:厚さ0.35mm)と比較して大幅な薄型化を実現しています。この極薄化が、モータ内部で発生する渦電流損失※を大幅に抑制し、400Hz~20,000Hzの高周波領域において優れた低損失特性を発揮します。これにより、お客様のモータの高効率化・小型化に大きく貢献します。
この優れた特性は、ドローン、精密機器、医療機器、航空宇宙機器、電動工具など、幅広い分野で活用される小型高速モータの高効率化、小型化、軽量化に大きく貢献します。
なお、当社の極薄電磁鋼帯は、その高い性能によるエネルギー削減効果により、当社独自の環境配慮製品「エコプロダクト」として認定しています。日本金属は、2050年のCO₂排出量ネットゼロ達成を目指し、環境対応素材の普及を通じて持続可能なものづくりに貢献してまいります。

※渦電流損失とは、交流磁界によって電磁鋼帯内部に発生する不要な電流のことであり、モータの効率を低下させる要因となります。
本年9月にリリースされた電磁界解析ソフトウェア『JMAG』の最新バージョン(Ver.24.2)には、以下の当社材料データが新たに搭載されています。
・ST050(板厚0.05mm)、ST080(板厚0.08mm)、ST100(板厚0.10mm)、ST150(板厚0.15mm)

当社の方向性極薄電磁鋼帯「GTシリーズ」も、すでに多くの実績がございます。今回『JMAG』に搭載された「STシリーズ」と合わせ、これらの極薄磁性材料が、お客様の高効率モータ、次世代パワーエレクトロニクス機器、高周波トランス、インダクタなどにおける、革新的な製品開発を強力に後押しいたします。
■ JMAGプレスリリース
JMAG-Designer Ver.24.2 リリースのご案内:
https://www.jmag-international.com/jp/products/jmag-designer/index_v242/
『JMAG』は、JSOLの登録商標です。
■ 極薄電磁鋼帯製品概要
当社および当社グループの日金電磁工業株式会社は、長年にわたり培ってきた独自の圧延技術を活かし、日本で唯一、板厚0.1mm未満の極薄電磁鋼帯を提供しています。電磁鋼帯の生産・販売で50年を超える実績を持ち、素材提供からリアクトル等の製品化までを一貫して手掛ける体制により、国内外のお客様から高い信頼をいただいております。
当社ホームページ:
https://www.nipponkinzoku.co.jp/corporate/business/new-business-development-sect
日金電磁工業株式会社ホームページ:
https://nikkindenjikogyo.co.jp/
本リリースに関するお問い合わせ先
日本金属株式会社 総務部
TEL:03-5765-8100
https://www.nipponkinzoku.co.jp/contact-other
本製品及び技術情報に関するお問い合わせ先
日本金属株式会社 プロダクションプロセス・サポート部
TEL:03-5765-8113
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