【定期レポート】食の事業承継集団「まん福ホールディングス」2022年度 事業承継後の取組みと成果報告

✓承継企業6社計の売上高は前年比を超え、連結売上も4倍に
✓2023年はグループシナジーを武器に連結売上100億円を目指す

 食に特化した事業承継を行う、まん福ホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:加藤智治、以下 「まん福HD」)は、創業して2年間で事業承継した6社、共同事業で立ち上げた2社について、各社で実施した取組みと成果をご報告いたします。


  ■中小企業の後継者不足問題という社会課題を解決
   食ビジネスが抱える大きな課題の一つが「後継者不足」です。2025年には日本全国の約4人に1人が後期高齢者という「超高齢化」時代に突入し、“2025年問題”として社会全体の問題となってきています。中小企業大国といわれる日本において経営者の高齢化が進み約半数の127万人 、日本企業全体の1/3が後継者未定といわれており、中小零細企業比率が98%~99%を占める食品産業においてとても深刻な問題です。
   まん福HDは「マネジメント・バイ・イン(MBI)」というビジネスモデルを起用し、売上数億円~数十億円で後継者不在に悩まれている食の事業者を対象とした事業承継を行います。原則売却はせず、引き継がせていただいた会社のブランドを守り、伝統を尊重しながらまん福グループとして成長・発展に尽力し“第二の創業”を行っております。商品力の強化、原価の適正化、生産性の向上に取り組み、収益性を高めて、日本の食業界のさらなる発展に寄与してまいります。
  
  ■承継企業同士の連携を促進しグループシナジーを用いた成長戦略
   まん福HDは、前年度に北海道で宅配寿司チェーン最大の64店舗を展開する「札幌海鮮丸」を加え、これまで6社を承継し事業の拡大に努めてまいりました。結果、2022年度における承継企業6社計の売上高は前年比を超えることができました。また、事業承継以外にも、株式会社神明ホールディングスと共同で手掛けるおにぎり専門店「TARO TOKYO ONIGIRI」や国内初の食業界特化型PEファンドの設立など多岐にわたる事業を展開し、2022年度のグループ連結売上は52億円規模になり、昨年の13億円に比べ約4倍となりました。
   次なる目標は、今まで培った経験ノウハウを標準化した「まん福メソッド」を各社で活用し、グループ全体の収益性を高めていくことです。グループ各社が協力し合うことで、商品力強化やより効率的な流通網の形成など、まん福HDの強みである「グループシナジー」を武器にさらなる事業拡大を行っていき2023年度には売上げ100億円突破を目指します。
  
  ■まん福HDのビジネスモデルと特長
  1.承継後、基本的に売却はせずグループとして共に成長していく
  2.純粋持株会社として承継企業の理念を尊重する
  3.「食」関連事業に特化する
  上記3つを軸とし、その根幹には「うまい」ことが絶対条件です。
  
  ■2022年度承継6社まとめ
  1.2022年4月~23年3月で連結総売上高は約52億円で前年度13億円に比べ4倍に
  2.2023年4月~24年3月で追加承継企業先含め連結総売上の予算は96億円の見込み。
  3.連結社員数は約1,100人
  4.今期は各承継企業先の連携を強化し、強固なグループシナジーの形成を狙う
  
  ■承継先 各社施策
  1.株式会社浜田屋(神奈川県茅ケ崎市)2021年4月承継
   創業60年を超える、湘南・茅ヶ崎を代表する老舗弁当・惣菜屋を2021年より4月から承継しております。現在、神奈川県内に10店舗を構え、地元に愛されてきた伝統を守りながら、新業態の開始やOEM工場の運営など新しい風を吹き込みより多くの方に愛されるお店を目指します。


  《施策》
   ① 糀に着目した新ブランド「湘南夢糀」を立上げ新商品を開発。グループの山佐食品と共同制作を実現
   ② 2022年9月に新業態「ちがさき濱田屋 天ぷら工房」を新規出店し新規顧客獲得と顧客ニーズに幅広く対応
   承継後4店舗を新規出店し、現時点で10店舗を展開
  →2023年1月より弁当のOEM製造をはじめ、今までにない新たな収益源を確保し売り上げ向上を目指す
  
  2.株式会社さくらや食産(熊本県阿蘇市)2021年9月承継
   豊かな自然に囲まれた熊本県阿蘇郡の西原村に自社工場をかまえ、食肉加工及び、小売販売を手掛ける「さくらや食産」を2021年9月より承継しております。既存のお取引先様を大切にしつつ、新たな卸先を開拓することで顧客ニーズの開拓に努めるほか、ふるさと納税の受付枠を増やすことで収益を増やしました。


  《施策》
   ① メイン事業となる卸先の新規開拓に加え、強みである食肉加工品(ハンバーグやウインナー等)を打ち出し新たな収益源を取得
   ② ふるさと納税の返礼品としてのビジネスを拡大し自治体と連携したビジネスを展開
   ③ 直営店の商品アイテムを増やし、特に総菜系やお弁当の新商品開発及び販売に注力
  →直営店2号店をオープンし、今年度さらなる飛躍を目指す
  
  3.株式会社山佐食品(静岡県焼津市)2021年10月承継
   山佐食品は創業60年以上の水産加工会社で2021年10月より承継しております。長年培ってきた信頼とブランド力より、学校給食・産業給食・病院など安定的な販売先を有している地元優良企業です。鮮魚ビジネスにも着手し寿司ネタを取り扱い「濱田屋」や「札幌海鮮丸」に卸すことで、グループシナジー効果を発揮し、新たな販路拡大を行っております。


  《施策》
   ① フードロスを推進し、極力廃棄が出ないように努めた
   ② 焼津小川港で獲れた鯖を使い、地元焼津の技法を用いたオリジナルのしめ鯖を開発
  →鮮魚の加工強化を行い、まん福HD承継先に卸すことでシナジー効果の向上を目指す
  
  4.有限会社ハッピー商会(神奈川県相模原市)2021年12月承継
   (※承継はまん福HDではなく、株式会社浜田屋が実行)
   まん福HDの承継先でもある「浜田屋」が2021年12月より承継している、精肉店です。商品構成の見直しを行うことでのオペレーション負荷や、売り上げ構成比の改善などをおこない着実に成果を上げてきました。また、「濱田屋」や「さくらや食産」の商品を展開し、シナジー効果を発揮することでさらなる発展に努めていきます。


  《施策》
   ① 商品構成の見直しによるオペレーション負荷を削減し、作業効率を向上
   ② 売上構成比を精肉中心から、惣菜、肉加工品(ローストビーフや焼豚)など粗利の高い商品の品揃えも拡充し、原価率を低減し適正化
  →営業時間を拡大し、2号店を展開することで新規顧客を開拓しさらなる売り上げ向上を目指す
  
  5.オグラドルフィン株式会社(熊本県熊本市)2022年1月承継
   熊本県内に現在10店舗、県内最多の店舗数を構える唐揚げ専門店「おぐらの唐揚げ」を運営するオグラドルフィン株式会社を2022年1月より承継いたしました。毎月期間限定メニューを2品新発売することでお客様に“飽きさせない”お店作りをすることや、TVCM投入による熊本エリアへの認知拡大を行うことで、地元テレビ局4社に取り上げていただき、着実に地元の方に愛されるお店としての地位を築いてきました。今年度は新たにゴーストレストランを開業し、さらなる顧客ニーズにこたえ、“最も愛していただける唐揚げ店”へと躍進していきます。


  《施策》
   ① 商品ラインナップ販売強化による客単価率の向上と、仕入れ先開拓による原価抑制
   ② 既存店舗のテコ入れによるオペレーション改善とコスト削減
   ③ 10店舗目となる益城店オープンと札幌海鮮丸(グループ内)への商品展開による販路拡大
   ④ TVCM放映による認知度向上、アプリ・SNSによる訴求の強化
  →テイクアウト専門店に次ぐ第2の柱となる新業態(ゴーストレストラン)を開発し、新たな顧客ニーズの拡大で更なる飛躍を目指す
  
  6.株式会社札幌海鮮丸(北海道札幌市)2022年7月承継
   北海道で宅配寿司チェーン最大の63店舗を展開する札幌海鮮丸の事業を2022年7月より承継いたしました。
   グランドメニューの改定や価格の適正化、仕入や仕込みの見直しを行い商品価値を上げ、顧客満足度を向上させてきました。また、保存性の高いチラシの投下、TVCMの投入、販路の拡大により新たな集客と認知向上に取り組んでいます。


  《施策》
   ① オペレーションの改善による各種コストの適正化
   ② グランドメニューの改定に合わせた新商品開発、新たな顧客層獲得による集客
   ③ TVCM投入とシーズン毎のグランドメニューの改定、コラボチラシによる販促強化
   ④ おぐらの唐揚のフランチャイズ展開や道内企業との協業による販路拡大
  →商品価値の更なる向上と集客マーケティングの強化を目指す
  
  ■承継先ハイライト「おぐらの唐揚」(オグラドルフィン)
   ~売上げ116%向上!新施策で地元TV4社に取り上げられる~ 

  2022年1月に承継したオグラドルフィン株式会社(熊本県熊本市)が展開する、唐揚げ専門店「おぐらの唐揚」は、承継以降、毎月月替わりで期間限定商品を販売。以前お客様から人気だった「明太マヨから揚げ」や「梅から揚げ」などの限定商品も復活させるなどして、パンチの効いた新しい味と人気の味を組合せて提供し、お客様から多数のご好評をいただいております。また、アプリ/LINE受注システム導入により、商品提供時間が短縮しCS満足度の向上、及びオペレーションの改善にも寄与しました。
   上記の施策をおこなった結果、今期売上高は4億3千万円となり、前年比で116%に増加いたしました。
   また、地元TV局4社にも新商品紹介や、期間限定味ランキング、事業承継の内容等、多方面から取り上げていただき認知度の拡大、販売促進に繋がりました。熊本のみなさまに愛される唐揚げ専門店の地位を築くことができました。
  
   2023年4月からはゴーストレストランとして、“おぐらの唐揚 弟 丼ぶり専門店”をオープンし、新業態の構築に注力しております。“とにかくパンチの効いた商品をつくる”ことにフォーカスし、強みである商品力を活かして既存のテイクアウト専門店とは違う業態にチャレンジし、リアル店舗出店を最終目標としています。
   

 人気No.1
  「スタ唐丼」
  ¥1,580(税込)
   

 期間限定唐揚丼(季節商品)
  「香辣チリソース唐揚丼」
  ¥920(税込)
  
  ※“おぐらの唐揚 弟 丼ぶり専門店”の限定商品となります。
  
   その他の店も現状好調を維持しており、来期はHD通じてさらなる飛躍の年となるよう努めてまいりたいと思っております。


■日本の食産業を共に支えるパートナーシップ事業の紹介
  1.RICE REPUBLIC株式会社(東京都港区)2022年3月設立 

 米穀卸売業を祖業とし創業120周年を迎える株式会社神明ホールディングスと、2022年3月におにぎりチェーンを展開するジョイントベンチャーを設立し、2022年5月10日に「TARO TOKYO ONIGIRI」第1号店を東京虎ノ門に初出店いたしました。昨今小麦粉の消費量が増加し、さらにコロナ禍での外食産業における米の需要の減少により、消費率が低迷しております。「日本のお米を守りたい、お米で日本を、世界を元気にしたい。」という想いから、米文化の代表格ともいえる“おにぎり”をよりおいしく、より楽しく、より健康的にアップデートし「ヘルシー・ファスト・フード」としてグローバルに展開していくことを目的に開業いたしました。

  白米・玄米・黒米のお米を選べる商品設計と、季節限定商品の豊富さもあり、女性を中心にリピート比率は7割を達成し、昨今の“おにぎりブーム”の火付け役の一端を担うお店となりました。
   また、TARO TOKYO ONIGIRIは、“サステナブルな社会実現”を目指し、サスティナビリティ(持続可能性)のある活動にも積極的に参加していきます。昨年オープン当初に使用した宮城県登米産の「ひとめぼれ」は、栽培方法で温室効果ガス削減効果が認められ「環境保全米」として、農林水産省温室効果ガス削減見える化実証事業で、最高評価の3つ星を獲得した環境に優しいお米です。また今月は期間限定で、サステナブルな天然のシーフードを取り扱うアラスカシーフード協会とのコラボ企画「アラスカシーフードおにぎりフェア」に参加し、アラスカ産の鮭・たらこ・いくらを使用した4種のおにぎりを発売しました。
   今年4月には新宿伊勢丹にて初のPOPUPを開催し、7日間で累計来場者数約1,300人を突破し、7月には2号店のオープンが決定するなど、今年度もさらなるブランドの拡大を目指します。
   日本の食の原点である「米文化」を浸透させるべくさらなる飛躍を目指し、邁進していきたいと思っております。

登米の環境保全米を使用(2022年5月~23年2月) 

※おにぎりに使用するお米は不定期で変わります。


「アラスカ産 紅鮭いくら」
 ¥390円(税込)
   
  2.日本・食産業投資コンソーシアム株式会社(以下、「グルメジャパン」)  2022年11月設立 

  グルメジャパンは、まん福HDと中堅中小企業に特化したプライベートエクイティ投資会社である日本成長投資アライアンス(以下、JGIA)のパートナーシップにより誕生した食産業特化型プライベートエクイティ投資会社です。後継者に悩まれる日本の食産業において、事業承継ニーズを抱える中堅中小企業に対し、まん福HDが持つ食に関するノウハウとJGIAが持つ多面的なノウハウを活用し、更にグルメジャパンのパートナー企業の皆様との協業を通じて、投資先企業の継続的な成長を支援することで、日本の食産業の更なる発展と活性化に貢献してまいります。
   2022年11月にファーストクローズし、本年度末にファイナルクローズする予定で、今夏には第一号投資案件完了を目指します。年々海外からの注目度が増している業界分野でもあり、日本の食文化の向上に寄与すべく邁進していきたいと思っております。
  
  ■各界を代表する弊社アドバイザーの紹介
   

佐々木 浩氏(『祇園さゝ木』代表兼オーナーシェフ)
   2019年、「ミシュランガイド京都・大阪 2020」以降、ミシュラン三ツ星を獲得し続けており、「京都で最も予約が取れない店」として24年間、連日満席が続く京都の名店『祇園さゝ木』オーナーシェフ。2011年、世界の料理本を顕彰する「グルマン+世界料理本大賞<シェフ部門>」にて、グランプリを受賞。2014年、情熱大陸(TBSテレビ系列)に京都で最も勢いのある料理人として出演。10メートルの1枚板のカウンターから繰り出されるダイナミックな料理スタイルは、店一体がまさに佐々木氏の“舞台”であり、食べに来た方々を魅了し“佐々木劇場”と言われている。

   

佐藤 康博氏(みずほフィナンシャルグループ特別顧問)

 日本興業銀行に入行。 2002 年みずほコーポレート銀行国際企画部長に就任。その後、同社取締役頭取、みずほフィナンシャルグループ取締役社長、みずほ銀行取締役頭取、みずほフィナンシャルグループ取締役兼執行役社長グループ CEO を歴任。現在は同グループ特別顧問を務め、一般社団法人 日本経済団体連合会副会長。
   


多田 斎氏(元野村証券取締役兼執行役会長)

 野村證券株式会社に入社。1999 年同社取締役に就任。その後、執行役副社長兼営業部門 CEO を経て、2012年に取締役兼執行役会長に就任。現在は、株式会社セレス、株式会社ライトオン、株式会社ツナグ・ソリューションズ、株式会社ツナググループ・ホールディングスの社外取締役。
  
  ■今後のビジョン
   これまでまん福HDは、創業して2年間で6社の企業を承継し、各社施策を通して改革を行い、伝統を引き継ぎながら新たな一歩へと舵を進めてまいりました。次なる目標は“国内の事業承継ビジネスのゲームチェンジャー”になることだと考えております。高度経済成長期以降、多くの中小企業が一丸となって支えてきた日本経済も、少子高齢化により過渡期を迎えていきました。昨今では国内でもスタートアップ熱が加速し、次々と新たな企業が誕生しております。一方で、今までの日本経済を支え、伝統とノウハウを紡いできたのは紛れもなく中小企業です。途絶えさせてはいけない伝統を次世代に引き継ぎ、私たちは食を通して、国内の事業承継ビジネスの第2章をリードしたいと思っております。
   また、事業承継を軸にして、事業承継を補完・加速させる2つの共同事業それぞれを軌道に乗せていくことで、日本の食文化のさらなる発展に寄与し、日本の食文化を未来に繋げるオンリーワンの事業承継コングロマリットを目指していきたいと考えております。
   

まん福ホールディングス 代表取締役社長 加藤智治 コメント
   創業後のこれまでの2年間で、私達が目指す「業界に特化した事業承継プラットフォーム」というビジネスモデルの可能性、成長性、社会的意義を強く感じております。この可能性を更に具現化していくために、「勝負の3年目」を合言葉に全社一丸となって成長フェーズを駆け上がっていく所存です。
   今後とも、皆様のご支援ご応援、何卒宜しくお願い致します。
  
   

◆会社概要◆
  会社名    :まん福ホールディングス株式会社
  HP       :https://manpuku-hd.jp
  住所     :東京都渋谷区恵比寿西1-15-10 第6横芝ビル7階
  代表取締役社長:加藤智治
  事業内容   :食に特化した事業承継プラットフォーム事業

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会社概要

URL
https://manpuku-hd.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿西1-15-10 第6横芝ビル7階
電話番号
03-6433-7530
代表者名
加藤智治
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2021年03月