〈中小企業の次世代戦略への対応調査 第3弾〉中小企業のうち、AIを活用していない企業が約7割 一方、活用している企業においては「効率化できている」の回答が多数

AI導入の懸念上位は「従業員が活用できるか分からない」 「社内でのAIに関する基本的な知識の不足」と知識不足が導入を足止めしていると判明

フォーバル GDXリサーチ研究所

 Green(グリーン)とDigital(デジタル)を活用した中小企業の変革を目指すフォーバル GDXリサーチ研究所(本社:東京都渋谷区、所長:平良学)は、全国の中小企業経営者934名に「中小企業の次世代戦略への対応調査」を実施しました。

 chatGPTなど生成AIが台頭し、大企業では業務に当たり前に活用され始めています。人手不足であることが多い中小企業ほどAIを活用し、業務を効率していけると理想的ではありますが、知識のある方が多くないといった課題もあるでしょう。

 このような背景から、中小企業の次世代戦略の観点から、中小企業におけるAIの活用状況について調査いたしました。

【調査結果サマリー】

①AIを活用していない中小企業が約7割

 一方、活用している企業は、「効率化できている」と感じている企業が多いという結果に

②AI導入の懸念上位は「社内でのAIに関する基本的な知識の不足」

 「従業員が活用できるか分からない」

 未来の業務効率化のために、インプットや専門家に頼るといったことが求められる結果に

本リリースの調査結果をご利用いただく際は、必ず【フォーバル GDXリサーチ研究所調べ】とご明記ください。

【アンケート概要】

・調査主体 :フォーバル GDXリサーチ研究所

・調査期間 :2024年11月11日~2024年12月13日

・調査対象者:全国の中小企業経営者

・調査方法 :ウェブでのアンケートを実施し、回答を分析

・有効回答数:934人

①AIを活用していない中小企業が約7割

 一方、活用している企業は、「効率化できている」と感じている企業が多いという結果に

Q1.貴社では、AI設備を導入するための投資を行っていますか。

  ※AI設備とは「AIを用いた新たなシステムや技術」を指します。(N=934)

 中小企業の経営者に対して、AI設備を導入するための投資を行っているか訊いたところ、「行っておらず検討もしていない」が58.4%と半数以上になりました。

Q2.貴社では、AIを活用して業務の効率化を図っていますか。(N=934)

 また、AIを活用して業務の効率化を図っているか訊いたところ、「AIを活用していない」が68.8%にも上りました。一方、「AIを活用し、実際に効率化できている」が18.0%。「AIを活用しているが効率化には至っていない」が13.2%となり、AIを活用している企業は効率化に繋がっている方が多いという結果となりました。

 Q1,2の結果から、AIに対し、投資をできていない、そもそも使っていないという企業が大半でありつつも、活用できている企業は効率化の効果を感じていると分かります。

Q3.貴社では、人材採用においてAIツールを利用していますか。(N=934)

 人材採用においてAIツールを利用しているか訊いたところ、「利用している」が5.4%となり、「利用しておらず検討もしていない」が82.1%となりました。中小企業においては、人材採用領域では、まだAIがあまり利用されていないという結果となりました。

②AI導入の懸念上位は「社内でのAIに関する基本的な知識の不足」

 「従業員が活用できるか分からない」

 未来の業務効率化のために、インプットや専門家に頼るといったことが求められる結果に

Q4. 貴社では、今後AIツールやAI設備を導入する予定はありますか。(N=934)

 中小企業経営者に、AIツールやAI設備を導入する予定があるか訊いたところ、「既に導入している」が12.1%、「導入する予定がある」が7.6%、「導入する予定はないが、今後検討したい・している」が37.7%、「導入する予定はなく、今後検討もしない」が42.6%となりました。

Q5. Q4で、「導入する予定はないが、今後検討したい・している」、「導入する予定はなく、今後検討もしない」と回答した方に伺います。

その理由として当てはまるものをすべてお選びください。(N=750)※複数回答可

 Q4でAIを「導入する予定はないが、今後検討したい・している」、「導入する予定はなく、今後検討もしない」と回答した方に理由を訊いたところ、「必要とする事業や業務がないから」が44.3%と最多になりました。次いで、「どのように活用したら良いか分からないから」が27.6%、「AI導入にあたり知識のある人材がいないから」が23.7%となりました。

 一方、「費用対効果が見込めないから」は13.5%、「導入予算がないから」は12.5%とそれほど高くない結果となりました。

Q6. Q4で「導入する予定がある」「導入する予定はないが、今後検討したい・している」と回答した方に伺います。AIツールやAI設備の導入にあたり、貴社のおいて懸念に感じることとして当てはまるものをすべてお選びください。(N=423)※複数回答可

 Q4で「導入する予定がある」「導入する予定はないが、今後検討したい・している」と回答した方にAIツールやAI設備の導入における懸念を訊いたところ、「社内でのAIに関する基本的な知識の不足」が44.2%、 「従業員が活用できるか分からない」が43.7%と上位になりました。

 Q5,6の結果から、中小企業のAI活用の壁となっているのはコスト面よりも活用イメージが湧かない、知識不足が目立ちます。また、Q5の1位に挙げられた「必要とする事業や業務がないから」も、AIを使うことで何ができるのかが分かっていないという可能性もあると思います。

 

 人手不足の中、AIのようなこれまでになかった新しいものを理解するのはハードルが高いです。しかし、そのインプットの時間が後の労働時間削減に繋がります。そのため、自身で勉強する、アドバイザー・コンサルタントなど知識のある専門家に頼るといったことをし、未来の業務効率化に向けて動くことをおすすめします。

【有識者のコメント】中小企業の次世代成長戦略への対応の現状について

フォーバル GDXリサーチ研究所所長

平良 学(たいら・まなぶ)

 

■経歴

1992年、株式会社フォーバルに入社。九州支店での赤字経営の立て直し、コンサルティング事業の新規立ち上げ、

全体統括を経て、2022年に新たに発足した中立の独立機関「フォーバル GDXリサーチ研究所」の初代所長に就任。

中小企業経営の実態をまとめた白書「ブルーレポート」の発刊、全国の自治体と連携し、地域の中小企業経営者に向けたDX、GXの講演、中小企業経営者向けのイベントの企画などを通じて、中小企業のGDXを世に発信している。

■コメント

今回は、中小企業のAI活用についての調査を実施しました。

本調査の結果では、中小企業の約7割がAIを活用していない、できていないという状況でした。

一方で、AIを活用している企業は業務の効率化を実感しており、取り組んでいる企業には一定の効果が期待できることが明らかになりました。AIを活用すると、定型作業の自動化やデータ分析の精度向上につながることが多く、業務効率化や、昨今の人手不足の解消も見込めるため、1社でも多くの企業に活用いただきたいと考えています。

ただ、これまで導入、活用していない中小企業がいきなり活用することのハードルが高いことも事実です。

本調査でもAIを「導入する予定がある」「導入する予定はないが、今後検討したい・している」と考えている企業の懸念に感じることとして、「従業員が活用できるか分からない」、「社内でのAIに関する基本的な知識の不足」が約半数を占め、これらが原因で導入に踏み込めていない企業も多く見られました。

しかし、生成AI等の活用は、経営者であれば、事業等のアイデア出しや情報収集など経営判断の支援ツールとして、従業員では、業務効率化や営業強化のツールとして有効活用でき、中小企業の抱える経営課題解決の一助となる有力なツールとなり得ます。同時に、生成AIが社会に与える影響は大きく、今後も指数関数的なAI技術の発達と生成AIの導入・活用が進めば、企業経営の在り方や事業・雇用環境の変化も十分に考えられます。

社内に専門人材がいない、活用ノウハウなどがない場合、従業員へのAIやデジタルツールに関する研修、リスキリングといった教育機会を設ける。または外部の専門家を頼る、といった方法を検討いただければと思います。

■フォーバル GDXリサーチ研究所とは

 日本に存在する法人の99%以上を占める中小企業。この中小企業1社1社が成長することこそが日本の活力につながります。中小企業が成長するための原動力の1つにGreen(グリーン)とDigital(デジタル)を活用し企業そのものを変革するGDX(Green Digital transformation)があります。

 フォーバル GDXリサーチ研究所は、中小企業のGDXに関する実態を調査し、各種レポートや論文、報告書などをまとめ、世に発信するための研究機関です。「中小企業のGDXにおける現状や実態を調査し、世に発信する」をミッションに「中小企業のGDXにおいてなくてはならない存在」を目指し活動していきます。

HP:https://gdx-research.com/

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会社概要

株式会社フォーバル

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 五丁目52番地2号 青山オーバルビル14階
電話番号
03-3498-1541
代表者名
中島 將典
上場
東証スタンダード
資本金
41億円
設立
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