株式会社Citadel AIへの出資を決定
東大IPCは、AOI1号ファンドから、AIの品質保守の自動化ツールを提供する株式会社Citadel AIに6,000万円の出資を決定
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社は、東京大学関連ベンチャーで、「24時間信頼できるAIをあなたに」をビジョンに、AIの入出力の異常を自動検知・ブロックの上、人間が理解できる形で可視化するシステムを開発する、株式会社Citadel AIに対して6,000万円の出資を決定しました。
東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)は、AIの品質保守の自動化ツールを提供する株式会社Citadel AI(東京都渋谷区、代表取締役 小林裕宜)に対して、6,000万円の出資を行うことを決定しました。また、今回のCitadel AI社への投資は、ANRI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表パートナー 左俣アンリ)との共同出資となります。
AIの社会実装に伴い、益々求められるAIの品質の信頼性と説明責任
EUで2021年4月にAIの利用に関する規制案が発表されるなど、欧州や米国では、AIの説明責任や公平性に対する懸念が高まっています。いかにしてAIの異常をプロアクティブに検知できるかが重要な鍵となります。
従来のソフトウェアの場合、そのロジックが外部環境の影響を受けて変化することは無く、システムの性能や品質を監視するさまざまなツールも提供されています。
一方AIの場合、外部環境の影響を受けやすい特性があるにも関わらず、AI固有のリスクから顧客を守る仕組みが確立されていないのが現状です。
Citadel AIは「24時間信頼できるAIをあなたに」をビジョンに、開発時から運用時まで、自動化を通じて上記課題をエンドツーエンドで効率的に解決するソリューションを提供することで、企業や社会をこうしたリスクから守ります。
これからの社会・企業経営にとって必須なシステム
従来のハードロジックに基づくソフトウェアと異なり、AIシステムは、時々刻々と変化する実環境に晒される中で、日々その精度や品質が劣化して行きます。AIが誤認識・誤判断し、ビジネス上の損失やコンプライアンス問題として顕在化する前に、異常を自動検知し、AIの品質を保つことは、今後のビジネスにとって非常に重要です。AIの社会実装が進む中、Citadel AIのシステムは、これからの社会・企業経営にとって必須なシステムです。
同社が提供する「Citadel Radar(β版)」は、AIの入出力の異常を自動検知・ブロックの上、人間が理解できる形で可視化するXAI機能を搭載したシステムです。現在大手製造メーカー、システムインテグレータやAIベンチャー企業など10社以上で試験利用を開始しています。
東大IPCは第4回「1stRound」(※1)でCitadel AI社を採択、顧客開拓やマーケティング戦略・広報活動などを支援した上で今回の投資実行に致りました。
代表の小林氏は三菱商事を経て、「Ponta」運営元のロイヤリティマーケティングの社長や米国Indiana Packers CorporationのCEOなどを務めてきました。また、CTOで共同創業者のKenny Song氏は元米国Google BrainのAIインフラ構築責任者を経て、現在に至ります。
現在、創業期ソフトウェアエンジニアの募集を進めており、今般の増資をベースにエンジニアリングチームを拡充し、来年の商用化サービスに向け開発を加速化する計画です。
(※1)各業界のリーディングカンパニーがパートナー企業として参加する東大IPCが主催するコンソーシアム型のインキュベーションプログラム
https://program.utokyo-ipc.co.jp/
<Citadel AI 代表取締役社長 小林裕宜 コメント>
AIを活用することで、さまざまな人が国籍や年齢・文化の壁を乗り越え、個人が持つ知見を互いに共有して社会に貢献し、その結果として、経済的にもモチベーションの面でも活躍できるような日常になればと考えています。そのためにも、信頼できるAIを構築し、人間とAIが相互に補完し合える仕組みを実現することは必須です。今回投資いただいた皆様のご期待にも沿えるよう、これまで我々が培って来た知見・経験の全てを注ぎ込み、事業展開に臨む所存です。こうした夢を共有し、我々のチームに加わって下さる、熱意を持った創業エンジニアを現在募集しており、積極的な応募をお待ちしています。
<東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 パートナー 水本尚宏コメント>
この度、リードインベスターとしてCitadel AIのシードラウンドに参加できることを光栄に思います。説明可能なAIは、組織がAIモデルを本番環境で稼働する際に、信用と信頼性を築く上で極めて重要です。米国などAIの実装が進んでいる国においては、既に市場が立ち上がり始めており、我々は同社が日本におけるリーディングカンパニーとなることを確信しています。またグローバルな創業メンバーにより構成された同社が、新しい東大関連ベンチャーの成功モデルになることを期待しています。
<ANRI ジェネラルパートナー 鮫島昌弘 コメント>
2000年にITセキュリティ分野でファイヤーウォールや侵入検知システムが誕生し、大きな産業へと成長しました。それから約20年経ち、様々な分野でAIが社会実装されていく中、次はCitadel AIのようなAIの異常検知・品質管理サービスが今後大きな成長産業になると考えています。総合商社での豊富な実務経験をもつ小林氏とグローバルレベルでもトップエンジニアであるKenny氏からなる、グローバルなチームによる大きな産業創出へ仕立てる(したてる)チャレンジを全力で応援したいと思います!
日本のオープンイノベーション活動の発展寄与を目指すAOI1号ファンド
AOI1号ファンドは、東京大学周辺でのオープンイノベーション活動の推進を目的とし、「企業とアカデミアとの連携によるベンチャーの育成・投資」というコンセプトで2020年に組成されました。本ファンドでは、各業界のリーディングカンパニーと連携した新会社設立やカーブアウトベンチャー、および事業会社と連携したプレシード育成投資を通じ、新たな分野におけるオープンイノベーションの成功事例創出を目指します。
東大IPC は、今後も、東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展およびそれを通じた世界のイノベーションを加速するため、ベンチャーキャピタルやオープンイノベーションを推進する企業との様々な連携を通じ、アカデミアの生み出す学術・研究成果を活用するベンチャーの創出、育成および投資を進めていきます。
【株式会社Citadel AIについて】
概 要 AIの品質保守の自動化と可視化を通じ「信頼できるAI」を実現する事業
設 立 2020年12月
所在地 東京都渋谷区
代表者 代表取締役社長 小林裕宜
URL https://www.citadel.co.jp
【東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について】
概 要 東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設 立 2016年1月
株 主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 大泉克彦
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像