物件のおとり広告撲滅を目指してライナフとLIFULL HOME’Sが取り組みを開始
〜消費者に正しい情報を発信し、情報の透明性・一元化を目指す〜
本実証実験の結果として、特に東京都23区の副都心部エリアで、一人暮らし向けの物件が非掲載対象のボリュームゾーンであることもわかりました。
■背景
物件情報サイトに掲載される物件広告の多くは、物件を仲介する各仲介会社によって掲載・非掲載の情報更新がおこなわれます。仲介会社は、定期的に管理会社へ電話等で物件確認(物確といいます)をすることで、その物件の最新情報を取得し、広告掲載に反映しています。都度、手動で更新作業をおこなうため、どうしてもタイムラグが発生してしまい、意図せず成約済みの広告が掲載されたままになってしまうことがあります。その状態を悪用し、人気物件の広告をあえて掲載させたままにし、意図的に問い合わせを増やす行為も一部で横行しています。こうした悪質な広告を「おとり広告」といい、不動産業界において根深い問題となっています。おとり広告については、宅地建物取引業法32条、不動産の表示に関する公正競争規約の21条によって禁止されており、物件の実在有無に関わらず、取引のできない物件や、取引する意志のない物件広告などが該当します。
ライナフは、これまでも不動産業界の健全化のためにIT技術の提供やパートナー企業との協業を通じて取り組んでまいりました。今回、長らくまん延するおとり広告排除に向けて、LIFULL HOME’Sと連携し、自動非掲載にできる仕組みを導入しました。
■取組内容
ライナフが提供する「スマート物確」と「LIFULL HOME’S」をシステム連携させることで、自動でLIFULL HOME’Sに掲載される「おとり広告」を非掲載にします。スマート物確から得られる、管理会社が保有する入居の募集・非募集の情報をLIFULL HOME’Sと照合していくことで、人の手を介すことなくLIFULL HOME’Sへの物件広告を非掲載にできます。
今回、AIによって物件確認を自動化するサービス「スマート物確」を利用する三菱地所ハウスネット株式会社協力のもと、スマート物確に登録されている約15,000戸の管理物件を対象に実証実験をおこないました。その結果、1ヶ月間で1,000戸以上の非掲載対象の広告を検知し、非掲載処理を実施しました。また、非掲載対象のボリュームゾーンが、東京都23区の副都心部エリア、家賃が10万円〜12万円台、ひとり暮らし向けの物件であることがわかりました(※)。
本取り組みによって、仲介会社は管理会社へ物確する手間がなくなることに加え、手動で情報更新する作業がなくなるので、人為的なミスがなくなり、業務効率化が図れます。さらに、企業としてのコンプライアンスを遵守できます。消費者に対しては、誤った広告表示がなくなることで、正しい情報を発信できるようになります。スマート物確とのシステム連携によって自動管理が可能になるため、管理会社、仲介会社、そして消費者に至るまで、物件情報の透明性・統一性を保つことができます。
本取り組みにあたって、LIFULLとライナフよりコメントを掲載いたします。
株式会社LIFULL 取締役執行役員 LIFULL HOME’S事業本部長 伊東 祐司氏
LIFULL HOME’Sでは「おとり広告」 の問題に対応するために、管理会社から物件情報を提供いただき、システム内で照合して、いち早く募集終了物件を自動非掲載にする取り組みを推進しています。その運用に協力いただける企業を募っていて、今回の取り組みが実現しました。当社もライナフ社も不動産業界の未来を真剣に考え、よりよい社会を目指していますので、今回に限らず今後もタッグを組めることは多いと考えています。ぜひこれからも新しい時代の不動産業界を目指して、お互い協力していきたいと思います。
株式会社ライナフ 代表取締役 滝沢 潔氏
長らく不動産業界の問題となっていた「おとり広告」に対して、今回LIFULL様とともに自動的に非掲載にする仕組みを用意することができ、一定の成果が得られました。これは、業界全体をよりよくしていくために、非常に意義のある取り組みだと考えています。引き続きLIFULL様とともに、業界の健全化のために取り組んでいくとともに、当社がもつAIやIoT技術の知見やノウハウを駆使していくことで、社会に貢献していきたいと思います。
ライナフは、今後も不動産会社様と協力していきながら、業界にとってのよりよいあり方を問い続け、健全化に向けて取り組みを進めてまいります。
※検知されたLIFULL HOME'S掲載物件を賃料、間取り、エリアで件数集計した結果より(集計期間:2021年5月12日〜6月30日)
■AIで物件確認を自動化するサービス「スマート物確」
(https://www.smartbukkaku.net/landing/)
ライナフが提供するAIによる音声案内で物件の確認応対を自動化するサービス。あらかじめ管理する物件情報をスマート物確に登録しておくことで、24時間365日、物件確認の電話にAIが応答します。電話に加え、LINEでも物確が可能。物件特定率は95%以上(※)で、独自の音声認識技術を採用しています。
※無作為抽出の1,000件より算出(2019年1月時点のライナフによる調査結果)
■株式会社ライナフについて(https://linough.com/)
AIとIoTの最新技術を活用した不動産管理ソリューション「ライナフスマートサービス」を展開。美和ロックと共同開発の住宅向けスマートロック「NinjaLockM」をはじめ、入居前のリーシング業務から入居後の物件管理に至るまで、不動産管理業務を効率化するサービスを展開しています。三菱地所、東急不動産ホールディングスなどの大手不動産企業への導入実績多数、不動産の “デジタルリノベーション” を推し進めています。累積資金調達額は10億円以上。
設立 :2014年11月
代表者 :代表取締役 滝沢 潔
本社 :東京都文京区湯島1-6-3 湯島一丁目ビル2階
事業内容:スマートロックブランド「NinjaLock」シリーズの製造・販売
不動産管理ソリューション「ライナフスマートサービス」の開発・運営
■株式会社LIFULLについて(https://lifull.com/)
「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。
設立 :1997年3月12日
代表者 :代表取締役社長 井上高志
本社 :東京都千代田区麹町1-4-4
事業概要:不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S(ライフル ホームズ)」の運営
※本プレスリリースに記載の会社名、サービス名は、各社の登録商標です。
※本プレスリリースに掲載されている内容は、発表日現在の情報となります。最新情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像