三菱総合研究所とNECソリューションイノベータ、ヒューマン・デジタルツインの共同研究を開始
サイバー空間での「人の心」の再現可能性を検証
※本プレスリリースは、株式会社三菱総合研究所とNECソリューションイノベータ株式会社の連名プレスリリースです。
株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田 健二、以下 MRI)とNECソリューションイノベータ株式会社(代表取締役 執行役員社長:岩井 孝夫、以下 NECソリューションイノベータ)は、人の心をデジタル化してサイバー空間に再現し、シミュレーションやサービス設計に活用する「ヒューマン・デジタルツイン(以下 HDT)」の技術実証等を目的とする共同研究を開始しました。
本共同研究では、実世界の人に働きかけて行動の変化を促す取り組み(介入)の結果と、日本人の心理・行動特徴を学習したHDT上で同じ介入をした結果を比較することで、HDTが実世界の人の行動の変化をどこまで再現できるのかを検証します。
【ヒューマン・デジタルツインとは】
「デジタルツイン」は、リアル空間に存在する対象物から情報を取得し、サイバー空間上の対象物のモデルに反映する技術です。これまで、工場や都市といった物理的なモノをサイバー空間で再現する「モノのデジタルツイン」の活用が中心でしたが、センサーやAIといった情報処理技術の発展とともに、人を再現する「ヒューマン・デジタルツイン」の活用に注目が集まり始めています。
HDTの活用は、人の姿勢や動作といった外観的な情報を反映したHDTによる、物理的な身体負荷等のシミュレーションが先行していますが、昨今は心理状態や価値観、パーソナリティー、感情などの人の内面的な情報も反映したHDTのニーズが高まっています。

例えば、HDTを活用して、アンケートやインタビューの結果についてシミュレーションする場合、個人や集団の傾向や意思決定に至る内面的な情報を反映したHDTが必要です。内面的な情報を精緻に反映しシミュレーションできれば、実世界の人へ調査することなく、結果を世代や地域ごとの価値観を踏まえた政策立案やマーケティングなどへ迅速に役立てることができます。
こうしたニーズに対応するため、MRIとNECソリューションイノベータは共同で、人の心をサイバー空間に再現するHDTの技術実証等の研究を開始しました。
【共同研究の概要】
大規模な心理的特性データを学習させたHDTを新たに開発し、サイバー空間での「人の心」の再現可能性を検証します。具体的な研究内容とMRI、NECソリューションイノベータの役割は以下のとおりです。
① 日本人の心理・行動特徴を学習したHDTの開発
② 実世界(日本国内)の人への行動変容を促す介入実験の実施
(健康維持のためのセルフケアを促す介入など)
③ ①で開発したHDT上で、②を再現する実験の実施
④ 実世界とHDT上の実験結果の比較・分析

両社は、MRIの社会課題の分析・政策立案に関する幅広い知見と、NECソリューションイノベータの高いシステム実装力を融合し、双方の行動経済学の知見も活用しながら、本研究を進めていきます。
【今後の予定】
MRIおよびNECソリューションイノベータは、本研究活動を通じて、日本人の心理・行動特徴を学習したHDTが、実際の人の介入への反応をどの程度再現できるかを評価し、HDTでの再現可能性と今後の展望を明らかにします。
本研究から得られた知見を活かし、シンクタンク領域のコスト抑制・高速化などに貢献するとともに、一人ひとりにきめ細やかに寄り添うようなサービスや社会基盤の改善など、革新的なサービスや産業の創造につなげていきます。
なお、本研究の成果は、来年末を目途に取りまとめて公表する予定です。
以上
<参考情報>
HDTに関わる両社の取り組み例は、下記をご参照ください。
MRI:ヒューマン・デジタルツインとは何か?「人の心」をサイバー空間に再現する革新技術
URL:https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20250710.html
<本件のお問い合わせ先>
NECソリューションイノベータ イノベーションラボラトリ
E-Mail:hdt_contact@nes.jp.nec.com
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