中西部太平洋での進展で見えてきた国際的な漁業管理における大きな転換の兆し
MSC(海洋管理協議会)は、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の加盟国が世界最大のマグロ・カツオ類資源を保全する上で重要な措置に合意し、大きな進展を遂げたことに祝意を表します。
WCPFCに加盟する26カ国の代表団は先週、ベトナムのダナンで3年ぶりに一堂に会しました。漁獲戦略に関する合意は、マグロ・カツオ類資源の長期的な健全性を確実なものにし、また、MSC漁業認証を維持するためにも不可欠ではあるものの、委員会では長年の交渉にもかかわらず、これまで合意することができませんでした。
12月3日(土)の年次会合終了時に、代表団は漁獲戦略に関するいくつかの措置について合意に達しました。これらの措置は、今後の漁業管理の指針となるもので、マグロ・カツオ類資源が現在の持続可能なレベルを下回った場合に、資源の回復を可能にする「セーフティネット」として機能することになります。
何よりも重大な成果は、中西部太平洋(WCPO)のマグロ・カツオ類のうち最も資源が多いカツオの漁獲戦略に合意したことです。これに加えて、委員会は、すべてのマグロ・カツオ類が持続可能なレベルを下回る前に漁獲戦略を導入することを改めて表明しました。
先日、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)がタイセイヨウクロマグロの漁獲戦略を採択するという画期的な合意に達しましたが、今回の合意は2週間足らずのタイミングでそれに続きました。
委員会の年次会合に出席するためにベトナムを訪れていたMSC科学・規格最高責任者のロハン・カリーは、次のように述べました。
「多国間での合意は簡単なことではありません。ましてや、地球上で最大かつ最も複雑な漁業の一つに関することとなればなおさらです。今回の合意は関係者全員にとって大きな成果です。タイセイヨウクロマグロの漁獲戦略に関する合意に続くWCPFCの新たな公約によって、多国間の漁業管理が大きく展開するのではないかと期待しています。
WCPFCで合意された措置は、世界においても特に豊富で経済的に重要なマグロ・カツオ類資源を保護するための重要な一歩です。しかし、この地域のすべてのマグロ・カツオ類資源を対象とした適切な漁獲戦略を確実に講じていくには、まだ多くの課題が残されています。関係者の方々には、ダナンで生まれた機運を生かし、今後数年で、この地域のマグロ・カツオ類漁業の健全性をいっそう強化する計画を推進していただきたいと思います」
ダナンで合意された措置の内容については、今後、WCPO内で認証されている33のマグロ・カツオ類漁業に対してMSC漁業認証審査を行う、第三者の審査機関(CAB)によって精査されることになります。
中西部太平洋における漁獲戦略の採択が、この地域のマグロ・カツオ類漁業の長期的な持続可能性とMSC漁業認証にとってなぜ不可欠であるかについては、こちらのプレスリリースをご覧ください。
https://www.msc.org/jp/what-you-can-do/media-centre/press-releases/221125
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20,000品目以上、日本では500品目以上が販売されました。国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、ライフ、マクドナルドなどで購入できます。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもあります。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」です。
WCPFCに加盟する26カ国の代表団は先週、ベトナムのダナンで3年ぶりに一堂に会しました。漁獲戦略に関する合意は、マグロ・カツオ類資源の長期的な健全性を確実なものにし、また、MSC漁業認証を維持するためにも不可欠ではあるものの、委員会では長年の交渉にもかかわらず、これまで合意することができませんでした。
12月3日(土)の年次会合終了時に、代表団は漁獲戦略に関するいくつかの措置について合意に達しました。これらの措置は、今後の漁業管理の指針となるもので、マグロ・カツオ類資源が現在の持続可能なレベルを下回った場合に、資源の回復を可能にする「セーフティネット」として機能することになります。
何よりも重大な成果は、中西部太平洋(WCPO)のマグロ・カツオ類のうち最も資源が多いカツオの漁獲戦略に合意したことです。これに加えて、委員会は、すべてのマグロ・カツオ類が持続可能なレベルを下回る前に漁獲戦略を導入することを改めて表明しました。
先日、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)がタイセイヨウクロマグロの漁獲戦略を採択するという画期的な合意に達しましたが、今回の合意は2週間足らずのタイミングでそれに続きました。
委員会の年次会合に出席するためにベトナムを訪れていたMSC科学・規格最高責任者のロハン・カリーは、次のように述べました。
「多国間での合意は簡単なことではありません。ましてや、地球上で最大かつ最も複雑な漁業の一つに関することとなればなおさらです。今回の合意は関係者全員にとって大きな成果です。タイセイヨウクロマグロの漁獲戦略に関する合意に続くWCPFCの新たな公約によって、多国間の漁業管理が大きく展開するのではないかと期待しています。
WCPFCで合意された措置は、世界においても特に豊富で経済的に重要なマグロ・カツオ類資源を保護するための重要な一歩です。しかし、この地域のすべてのマグロ・カツオ類資源を対象とした適切な漁獲戦略を確実に講じていくには、まだ多くの課題が残されています。関係者の方々には、ダナンで生まれた機運を生かし、今後数年で、この地域のマグロ・カツオ類漁業の健全性をいっそう強化する計画を推進していただきたいと思います」
ダナンで合意された措置の内容については、今後、WCPO内で認証されている33のマグロ・カツオ類漁業に対してMSC漁業認証審査を行う、第三者の審査機関(CAB)によって精査されることになります。
中西部太平洋における漁獲戦略の採択が、この地域のマグロ・カツオ類漁業の長期的な持続可能性とMSC漁業認証にとってなぜ不可欠であるかについては、こちらのプレスリリースをご覧ください。
https://www.msc.org/jp/what-you-can-do/media-centre/press-releases/221125
MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際的な非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20カ国に事務所をおき世界中で活動しています。MSCジャパンは2007年に設立。MSC「海のエコラベル」の付いた水産品は、2021年度には世界62カ国で20,000品目以上、日本では500品目以上が販売されました。国内ではイオングループ、生協・コープ、セブン&アイグループ、ライフ、マクドナルドなどで購入できます。
持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ確実な科学的根拠に基づき策定されたものです。FAO(国連食糧農業機関)とISEAL(国際社会環境認定表示連合)双方の要求事項を満たした世界で唯一の漁業認証プログラムでもあります。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能なレベルにあり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、第三者審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp
MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳格な認証規格に適合した持続可能な漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それがMSC「海のエコラベル」です。
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