深刻化する後継者不在問題。事業承継への意識向上と相談窓口の拡充が急務
〜『事業承継に対する意識調査』を実施〜
調査背景
少子高齢化が進む日本では、企業の後継者不在による廃業が社会問題となっています。その影響で従業員の雇用や独自の技術が失われてしまうといった事態が起きており、日本の経済や人々の生活を守るためにも企業の事業承継を推し進め、後継者不在の問題を解決していかなければなりません。事業承継への対応が急がれるなか、後継者がいる企業、いない企業それぞれが事業承継に関してどのような状況にあるのかを明らかにするため、事業承継に対する意識の実態を調査しました。
調査結果サマリ
1)全体の約半数の企業が後継者候補が「いない」と回答しており、後継者不在の状況は深刻
2)後継者候補がいないと回答した企業の3割以上が「自分の代で廃業予定」
3)後継者候補がいないと回答した企業の約半数において、本来継いでほしい相手が「いない」。企業存続のため、事業承継に対しての意識喚起が必要
4)後継者候補がいないと回答した企業の約半数が、事業承継に関して「誰かに相談しようと思っていない」という状況が明らかに。一方で、「誰かに相談したいが相談相手が見つからない」と回答した企業が約2割を占め、事業承継への当事者意識を高めるだけでなく事業承継の相談窓口をさらに拡充していくことが必要
5)後継者候補がいると回答した企業において、承継先は「従業員」や「社内に在籍する子ども」の割合が特に高い結果に。全体としては子どもへの承継が最も検討されている
6)後継者候補が決まっていながらも、承継時期は「未定」と回答した企業の割合が最も高く、時期まで詳しく検討している企業は少ない
7)後継者候補がいると回答した企業で事業承継に対する不安を感じている企業のうち「経営負担を負わせてしまうこと」に不安を感じる企業の割合が最も高い
総括
今回の調査結果から、後継者不在の状況を改善していくために事業承継に対する意識向上と相談窓口の拡充が必要であることが明らかになりました。後継者候補がいない企業の割合が非常に高い状況にあるにも関わらず、「自社存続への意思がない」「誰かに事業承継について相談する意思がない」「事業承継について相談したくてもどこに相談していいかわからない」といった、事業承継に対する意識向上や相談窓口の拡充などの取り組みが必要な状況にあることがうかがえます。
後継者候補がいる企業においても、承継時期といった具体的な検討段階まで進んでいない企業も多く、後継者候補がいるからとはいえ高い意識で事業承継が進んでいるとはいえない状況にあることがうかがえます。
また、後継者がいない企業に対しては特に事業承継に対する意識向上が必要であり、後継者候補がいない状況に対して「誰かに相談する」「気軽に相談できる場所がある」といった意識を高めていく取り組みを社会全体で行っていく必要があることがうかがえます。
企業の減少は、技術や雇用の喪失などといった経済成長への悪影響をもたらします。後継者不在の問題が深刻化している今の状況でこそ、事業承継に対する意識向上をこれまで以上に強化していくことが必要な施策であることが考えられます。
調査結果詳細
1)全体の約半数の企業が後継者候補が「いない」と回答しており、後継者不在の状況は深刻
全体で「後継者候補がいない(45.0%)」と回答した企業の割合は約半数を占めており、後継者不在の状況が深刻であることがうかがえます。
2)後継者候補がいないと回答した企業の3割以上が「自分の代で廃業予定」
後継者候補がいない理由として「自分の代で廃業予定(31.8%)」と回答した企業の割合は特に高く、この状態が続けば、企業の減少による技術や雇用の喪失といった経済に対するマイナスの影響を及ぼすことが考えられます。
3)後継者候補がいないと回答した企業の約半数において、本来継いでほしい相手が「いない」。企業存続のため、事業承継に対しての意識喚起が必要
後継者候補がいないと回答した企業のなかで、本来会社を継いでほしい相手は「いない(44.9%)」と回答した企業の割合が最も高く、約半数を占めました。後継者候補がいない状態になると事業承継への意識が薄まってしまうことがうかがえ、後継者がいなくとも事業承継に対する意識を高めていくことが必要であることが考えられます。
4)後継者候補がいないと回答した企業の約半数が、事業承継に関して「誰かに相談しようと思っていない」という状況が明らかに。一方で、「誰かに相談したいが相談相手が見つからない」と回答した企業が約2割を占め、事業承継への当事者意識を高めるだけでなく事業承継の相談窓口をさらに拡充していくことが必要
後継者候補がいない状況において、事業承継についての「誰かに相談しようと思っていない(46.7%)」「誰かに相談したいが相談相手が見つからない(18.6%)」と回答した企業の割合が合わせて半数を超えていることから、当事者の事業承継への意識を高めていくことに加え、事業承継について気軽に相談できる窓口を今後拡充していく必要があることがうかがえます。
5)後継者候補がいると回答した企業において、承継先は「従業員」や「社内に在籍する子ども」の割合が特に高い結果に。全体としては子どもへの承継が最も検討されている
後継者候補との関係性は、全体で「社内に所属する親族外(従業員)(29.9%)」「社内に在籍する子ども(27.2%)」がそれぞれ約3割を占める結果となりました。子どもへの承継に関しては、社内に在籍していない子どもへの承継を検討している企業の割合と合わせると約4割を占め、経営者自身との関係性においては子どもへの承継を行う傾向がみられます。
6)後継者候補が決まっていながらも、承継時期は「未定」と回答した企業の割合が最も高く、時期まで詳しく検討している企業は少ない
後継者候補が「いる」と回答した企業のなかでは承継時期が「未定(27.6%)」と回答した企業の割合が約3割で最も高く、後継者候補は決まっていても具体的な事業承継の検討は全体的に進んでいないことがうかがえます。
7)後継者候補がいると回答した企業で事業承継に対する不安を感じている企業のうち「経営負担を負わせてしまうこと」に不安を感じる割合が最も高い
後継者候補がいる企業のなかで、事業承継に対する不安として後継者候補に「経営負担を負わせてしまうこと(30.3%)」を挙げる企業の割合が最も高い結果となり、後継者の経営負担軽減も事業承継における課題となっていることがうかがえます。
調査概要
調査期間:2023年10月18日〜10月20日
調査委託先:株式会社マクロミル
調査対象:40歳以上の経営者・自営業
有効回答数(サンプル数):3836名
調査方法:インターネット調査
株式会社fundbook 会社概要
fundbookは、全国約25,000社の譲受候補企業とのネットワークをもとに、自社開発プラットフォーム「fundbook cloud」と経験豊富なアドバイザーによる独自のマッチングモデルを強みとするM&A仲介会社です。
M&Aが成約するまで着手金や中間金、月額報酬等の費用は一切発生しない「完全成功報酬制」を採用しており、M&Aや事業承継を検討されている経営者様をフルサポート。未来に備えた情報収集の段階でもお気軽にご相談いただけます。
「気軽にM&Aの相談ができて、安心してM&Aが選択できる新しい世界を創出する」というパーパスのもと、
M&Aを通じ、あらゆる企業の存続と成長を支え、希望にあふれた社会の実現を目指してまいります。
設立 :2017年8月7日
代表者 :代表取締役 畑野幸治
事業内容 :M&A仲介事業
本社 :東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー25階
資本金等 :20億円(資本剰余金含む)
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