『日本企業の経営課題2022』 調査結果速報【第5弾】現在当面している経営課題は「収益性向上」が最多。「3年後」の課題は「人材の強化」が最多、昨年よりも重視度が高まる

日本能率協会

 一般社団法人日本能率協会(会長:中村正己、JMA)は、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的に、1979年から、企業経営者を対象に、「当面する企業経営課題に関する調査」を実施しています。今年は2022年7~8月に実施し、689社からの回答を得ました。

 今回は最終となる第5弾として、企業各社が考える自社の「現在」や「3年後」「5年後」の経営課題、昨年・一昨年からの課題の変化について、ご報告します。また、これまでの第1弾からの調査結果をまとめた報告書につきましては下記のWEBサイトで掲載しております。https://www.jma.or.jp/img/pdf-report/keieikadai_2022_report.pdf
1.企業が「現在」当面している経営課題は「収益性向上」が最多
「3年後」は「人材の強化」、「5年後」は「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」が最も高い

2.「現在の課題」は「収益性向上」「人材の強化」「売り上げ・シェア拡大」が3年連続でトップ3

3.「3年後の課題」は「人材の強化」が3年連続で最多、昨年比で課題感に高まり

4.「5年後の課題」は3年連続で「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」が 第1位


■ 「2022年度(第43回)当面する企業経営課題に関する調査」概要
調査時期 2022年7月22日~8月19日
調査対象 JMAの法人会員ならびに評議員会社、およびサンプル抽出した全国主要企業の経営者
(計5,000社)
調査方法 郵送調査法(質問票を郵送配布し、郵送およびインターネットにより回答)
回答数・回収率 回答数689社・回答率13.8% (回答企業の概要は6ページに記載)

 

【本件に関するお問合せ先】
一般社団法人日本能率協会 経営企画センター 広報・マーケティング室 綿貫 里美
〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22 TEL:03-3434-8620または090-6510-9161
E-mail:jmapr@jma.or.jp
 
  • 1.企業が「現在」当面している経営課題は「収益性向上」が最多 「3年後」は「人材の強化」、「5年後」は「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」が最も高い
○ 自社が当面する経営課題を、「現在」「3年後」は上位3つまで、「5年後」は1つだけ、下図の20の項目から選択していただいたところ、「現在」は「収益性向上」、「3年後」は「人材の強化」、「5年後」は「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」が最も重視度の高い経営課題となりました【図1】。

○ 中でも、「人材の強化」は「3年後」では2位に10ポイント以上の差をつけて1位、「現在」でも1位から2ポイント差の2位と、多くの企業において比較的直近の課題と捉えられていることが見てとれます。
【図1】  「現在」「3年後」「5年後」の経営課題

※「現在」「3年後」は上位3つまで、「5年後」は1つだけ回答
  • 2.「現在の課題」は「収益性向上」「人材の強化」「売り上げ・シェア拡大」が3年連続でトップ3
○ 「現在」における経営課題のトップ3は、第1位「収益性向上」(43.4%)、第2位「人材の強化」(41.1%)、第3位「売り上げ・シェア拡大」(35.1%)となりました【図2】。

○ 過去3年間の推移を見ると、トップ3の項目は昨年、一昨年と変化はありません。ただし、第1位の「収益性向上」(+2.6ポイント)、第2位の「人材の強化」(+3.4ポイント)は昨年よりも比率が上昇しました。

○ 他に、「株主価値向上」が昨年と比べ4.2ポイント増加し、3年連続で増加してきています。これは、企業の社会的責任が問われるようになり、株主をはじめとしたすべてのステークホルダーに対して高い意識が求められている中で、経営層の中にも意識が浸透してきていることの表れであると考えられます。
【図2】 「現在」の課題(上位項目)の過去3年間の推移

  • 3.「3年後の課題」は「人材の強化」が3年連続で最多、昨年比で課題感に高まり
○ 「3年後」の課題については、第1位が「人材の強化」(41.7%)、第2位が「収益性向上」(29.0%)、第3位が「新製品・新サービス・新事業の開発」「売り上げ・シェア拡大」(ともに25.8%)となりました。【図3】

○ 過去3年間の推移を見ると、第1位の「人材の強化」は昨年と比較して比率が4.8ポイント増加しており、比較的直近において重視度が高い課題と捉えられていることがわかります。他に、「売り上げ・シェア拡大」(+3.9ポイント)、「働きがい・従業員満足度・エンゲージメントの向上」(+4.8ポイント)、「株主価値向上」(+4.9ポイント)も昨年より比率が増加しています。

○ 反対に、「デジタル技術の活用・戦略的投資」は、昨年比▲6.1ポイントと大きく減少しました。コロナ禍による需要の高まりが落ち着いたことが考えられるほか、取り組みがある程度進行しており、「3年後」の課題ではなくなってきていることが考えられます。

【図3】 「3年後」の課題(上位項目)の過去3年間の推移

※上位3つまで回答
 
  • 4.「5年後の課題」は3年連続で「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」が第1位
○ 「5年後」の課題は、第1位「事業基盤の強化・再編、事業ポートフォリオの再構築」(14.2%)、第2位「人材の強化」(10.7%)、第3位「売り上げ・シェア拡大」(10.2%)となりました。【図4】

○ 昨年からの変化としては、「CSR、CSV、事業を通じた社会課題の解決」が3.7ポイント減少し、「売り上げ・シェア拡大」(+3.6ポイント)「株主価値向上」(+4.6ポイント)が増加しています。

○ 「CSR、CSV、事業を通じた社会課題の解決」は昨年比でみると落ち着きはみられるものの、引き続き第4位と上位であり、企業が重視している項目であることに変わりはありません。
【図4】 「5年後」の課題(上位項目)の過去3年間の推移

※1つだけ回答
 
  • 【調査結果を受けてのコメント】
○ 今回は、日本能率協会が毎年実施している「経営課題調査」の2022年度の調査結果速報の第5弾として、経年調査を行っている経営全般の課題について、ご紹介しています。

○ 経年変化としては、「株主価値向上」が、「現在」「3年後」「5年後」の課題について、いずれも上昇しています。これは、企業の社会的責任が問われるようになり、株主をはじめとしたすべてのステークホルダーに対して高い意識が求められている中で、経営層の中にも意識が浸透してきていることの表れであると考えられます。

○ なお、「人材の強化」が、「現在」の課題の2位、「3年後」の課題は1位、「5年後」の課題は2位となっており、高い課題として認識されています。すでに調査結果速報の第1弾「DXへの取り組み状況」の推進課題としては、「DX推進に関わる人材が不足」が8割であり、第3弾「カーボンニュートラルへの取り組み状況」の課題としても「担当する人材が不足していること」など、顕著な傾向が見られます。第4弾「BCPの取り組み状況」も6割の企業が「担当する人材の不足」を挙げています。
 
  • 回答企業の概要
■ 本社所在地

■ 業種

■従業員数

■売上高

■詳細プレスリリースはこちらからダウンロード可能です。
https://prtimes.jp/a/?f=d16501-20221209-193a31575563295593f1b0db7dc2bad4.pdf
 

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業種
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本社所在地
東京都港区芝公園3-1-22
電話番号
03-3434-8620
代表者名
中村正己
上場
未上場
資本金
-
設立
1942年03月