Eco-Pork、累計53億円を調達
養豚DX×カーボンクレジットで世界の畜産変革へ
養豚における生産性と環境配慮の両立を支援するスタートアップ、株式会社Eco-Pork(本社:東京都、代表取締役:神林 隆、以下「当社」)は、エクイティ及びデットによる追加資金調達を完了し、累計調達額が53億円(補助金、融資を含む)を突破したことをお知らせします。今回の調達を通じて、日本発の養豚DXとカーボンクレジットを軸に、アメリカやウクライナをはじめ世界各国へ事業を拡大します。持続可能な畜産の実現を通じて、深刻化するタンパク質危機と食料問題の解決に挑みます。

今回の資金調達では、すでに公表している慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)に加え、株式会社カクイチ、ひがしん-SNETI投資事業有限責任組合、そして株式会社マネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏(個人)等を引受先としました。さらに、2025年5月には FUNDINNO PLUS+を通じて、特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)を活用し、複数の特定投資家を対象とした第三者割当増資を実施しました。
Siiibo証券を通じた社債発行および各種金融機関等からの借入を合わせ、今回のラウンドにおける資金調達総額は14億円となりました。
これにより、本ラウンドを含む過去の資金調達および各種補助金採択実績を合算した累計調達額は53億円となります。
■ 資金調達の目的
本ラウンドの資金は、豚の頭数カウントや体重推計を行うAIカメラ「PigDataStation」の高度化、データを活用したDX豚舎の実装、カーボンクレジット事業の拡張などに活用します。これらの取り組みを通じて、国内外の養豚現場で生産性向上と環境負荷低減を両立するモデルを確立し、グローバルな畜産サプライチェーンの変革を目指します。持続可能な畜産を実現することで、世界的なタンパク質不足への対応や、温室効果ガスの削減、途上国における農業の高度化支援など、地球規模の課題解決に貢献していきます。
■ Eco-Porkの取り組みの背景
世界のタンパク質需要は年平均成長率(CAGR)2.5%で伸び続けていますが、供給は約2.0%にとどまっており、早ければ2027年にも需給ギャップが深刻化する「タンパク質危機」が懸念されています(*1)。
また、一次産業は世界の温室効果ガス(GHG)排出の約22%を占める一方で、GHG削減のために投下される資金に占める割合はわずか4.3%とされており、気候変動対策としての一次産業支援は大きく出遅れています。(*2)
当社はこの構造的課題を解決すべく、養豚業のDXと、カーボンクレジットを活用した気候インパクト創出の両面からアプローチしています。
すでに、国内向けのクラウド型養豚経営支援システム「Porker」は国内シェア約15%に達し、導入農家では初年度平均7%の生産性向上を実現。2024年には、J-クレジット制度において日本で唯一、養豚を対象としたカーボンクレジットのプログラム型プロジェクトの運用を開始しました。
*1 Eco-Pork「インパクトレポート」より
https://www.eco-pork.com/report/7080/
*2 農林水産省「ミドリ・インフィニティサマリー」より
https://www.maff.go.jp/e/policies/env/env_policy/attach/pdf/250829-3.pdf
■ 代表コメント(Eco-Pork代表取締役 神林 隆)
53億円という規模は、私たちが社会から託された期待と責任の大きさであると感じています。
Eco-Porkは、テクノロジーとデータの力で養豚を再構築し、生産性向上と環境負荷低減の両立に挑んできました。
今年、当社はアメリカにおいて世界最大規模の養豚展示会「World Pork Expo」に日本企業として初出展し、またウクライナの養豚産業復興支援への取り組みも開始しました。さらに、ブラジルで開催されたCOP30や日ASEANシンポジウムへの登壇、JETRO「J-StarX」プログラムによるヨーロッパ養豚における技術連携の検討など、グローバル展開を本格化しております。
今回の調達を通じて、この挑戦をより拡大し、人と食と環境が調和する畜産の未来を形にしていきます。
株式会社Eco-Pork https://eco-pork.com/
”次世代に食肉文化をつなぐ”を企業理念に掲げ、世界40兆円市場である養豚の、データによる持続可能化を目指しています。養豚の全てをデータで可視化する養豚経営支援システム 「Porker」および、関連するIoT機器を開発・販売しています。
経済産業省「グローバル・スタートアップ・エコシステム強化事業(2021年度)」、「J-Startup Impact(2023年度)」、農林水産省「令和2年度・令和3年度/令和4年度・令和5年度 スマート農業実証プロジェクト」、「中小企業イノベーション創出推進事業(フェーズ3基金)第1回公募」、
「NEDOディープテック支援基金/ディープテック支援事業」などにも選定・採択されています。
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