シーフードレガシー、中国・青島市海洋生態研究会とMOUを締結
東アジアにおける責任ある水産物サプライチェーンの構築に向けたプラットフォームを共創

サステナブルシーフードを推進する株式会社シーフードレガシー(代表取締役社長:花岡和佳男、所在地:東京都港区、以下SFL) と海洋生態系保全と漁業と養殖の持続可能な発展を推進する中国のNGO、青島市海洋生態研究会(Qingdao Marine Conservation Society、以下QMCS)は東アジアにおける責任ある水産物サプライチェーンの構築のためのプラットフォーム創設に向け、2025年10月17日、覚書(MOU)を締結しました。
■背景
世界の水産物の約半分は東アジア地域で生産・流通・消費されています。同地域は、漁業・養殖業を支える海洋および沿岸生態系、地域社会、そして食料安全保障の観点からも、世界の持続可能な水産物供給の未来を左右する重要な拠点です。
一方で、乱獲やIUU(違法・無報告・無規制)漁業、海洋環境劣化、生物多様性の損失、気候変動、社会的不衡平といった共通課題が山積しており、国境を越えた協働が求められています。
このような状況を踏まえ、SFLとQMCSは、環境の持続可能性と社会的公正を重視し、水産物市場を基盤とした多様なステークホルダーによる協働を通じて課題解決を図ることを目的に連携を開始します。
■協働の目的と内容
シーフードレガシーとQMCSは本MOUを通じて、以下を目的として、東アジア地域に新たなプラットフォームを構築します。
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東アジアのサプライチェーン全体におけるトレーサビリティ、透明性、説明責任の強化
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環境的に持続可能で、社会的に責任ある漁業・養殖業の推進
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生産者・労働者の公正で持続可能な生計の確立
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東アジア発の責任ある水産物市場の発展を通じた持続可能な開発目標(SDGs)達成およびその後の目標への貢献
また、両組織は次の3つの柱に基づいて連携します。
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共同設計(Co-Design):国際的リーダー組織や地域の主要団体と協議しながら、東アジアプラットフォームの構想・運営体制・ロードマップを策定
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共同開発(Co-Development):東アジアの水産物バリューチェーンにおける乱獲・IUU漁業、無責任な養殖、社会的格差などへの実践的ソリューションの構築
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共同運営(Co-Organization):対話やワークショップなどを通じた水産物の持続可能な生産と消費、トレーサビリティー、東アジアにおけるサプライチェーンのエンゲージメント強化
■両者の役割
シーフードレガシー(SFL):日本および地域の水産サステナビリティ分野での知見・ネットワーク・リーダーシップを提供(特に市場変革・金融連携・政策提言)
青島海洋保護協会(QMCS):中国および東アジア地域の生産者・地域社会・市民社会との連携を強化し、現場から変革を促進
両者は相互に知見と資源を共有し、プラットフォームの目的達成に向けて協働していきます。
■代表コメント
青島海洋保護協会 創設者/代表 ソンリン・ワン氏
青島海洋保護協会は、この重要な地域連携をシーフードレガシーと共に立ち上げることを大変光栄に思います。サステナブルシーフード・サミット(TSSS)に象徴されるシーフードレガシーのリーダーシップには、これまでも深く感銘を受けてきました。アジア全体で責任ある水産物を推進するというビジョンは、私たちの理念とも深く一致しています。両者が力を合わせることで、人々と海洋生態系の双方に利益をもたらす、持続可能で公正かつ透明性の高い水産物のサプライチェーンへの、前向きで永続的な変化をより確実に実現できると確信しています。
株式会社シーフードレガシー 創設者/代表取締役社長 花岡和佳男
サステナビリティは、個々の努力では実現できません。国境を越えた勇気と信頼、そして協働が必要です。青島海洋保護協会との今回の連携は、東アジアにおける水産物の生産・流通・消費のあり方を新たに描き直すための大きな一歩です。私たちが目指す未来は明確です。海が豊かで、サプライチェーンに関わるすべての人が、その保全に誇りを持てる世界をつくることです。
■今後の展開
今後、SFLとQMCSは、国内外の関係機関、企業、市民社会組織と連携しながら、2026年以降の本格始動に向けてプラットフォームの設計を進めていく予定です。
<組織紹介>

青島市海洋生態研究会(Qingdao Marine Conservation Society)
2017年に設立された青島海洋保護協会(QMCS)は、中国の非営利団体であり、海洋生態系の保全と水産業・養殖業の持続可能な発展の推進に取り組んでいます。主な活動分野は4つあり、中国の漁業および養殖業における持続可能性の推進、重要な沿岸および海洋生息地の特定と保護、沿岸地域の伝統的な生態知識と文化遺産の継承、そして国産および輸入された「ブルーフード(水産物)」の責任ある消費の促進です。

株式会社シーフードレガシー
東京を拠点とするソーシャルベンチャーで、日本の水産業界および政府に対して持続可能な水産業に関するコンサルティングおよびプラットフォームサービスを提供しています。水産物(シーフード)は、海洋における生態系、経済、地域社会のつながりを象徴するものであり、次世代にも豊かな状態で継承する(レガシー)ことをパーパスとしています。また、日本および世界のさまざまなステークホルダーが直面する共通の課題を解決するため、水産業界やNGOを戦略的にネットワーキングし、非競争連携プラットフォームを促進しています。
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