鹿児島・三島竹島から、カンボジア難民キャンプへ——大名筍、豚味噌、ハマギ餃子と「手紙」が届いた日
離島の“食”と“思い”が、避難生活の現場で「命」と「心」を支える。なかよし学園が全国の学校をハブに実現する“本当のグローバル教育”
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一/千葉県松戸市)は、鹿児島県三島村・三島竹島学園(小中一貫校)で生まれた島の食材(大名筍、豚味噌、ハマギ餃子)および児童生徒・地域のメッセージカードを、カンボジアの避難民支援の現場へ届け、難民キャンプでの炊き出し・生活支援の中で活用しました。三島竹島の“日常の学び”が、遠い国の“緊急の現実”に役立つ形で実装された取り組みです。

背景:国境衝突と避難の長期化——「食」と「学び」が同時に失われる現場
2025年末以降、カンボジア国境地帯では武力衝突が報じられ、多数の住民が避難を余儀なくされました。報道では、死者・避難者の増加や停戦合意後も緊張が続く状況が伝えられています。
また国際NGOも、複数州にまたがる避難の発生と、子どもを含む多数の避難民への人道支援の必要性を報告しています。
避難生活では、水・食料・衛生が最優先になり、子どもの遊びや学習環境は後回しになりがちです。世界全体でも、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、2024年末時点で推計1億2,320万人が強制的に故郷を追われていると報告しており、危機は「どこかの国の出来事」ではなく、現代の人類共通の課題になっています。


三島竹島から届いたもの:食材という“現実的支援”と、手紙という“心の支援”
三島竹島学園では、講演をきっかけに「今、自分にできること」を起点に、島の資源・文化・探究学習を“未来の架け橋教材”として形にしてきました。竹島の名産である大名筍、島の食文化から生まれた豚味噌、そしてハマギ餃子は、これまでシリアやルワンダにも届けられ、食育・交流・支援の場で活用されてきた実績があります。


今回、これらが避難民支援の現場に届いた意味は、二重です。
食材=「今日を生きる」支援
炊き出しは、栄養補給であると同時に、共同体が崩れた避難生活の中で「同じ釜の飯」を取り戻す時間でもあります。食材の提供は、避難の現実を“生活”から支える、最も具体的な支援の一つです。




メッセージカード=「忘れられていない」支援
難民キャンプの苦境は、物資不足だけではありません。先が見えない不安、喪失、孤立が心を削ります。その中で「遠くの子どもたちが自分たちを思って書いた言葉」は、支援の受け手を“支援対象”ではなく、同じ社会を生きる“隣人”として位置付け直します。これは、物資では代替できない支援です。


この「食」と「言葉」を同時に届ける設計が、現場での支援効果を立ち上げました。
竹島は“もともと世界とつながっていた”——しかし、今回は「困った時に助け合える関係」へ
三島村は、ジャンベを通じたギニアとの交流に長年取り組み、学校教育の枠を超えた国際交流を育んできました(ジャンベスクールや交流事業など)。

このように「世界とつながりがある学校」は、実は全国に少なくありません。
ただし、現代の国際社会で本当に問われるのは、“つながっている”こと自体ではなく、危機の時に支え合える関係へ発展しているかです。
今回の取り組みは、国際交流を「難民支援・貧困課題解決」という公共性の高いテーマへ接続したことで、単なる文化交流を超えて、マルチラテラリズム(多国間主義)=困った時に助け合える関係構築へ踏み込みました。
停戦交渉や人道支援は、政府・国際機関・NGO・地域社会など複数の主体が同時に動くことで成立します。実際、カンボジア国境情勢でも多国間の関与が報じられています。
だからこそ教育も、「国際理解」で止まるのではなく、複数主体で課題を解く力(協働・設計・実装・検証)へ進化させる必要があります。これが、私たちが言う「本当のグローバル教育」です。

竹島単独では難しい国際支援を、なかよし学園が“全国連携”で実現する理由
離島は物流も人材も限られます。だからこそ、竹島単独で国際支援を継続・拡張するのは容易ではありません。
しかし、なかよし学園は全国50校超の学校と連携し、教材を「つくる→届ける→現地で使う→反響を日本へ還す」という循環(CoRe Loop)を運用しています。
このネットワークがあるからこそ、竹島の一校の“思い”は、海外の現場まで届き、さらに現地の声が竹島へ戻ることで、学びが継続します。

各地の学校でも実装が進む——「日本の教室が、世界の現場で役立つ」具体例
なかよし学園の支援は、寄付や物資提供に留まらず、学校教育の中で生まれた教材が現地で「授業」や「生活支援」として実装される点に特徴があります。
千葉県佐倉市:王子台小の「あやとり」が避難民収容寺院でアクティビティ教材に、臼井中の「アクリルたわし」が炊き出し後の大量食器洗いを支援。
三島竹島学園:竹けん玉・島の食材(大名筍、ハマギ餃子等)が国外の教育・食支援の現場で活用され、手紙・動画として“里帰り”する往還が生まれている。
このように、各地の学校の探究が「世界の困難に届く」設計になったとき、子どもたちは初めて、国際課題を“自分事”として扱う当事者になります。
なぜ、これが「これからの人材育成」に不可欠なのかグローバル人材に必要なのは、英語力や異文化理解だけではありません。危機の現場で問われるのは、次の能力です。
現実を構造で捉える力(なぜ避難が起き、何が不足し、何が回復を妨げるのか)
複数主体で動く力(学校・地域・行政・NGO・海外パートナーが同時に機能する設計)
支援を“関係”に変える力(物資で終わらせず、手紙・対話・フィードバックで相互性をつくる)
三島竹島の食材と手紙が示したのは、まさにこの三点です。
「遠い国の誰かを助ける」のではなく、同じ時代を生きる隣人として支え合う。その経験が、未来の国際社会を担う人材の土台になります。



代表メッセージ(理事長 中村雄一)
世界は、つながっているだけでは守れません。
困った時に、本当に手を差し伸べ合える関係があるかどうか——それが、いま問われています。
竹島の子どもたちが送ったのは、食材と手紙です。
食材は命を支える。手紙は心を支える。
この二つが同時に届いたとき、支援は「物」から「関係」に変わります。
そしてその関係が、多国間主義の最小単位です。
離島の一校だけでは、ここまで届かない。
だから私たちは全国の学校をハブで結び、教室の学びを世界の現場へ実装し、反響を日本へ還す循環をつくっています。
三島竹島の挑戦は、日本中の学校が“本当のグローバル教育”に踏み出せることを証明しました。次は、あなたの地域の教室です。

団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
所在地:〒270-0021 千葉県松戸市小金原4-14-14
代表者:中村 雄一
事業内容:教育支援・平和/防災教育、探究学習の設計運用、海外(アフリカ・中東・アジア)での教育協働
本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局・広報)
担当:中村 里英
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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