【新型コロナウイルス禍における寄付意識の変化に関する実態調査】新型コロナウイルス対策における“海外への寄付支援意向”はわずか6%
~国内への支援意向(48%)と大きく乖離、3割が「自分の生活苦」を理由に支援をためらう~
日本赤十字社 (東京都港区、社長:大塚 義治)は、12月1日(火)~12月25日(金)に実施する『海外たすけあい』キャンペーンの一環として、新型コロナウイルス禍における社会貢献意識の変化を明らかにすべく、国内・海外への寄付経験がある、または寄付による支援に関心のあると回答した全国20歳以上の男女500人を対象に、新型コロナウイルス禍における社会貢献意識の変化や、国内外への寄付に対する関心を調べました。
<調査結果ハイライト>
<調査結果概要>
【海外への支援について】
(支援の対象者)をお答えください。【図2】
(支援の対象者)をお答えください。【図3】
<調査概要>
調査名: 新型コロナウイルス禍における寄付意識の変化に関する実態調査
調査対象: 国内外への寄付による支援の経験または寄付による支援に関心のある20歳以上の男女500名
調査期間: 令和2年10月30日(金)~11月1日(日)
調査方法: インターネット調査
※本リリースの調査結果をご利用頂く際は、【日本赤十字社 調べ】とご明記ください。
大山啓都
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が日本でも猛威を振るうなか、私たちの関心が、身近に迫るコロナにいってしまうのは自然なこと。一方で、「No one is safe until everyone is safe」(みんなが安全になるまで、誰も安全ではない!)ということも事実です。つまり、自分だけそして日本だけが無事であっても、問題は解決しません。
世界でも日本でも、より弱い立場の人びとを支援することが、まわりまわって、世界中の人びとの健康につながるのです。
例えば、紛争地、あるいは難民・避難民の方々は、ただでさえ医療施設や電気、水といった基本的なインフラが十分に機能しない状況で生活しています。彼らはコロナ禍でも最も脆弱な立場にあります。また、自然災害は我々がコロナ禍を切り抜けるのを待ってくれません。感染症対策と災害対応は、同時に取り組まなければならない難題です。そして、命を奪う感染症は一つだけではありません。コロナ禍によって、世界の約8000万人の子供がはしかやジフテリアなどの予防接種を受けられず、助かるべき命が助からない、という深刻な問題につながります。
コロナ禍の今だからこそ、たすけあいが必要です。私たち一人一人が「救うことを託されている」のです。東日本大震災のときには、1000億円もの支援がさまざまな国からも寄せられたことを忘れてはなりません。192の国と地域に広がる赤十字だからこそ、そこには現地の赤十字があり、支援が必要な人に確実に手を差し伸べることができます。コロナ禍の今だからこそ、日本赤十字社に皆様の善意を託していただければと思います。
① 現地で支援にあたっている職員の声(レバノン)
日本赤十字社中東地域首席代表
五十嵐真希
“感染症からシリア難民を守る 地道で、大切な、衛生支援”
2011年のシリア紛争をきっかけに、レバノンには現在も91万人のシリア難民が暮らしています。私が現地で訪れる難民キャンプの住居はトタン屋根とプラスチックシートで囲われただけの簡素なもので、夏はひどい暑さ、冬は極寒の中で暮らし、生活に必要な水くみ場には水道設備はなく、簡易トイレの衛生環境も良いとは言えません。 新型コロナウイルス感染症は、シリア難民にとっても生命を脅かす問題ですが、その上さらに感染拡大の影響で難民が手に入れたわずかな仕事さえも奪われてしまい、過酷な状況が続いています。日赤は感染症からシリア難民の命を守るために、現地のレバノン赤十字社と協力して、水タンクやトイレの整備、衛生キットの配布、手洗い指導などを継続しています。
② 現地で支援にあたっている職員の声(ルワンダ)
日本赤十字社ルワンダ代表部首席代表
吉田拓
日赤は「海外たすけあい」の寄付により2019年12月よりルワンダ南部の災害や貧困に苦しむ5つの村を対象に支援事業を始めました。しかし、今年3月にルワンダで新型コロナウイルスの感染者が出てロックダウンとなり、支援事業も一時停止。緊急帰国した私は日本からオンラインでルワンダ赤十字社と協議を重ね、予定していた貧困地域の経済活性化や水衛生の支援に加えて、三密を避けて住民に正しい情報を届ける「モバイルラジオ」の実施を決定しました。支援事業の対象地域のラジオ普及率は24%。ラジオを持たない人びとにも新型コロナウイルスの正しい知識や感染予防策を啓発するため、番組を録音し、大きなスピーカーで放送しながら村々を走行しています。ミュージシャンと制作した音楽を使うなど工夫をこらして地域の人に喜ばれています。手を洗う習慣がなかった人びとに、正しい予防知識を身につけてほしい。日赤はルワンダでの地道な活動を続けています。
- 新型コロナウイルス感染症対策のため寄付や募金をするとしたら、「海外の新型コロナウイルス感染症対策に寄付や募金をする」と回答したのは僅か6.4%にとどまる。【図1】
- 「日本国内の新型コロナウイルス感染症対策に寄付や募金をする」と回答したのは47.8%と、新型コロナウイルス感染症対策における海外への寄付による支援意向は国内と比較するとはるかに低く、海外より国内の支援が優先されることが判明。
- 海外への寄付意向が低い背景として、28.1%が「日本国内の新型コロナウイルス感染症対策を支援したい」と回答。また「金銭的に余裕がない(16.4%)」「自分の事で精一杯(12.3%)」と、新型コロナ禍における生活苦を理由に挙げる人が3割にのぼりました。
本調査では、新型コロナウイルス禍において寄付への意識が薄れ、特に感染症対策への寄付は、国内の支援が優先されることが明らかになりました。しかし、新型コロナウイルス感染症は世界的大流行を引き起こしており、世界保健機関や各国政府が真剣に対策に取り組んでいます。日本赤十字社では、苦しんでいる人の力になりたいという思いを持つ日本の皆さまと世界各国で支援を必要としている人々を繋ぐ『海外たすけあい』キャンペーンをはじめ、今後も途上国等で被災者の命と健康を守る活動を展開して参ります。
<調査結果概要>
【海外への支援について】
- 海外において、寄付や募金(義援金を含む)による支援が必要だと思うテーマについて、56.4%が「自然災害と復興」、52.0%が「飢餓・食糧対策」、45.2%が「貧困対策」と回答。
- 新型コロナウイルス感染症対策のための寄付や募金は「必要でない」とした理由について、38.0%が「寄付や募金がどのように使われるかわからないから」、28.1%が「日本国内の新型コロナウイルス感染症対策を支援したいから」、16.4%が「金銭的に余裕がないから」、12.3%が「自分の事で精一杯で他人の支援を考える余裕がないから」と回答。約3割が、「自分の生活苦」を理由としていることが明らかになりました。
- 新型コロナウイルス感染症対策のうち、寄付や募金による支援が必要だと思う方(支援の対象者)は、68.1%が「医療従事者」、60.5%が「貧困世帯」、41.9%が「失業者・倒産者」と回答。【図2】
(支援の対象者)をお答えください。【図2】
【国内への支援について】
- 国内において、寄付や募金(義援金を含む)による支援が必要だと思うテーマについて、77.2%が「自然災害と復興」、48.2%が「子ども支援」、32.8%が「貧困対策」と回答しました。
- 新型コロナウイルス感染症対策のための寄付や募金は「必要でない」と答えた理由について、48.8%が「寄付や募金がどのように使われるかわからないから」、17.6%が「金銭的に余裕がないから」、16.8%が「国内の新型コロナウイルス感染症対策以外の支援をしたいから」、15.2%が「自分の事で精一杯で他人の支援を考える余裕がないから」と回答。こちらも約3割が、「自分の生活苦」を理由としていることがわかりました。
- 新型コロナウイルス感染症対策のうち、寄付や募金による支援が必要だと思う方(支援の対象者)について、75.2%が「医療従事者」、54.4%が「失業者・倒産者」、49.6%が「貧困世帯」と回答。【図3】
(支援の対象者)をお答えください。【図3】
<調査概要>
調査名: 新型コロナウイルス禍における寄付意識の変化に関する実態調査
調査対象: 国内外への寄付による支援の経験または寄付による支援に関心のある20歳以上の男女500名
調査期間: 令和2年10月30日(金)~11月1日(日)
調査方法: インターネット調査
※本リリースの調査結果をご利用頂く際は、【日本赤十字社 調べ】とご明記ください。
- 日本赤十字社からのメッセージ
大山啓都
“コロナ禍の今だからこそ、『海外たすけあい』にご協力ください”
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)が日本でも猛威を振るうなか、私たちの関心が、身近に迫るコロナにいってしまうのは自然なこと。一方で、「No one is safe until everyone is safe」(みんなが安全になるまで、誰も安全ではない!)ということも事実です。つまり、自分だけそして日本だけが無事であっても、問題は解決しません。
世界でも日本でも、より弱い立場の人びとを支援することが、まわりまわって、世界中の人びとの健康につながるのです。
例えば、紛争地、あるいは難民・避難民の方々は、ただでさえ医療施設や電気、水といった基本的なインフラが十分に機能しない状況で生活しています。彼らはコロナ禍でも最も脆弱な立場にあります。また、自然災害は我々がコロナ禍を切り抜けるのを待ってくれません。感染症対策と災害対応は、同時に取り組まなければならない難題です。そして、命を奪う感染症は一つだけではありません。コロナ禍によって、世界の約8000万人の子供がはしかやジフテリアなどの予防接種を受けられず、助かるべき命が助からない、という深刻な問題につながります。
コロナ禍の今だからこそ、たすけあいが必要です。私たち一人一人が「救うことを託されている」のです。東日本大震災のときには、1000億円もの支援がさまざまな国からも寄せられたことを忘れてはなりません。192の国と地域に広がる赤十字だからこそ、そこには現地の赤十字があり、支援が必要な人に確実に手を差し伸べることができます。コロナ禍の今だからこそ、日本赤十字社に皆様の善意を託していただければと思います。
① 現地で支援にあたっている職員の声(レバノン)
日本赤十字社中東地域首席代表
五十嵐真希
“感染症からシリア難民を守る 地道で、大切な、衛生支援”
2011年のシリア紛争をきっかけに、レバノンには現在も91万人のシリア難民が暮らしています。私が現地で訪れる難民キャンプの住居はトタン屋根とプラスチックシートで囲われただけの簡素なもので、夏はひどい暑さ、冬は極寒の中で暮らし、生活に必要な水くみ場には水道設備はなく、簡易トイレの衛生環境も良いとは言えません。 新型コロナウイルス感染症は、シリア難民にとっても生命を脅かす問題ですが、その上さらに感染拡大の影響で難民が手に入れたわずかな仕事さえも奪われてしまい、過酷な状況が続いています。日赤は感染症からシリア難民の命を守るために、現地のレバノン赤十字社と協力して、水タンクやトイレの整備、衛生キットの配布、手洗い指導などを継続しています。
② 現地で支援にあたっている職員の声(ルワンダ)
日本赤十字社ルワンダ代表部首席代表
吉田拓
“ラジオカーで貧困地域を巡回 正しい予防策を安全に普及“
日赤は「海外たすけあい」の寄付により2019年12月よりルワンダ南部の災害や貧困に苦しむ5つの村を対象に支援事業を始めました。しかし、今年3月にルワンダで新型コロナウイルスの感染者が出てロックダウンとなり、支援事業も一時停止。緊急帰国した私は日本からオンラインでルワンダ赤十字社と協議を重ね、予定していた貧困地域の経済活性化や水衛生の支援に加えて、三密を避けて住民に正しい情報を届ける「モバイルラジオ」の実施を決定しました。支援事業の対象地域のラジオ普及率は24%。ラジオを持たない人びとにも新型コロナウイルスの正しい知識や感染予防策を啓発するため、番組を録音し、大きなスピーカーで放送しながら村々を走行しています。ミュージシャンと制作した音楽を使うなど工夫をこらして地域の人に喜ばれています。手を洗う習慣がなかった人びとに、正しい予防知識を身につけてほしい。日赤はルワンダでの地道な活動を続けています。
- キャンペーン実施概要
- 海外たすけあい特設サイト
- MOVIE 【Little Heroes世界を救う小さな手】 2分8秒
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