菱洋エレクトロ、工場や工事現場での音声認識を可能にする「高雑音耐力音声認識システム」の開発に成功
雑音や騒音が多い環境下における作業効率を改善
エレクトロニクス商社の菱洋エレクトロ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長執行役員:中村 守孝、以下「菱洋エレクトロ」)は、機械が稼働する工場や工事現場などの高雑音(大きな雑音や騒音)が発生する環境下で、95%と高い認識率を実現する「高雑音耐力音声認識システム」を開発いたしました。2022年10月6日より開催される、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(本社:京都府相楽郡、代表取締役社長:浅見 徹、以下「ATR」)の事業紹介イベント「ATRオープンハウス2022」にて、その成果を展示いたします。
近年、建設工事やインフラ整備などの作業現場では、作業員の業務報告や機器制御において利便性向上を目的とした音声認識の活用ケースが増えています。しかし、多くの機械が稼働し90dB程度の雑音や騒音が発生する作業現場の場合は通常の会話すら困難となり、一般的な家庭環境(環境ノイズ音圧50dB前後)での使用を想定した従来の音声認識システムでは対応できません。また、多くの音声認識システムはクラウドサービスを利用しており、ネットワーク環境が整っていない作業現場ではシステムを利用できない可能性があります。菱洋エレクトロは、これらの課題に対してハードウェアとソフトウェアの両面からアプローチを行い、高雑音下でもネットワークを介さずに使用できる音声認識システムを開発いたしました。高雑音により会話が困難な環境やネットワークが整っていない環境であってもクリアな音声を認識し、円滑なコミュニケーションや作業を実現します。
【菱洋エレクトロの音声認識システムの特長】
従来の音声認識装置は、一般的な家庭環境での使用を想定して作られているため、ノイズ音圧が発話音圧を上回る環境では認識率が著しく低下します。当社の音声認識システムでは、発話音圧70dB、環境ノイズ音圧90dB[1]という高雑音の環境下でも、音声認識率95%を達成しました。本システムの音声認識エンジンは、基本構成である音響モデル[2]、言語モデル[3]、ワード辞書[4]に加えて、ノイズモデルとそれを用いてノイズを除去する環境ノイズ統合認識機能を搭載しているのが特長[5]です。
*注釈
[1]全周波数帯にノイズがかかるホワイトノイズで検証しており、実環境とは異なる場合があります。
[2]単語を構成する音と音の繋がりをモデル化したもの。株式会社ATR-Promotions提供の音声コーパスをもとに菱洋エレクトロが開発。
[3]単語と単語の繋がりをモデル化したもの。
[4]音響モデルと言語モデルを用いて該当する単語を導くもの。
[5]この方式は2021年に特許を出願。 公開番号:特開2022-141113 発明の名称:音情報処理装置及び音情報処理方法
本システムは、ユーザーが装着するヘッドセットと音声のノイズを抑圧するデバイス、音声を認識するデバイスで構成されています。
菱洋エレクトロでは、今後も高雑音耐力音声認識システムの製品化に向けて開発を継続いたします。現場作業で多忙を極めるフィールドワーカーの業務効率向上を実現するために、引き続きお客様のお困りごとに耳を傾け、より一層役立つ製品の開発に注力してまいります。誰もが利用しやすい技術を通じて新しい価値を提供いたします。
また、当社は2022年10月6日、7日の2日間で開催されるATR主催の展示会において、本技術に関する成果を展示いたします。本展示会は産学官連携の研究・事業発表の場であり、世界最先端の研究成果が展示されます。
【ATRオープンハウス2022 出展概要】
日時:2022年10月6日(木)- 7日(金) 10時 - 17時 ※7日の展示は16時終了
会場: ATR (京都府相楽郡精華町光台2-2-2)
※本リリースに記載されている情報は発表日現在のものです。このため、時間の経過あるいは後発的なさまざまな事象によって内容に変更が生じる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)について URL:https://www.atr.jp/
ヘルスケア・医療、生活支援における先駆的・独創的研究を目指し、脳情報科学、深層インタラクション科学、無線通信技術、生命科学の分野において国内外の大学や企業などと緊密な連携をはかりながら幅広く研究を行っています。次の社会の一端を支える技術を研究と事業開発と一体となって推進し、設立以来の公益指向の企業理念であるイノベーションや地方創生への貢献を目指しています。
菱洋エレクトロ株式会社について
半導体/デバイス事業とICT/ソリューション事業を手掛けるエレクトロニクス商社として、両事業を展開する強みを活かしたIoT/AIなどをキーワードにしたビジネスに注力しています。最先端の半導体技術をお客様にご提案する一方、エッジからクラウドまでを幅広くサポートし、あらゆる産業分野におけるビジネス課題を解決するために、それぞれのお客様に合わせたサービスを提案しています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像