1位「一斉指示で動けない 48.7%」発達障害グレーゾーンの幼児の集団生活での困りごとアンケート解析発表ー約9割が園で困りごとがあると回答ー
年長児は就学相談が始まる頃でもあります。パステル総研では、実際、幼児のお子さんが集団生活でどのような困りごとを抱えているかを明らかにすることで、家庭でできる支援の方法を検討し、幼児期の集団生活で土台を作り、困りごとを失くして小学校入学へと準備をして欲しいと考えました。そのため今回、4月に行った発達障害グレーゾーンの子の集団生活における人とのかかわりに関するアンケートの幼児の解析を行いましたので発表致します。
今回データリサーチにご協力くださった方のお子さんに関するデータです。
- 学年
これから今回の新しく解析した幼稚園・保育園児47名の結果をご紹介します。
- お子さんの発達タイプを教えてください (幼児)
お子さんの発達タイプは自閉症スペクトラムタイプ(ASD)が27.6% 、混合タイプが17.0%、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプが12.7% 、定型発達タイプが6.3% 、不明・分からないが36.1%でした。
不明・分からないという回答が1番多いことから、発達に心配なところや気になるところがあっても発達支援センターなどの相談機関に行かれていない方が多いようです。
主な特性としてASDには社会性のつまずき、ADHDには行動面のつまずきが挙げられています。
- お子さんは幼稚園・保育園での集団生活で困りごとを抱えていますか?
約9割の方がお子さんが集団生活で困りごとがあると回答されました。 これは小学校低学年や高学年のお子さんを持つお母さんにも共通していることでした。
今回実施した発達障害・グレーゾーンの子どもの「集団生活での困りごとに関するアンケート」は小学生のお子さんを持つお母さんにも行っています。詳細はこちらへ <高学年 https://www.agentmail.jp/lp/r/1114/4759/ ><低学年 https://www.agentmail.jp/lp/r/1114/4759/ >
その結果、困りごとが「ある」と回答した人数は、高学年90% 、低学年92%でした。 つまり、年齢とともに子どもが成長すれば、集団生活での困りごとが少なくなるということではないということが分かります。
- 幼児期の困りごと
・第1位:「一斉指示に従えない」48.7%
・第2位:「みんなと一緒に活動できない」「自分の話を一方的にしてしまう」それぞれ30.8%
・第4位:「お友達が嫌がることを言ったり、やったりしてしまう」
「お友達が使っているものをことわらずに取ろうとする」それぞれ25.6%
という結果になりました。この結果から、困りごとの上位は行動面のつまづきであることがうかがえます。
また、幼児期ということもあり、これからの園生活で社会性を学んでいくという点からも、行動面での困りごとの方が気になるということもあります。
以上をまとめると、特にお母さんが心配していることが、やるべきことが理解できない、自分勝手な行動をしてしまう、 お友達関係の形成がうまくいかないといった、3点だということが分かりました。
- 小学校低学年の困りごと
さきほど幼児の困りごとについて解説しましたが、小学生になるとどんな困りごとが出てくるのでしょうか?こちらもアンケートをもとに解説していきます。
第1位:「感情的になると、気持ちが切り替えられない」34.15%
第2位:「一斉指示に従えない」28.05%
第3位:「自分の話を一方的にしてしまう」自分から友達の輪に加われない」それぞれ26.83%
第5位:「次の活動にスムーズに切り替えることができない」」24.39%
という結果になりました。
小学校に入るとこれまで以上に、先生の一斉指示を聞き取り行動すること 、周りと同じように活動を切り替えたり、一緒に行動したりすることが求められます。 この2点がうまくできないことで、第1位の自分の感情を自分でコントロールして、気持ちの切り替えができないという新たな課題がでていると考えられます。以上をまとめると、小学校低学年のお子さんを持つお母さんが特に心配していることは、自分の気持ちや思いを感じ適切に行動する力 、他の人の気持ちに配慮して行動する力、指示を聞いたりして周りに合わせて行動する力といった、3点だということが分かりました。
- 幼児と小学校低学年、共通する困りごとが多いと判明!
幼児期と小学校低学年の困りごとの上位を比較してみました。
「一斉指示に従えない」と「自分の話を一方的にしてしまう」は、幼児・小学校低学年に共通して困りごとの上位にランクインしました。つまり、この2つは幼児期から小学生低学年まで引きずってしまう課題だということが分かります。ですから、お子さんの成長を待って「小学生になれば落ち着くかも…」という考えは、お子さんの困りごとの解決を先延ばしにすることになってしまっています。発達障害のタイプや年齢にこだわらず、子どもの日頃からの様子から困りごとを把握し、子どもの発達を促す適切な対応をすることが必要です。
ここまでで、多くのお子さんが集団生活の困りごとを抱えていることが分かりました。しかも、幼児期の集団生活の困りごとが小学校生活にも持ち越されてしまう可能性もうかがえました。
- お家でお子さんの課題に対するトレーニングができるとしたらやってみたいですか?
お家でお子さんの課題に対するトレーニングができるとしたらやってみたいと答えた方はなんと、約9割もいらっしゃいました。「 できることがあるのなら試してみたい」という気持ちのあるお母さんが多いことがうかがえます。とはいえ、お母さんはお忙しい毎日を過ごされています。実際にどれぐらいの時間ならトレーニングに使えそうかもお聞きしました。
約4割の方が1日に10分以内なら可能、約3割の方が1日に15分以内なら可能と回答し、合わせると7割超となりました。双方の大きな差はないことから、5分から10分くらいの時間をトレーニングに取り入れられるとお母さんの気持も楽に取り組めるのではないかと思います。
お母さん自身に負担がかかってしまうと、効率も効果も上がらず、親子ともにしんどくなってしまいます。トレーニングを行うのであれば、無理のない時間で楽しくトレーニングすることを心掛けたいです。
■アンケート調査概要
・調査期間:2021年4月14日~4月18日(4日間)
・回答者:パステル総研読者/メルマガ読者、Nicotto!塾生、発達科学コミュニケーショントレーナー・リサーチャー計187名のうち幼児のお子さんを持つ47名
・調査方法:インターネット調査
・グラフ:小数点以下四捨五入
- 就学前にお母さんができること
アンケート結果で、子どもの集団生活に関して9割ものパステルキッズのお母さんたちが困りごとがあると感じていることがあることがわかりました。実際に小学校低学年においても同じような困りごとが上位を占めていることから、困りごとは小学校生活が始まる前に解決したいことでもあります。
そして、パステルキッズのお母さん達はお子さんの困りごとを解決するためのトレーニングをご自身でやってみたいと思っている方が多いということが分かりました。毎日の子育てに家事、さらには仕事をされているお母さんにとって時間を作ることは容易ではないはずです。それでもわが子のために自分にできることがあるのならば10分でも15分でもやってみたいと思うことは、お母さんがお子さんと向き合って前を見ているという心強さを感じます。
そこでこのたび、幼児期の集団生活における困りごとをお家でお母さんが短時間でトレーニングできる小冊子を21日にリリース予定ですのでご期待ください。
- お知らせをお受け取りになりたい方はこちらからメルマガにご登録ください。 https://desc-lab.com/maillesson/?prt0618
パステル総研では今後も、ママが困った時はいつでも、頼れるアイデアが湧き出てくる「4次元ポケット」になりたい!という想いで、日々のリサーチと情報発信を行っております。今後も、発達障害・グレーゾーンのお子さん、ご家族に役立つ情報をお届けします。
■会社概要
社名:株式会社パステルコミュニケーション
代表者:吉野加容子
所在地:〒170-6045 東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 45階
事業内容:子育て講座の運営/発達に関するリサーチ・開発/起業支援事業
記事にするしないに関わらず、情報収集の一環としてお気軽にお問い合わせくださいませ。リサーチ・ご要望・ご相談などもお気軽にお問い合わせください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像