全国400万人の歩数データから「よく歩く都市ランキング」を発表、川崎市と新潟市で2000歩以上の地域差が判明
ジオテクノロジーズと東京大学の共同研究、歩数データが地域の実情を把握するきっかけに
今回は第2回目となる共同研究として、全国400万人の大規模な歩数データを抽出し、一人当たりの平均歩行距離を政令指定都市ごとに集計しました。その分析結果を「よく歩く都市ランキング」として発表します。 当ランキングを通じて、地域の実情を的確に把握するきっかけとなることを期待しています。
今回の研究において、ジオテクノロジーズはユーザーから取得した歩数のデータを活用し、新たに、自治体ごとの住民の歩数を調査・分析できるようになりました。これまで歩数を大規模に収集することは難しいとされ、厚生労働省の調査でも、都道府県ごとの値は4年に1回しか公表されておらず、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で調査も複数年途絶えていました。
今後も、ジオテクノロジーズは「歩数データ」の可能性と活用方法を探り、人々の健康に関する取り組みや政策を活性化させ、研究の進歩や発展に貢献してまいります。
健康指標としての歩数
様々な病気の予防と健康の維持・増進には、からだを動かすことが重要であり、その代表的な指標に「歩数」があります。歩数は寿命や循環器疾患などとの関連が知られており、厚生労働省が展開している「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本 21(第2次))」では男性9,000歩、女性8,500歩を目標(20~64歳)にしています。
このように、歩数は健康政策において大切な指標になっていますが、市民の健康増進を担う自治体においては、ごく一部の地域を除いて定期的・定常的に歩数データを収集することができていません。厚生労働省では健康増進法に基づく国民健康・栄養調査において歩数データを収集していますが、大規模な調査は4年に1回の頻度で、都道府県別には数百人ほどの対象者から11月の1日分だけ集めているのが現状です。この頻度とデータ量では各自治体が地域住民の身体活動量の指標として定常的なモニタリングに活用することは難しく、自治体ごとの施策の正確な評価も困難と言えます。
また、他の健康づくり系アプリを活用した場合、元々健康志向の高い人々に偏ったデータとなってしまうことから、地域の実態を把握したり、政策の評価に利用したりする上での課題となっています。
ジオテクノロジーズと歩数データ
ジオテクノロジーズでは、ユーザーの健康促進を促すため、自社のアプリ「トリマ」を利用して歩数データの収集を行っています。現在「トリマ」では月間約400万人のアクティブユーザーを保有しており、これらのユーザーの歩数データを日々収集しています。ポイ活アプリであることから、健康づくりに特化したアプリよりも多様な利用者層が含まれる点も特徴です。
ジオテクノロジーズが収集した歩数データを大学や健康に携わる研究機関、自治体等に提供し、分析結果などを発信することで、公衆衛生上の重要な指標となり、人々の健康に関する施策の推進や研究の進歩・発展に貢献することができるのではないかと考え、現在、東京大学の大学院工学系研究科に所属する樋野 公宏准教授、および大学院医学系研究科に所属する鎌田 真光講師と連携し分析を開始しています。
今後も、人々の歩数に関するデータについて定期的に共同発信していく予定です。
分析 第二回目「全国政令指定都市歩数ランキング」
共同分析の第二弾として、全国の政令指定都市における歩数を分析しました。対象日は沖縄県を除き、全国的に晴れの日だった2022年11月9日と2023年5月16日を対象としています。
首都圏や近畿圏など三大都市圏に含まれる政令指定都市がより歩いているという結果になりました。特に神奈川県の横浜市と川崎市では平均歩数の差は30歩以内と熾烈なトップ争いを繰り広げています。さらに横浜市では8000歩以上の割合が両日とも1位となっており、多くの市民が日常的に多く歩くことが伺えます。
一方、最も平均歩数が低かった新潟市では、川崎市よりも平均で約2,000歩低く、比較的人口規模の大きい政令指定都市に限定しても、地域間格差が大きいことが示されました。
自動車移動への依存度が高い地域ほど歩数が低いことはこれまでにも知られており、今後、対象地域を広げて人口規模のより小さな自治体も含めることで、より大きな歩数の格差が見られることも推測されます。国の政策である健康日本21は令和6年度から第三次の活動が推進される予定ですが、今後、各地の実情に合わせてより積極的な健康づくり施策、スポーツ普及や都市計画を含めた総合的な政策の推進が求められると言えます。
ジオテクノロジーズでは、今後も「トリマ」データの分析と公開を進めるとともに、大学・研究機関へのデータ提供を行っていきます。
*各都市5000人以上のデータに基づく
*対象者における65歳以上の割合は小さいため、年齢調整は行っていない。
共同で分析を行った先生のご紹介・コメント
東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻
准教授 樋野 公宏 先生
一般に人口密度の高い大都市ほど歩数が多いことが知られていますが、政令指定都市の間でも約2000歩の差があったことに驚きました。こうした差が生じる要因のひとつに都市の物的環境があります。行きたくなるお店や公共施設が多い、鉄道やバスなどの公共交通が充実している―そんな都市では住民の外出率が高く、歩数も多くなる傾向にあります。お住まいの地域のまちづくりはどうでしょうか。また、歩数を増やすためには、自動車に依存したライフスタイルを見直すことも重要です。いつも自動車で行く場所の中でどこなら、どういう場面なら歩いて行けそうでしょうか。このランキングが、まちづくりやライフスタイルを考えるきっかけになると良いと思います。
東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 健康教育・社会学分野
講師 鎌田 真光 先生
歩数は健康上の重要な指標ですが、大規模かつ毎日継続的に測定する調査はなく、各地域の実態は詳しく分からないという課題がありました。「トリマ」利用者の大規模なデータは、各自治体が実施する政策を評価したり、自然災害などの様々な事象が人々の生活と行動に与える影響を迅速に把握したりする上で大変価値のあるものになります。こうしたデータも活用しながら、国や自治体で実効性のある健康・スポーツ政策の推進と検証が進み、全ての人々がアクティブに過ごせる社会の実現へとつながることを期待しています。
今後の展開
「地球を喜びで満たそう」をミッションに掲げるジオテクノロジーズでは、弊社の保有する地図や人流といったデータやアンケートサービスなどを用いて社会課題の解決に向け取り組みを進めてまいります。
ジオテクノロジーズ株式会社について
我々の使命は、「地球を喜びで満たそう」です。1994年にマルチメディアソフトウェア開発会社として創業し、翌年には「MapFan」が日経ベストソフト賞を受賞、その後、国内初のiモード地図で日経新聞社賞を受賞するなど、イノベーションを起こしてきました。さらに進化し、法人向けの地図データや位置情報ソリューションの提供はもとより、高度な自動運転の実現に不可欠な高精度3次元データ地図の提供も行うなど、地図のメジャーカンパニーとして日本の地図業界を牽引しています。
さらに、生活者に向けて提供している「移動するだけでポイントが貯まるM2Eアプリ“トリマ”」は、累計ダウンロード数1,700万*注1を超え、多くの人々に日々の移動や様々なコンテンツを楽しんでいただいています。ブロックチェーン技術による、生活に根付いたNFTを国内外に展開し、グローバルに大きく羽ばたく成長企業です。
今後もジオテクノロジーズは、ESGメタバースカンパニーとして、過去30年間蓄積してきた位置情報/人流データをはじめとする多様かつ膨大なビッグデータと、地球(Geo)に関わる様々なデータに最先端技術を融合させることにより、予測可能な“Geo-Prediction(ジオプリディクション)”の世界を生み出し、地球を取り巻くさまざまな社会課題の解決に貢献していきます。
注1:2024年2月時点
本社所在地:東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス
代表者:代表取締役社長 CEO 杉原 博茂
設立:1994年5月1日
事業内容:オートモーティブビジネス(高精度3D地図、ナビゲーション向け地図データ、コネクテッドサービス、モビリティサービス向けソリューション)
GISビジネス(地図アプリ開発キット、デジタル地図データベース、Web・業務システム向け地図クラウドサービス、MapFan、MapFanAssist)
アプリケーションビジネス(トリマ、トリマ広告、Geo-Research、スグロジ、住所確認サービス、人流分析サービス)
URL : https://geot.jp/
MapFan : https://mapfan.com/
MapFan DB : https://business.mapfan.com/service/db/
住所確認サービス : https://anorm.mapfan.com/
トリマ : https://www.trip-mile.com/
トリマ広告 : https://ads.trip-mile.com/
Geo-Research : https://www.ads.trip-mile.com/service/research/
スグロジ : https://www.sugulogi.com/
みん歩計 : https://www.minpokei.com/
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