【ケップルスタートアップ就労人口調査】新たな指標として、国内スタートアップ就労人口と従業員数ランキングを公開!
スタートアップ就労人口の集計に至った背景
当社は、スタートアップ企業への出資やオープンイノベーションなどに取り組む事業会社や投資家向けに、スタートアップデータベース「KEPPLE DB」(https://corp.kepple.co.jp/investor/keppledb)を提供しています。
投資や業務提携の戦略策定、ソーシングの効率化などにお役立ていただくために、データの精度、独自性を高めるべく、KEPPLE DBは日々進化を続けています。より有益な情報ソースとなることを目指し、昨年より月次のスタートアップ従業員数の推移を確認できる機能も追加いたしました。
今回、それら情報を基に「国内スタートアップ就労人口」の集計に至った背景は主に3つです。
■分かりやすい指標を作ることでスタートアップを知るきっかけにつなげる
投資家がスタートアップの動向を探るときによく参照するものとして、資金調達総額や調達件数が挙げられます。スタートアップメディア「KEPPLE」(https://kepple.co.jp/)でも、資金調達総額や調達件数を公表していますが、月次で従業員数の増減を見ることで、よりきめ細かくスタートアップの動向を追うことができると考えました。そして、分かりやすい指標として就労人口統計を発表することで、スタートアップを知るきっかけとなることを目指します。
■雇用創出を測る指標になる
米国では、新規雇用創出に占める高成長スタートアップの割合が50%になっており(※1)、国家の雇用創出の観点でスタートアップは重要な存在です。日本では、経済産業省がスタートアップ支援策を強化しており、その波及効果の一つに雇用創出が挙げられます。就労人口統計は、雇用創出を測る指標になると考えています。
■イノベーションを測る指標になる
スタートアップの資金調達額の多くが人件費に充てられています。働く人々が増えれば、より多くのイノベーションが生まれやすく、事業拡大も進みます。そのため、スタートアップ就労人口に比例してイノベーションが加速することが想定されます。
集計する上での考慮事項
今回、スタートアップ就労人口を集計するうえで、集計対象にどのような企業を含めるべきか、ケップル社内で議論を重ねました。
今回の集計対象は、「東証グロース(旧:マザーズ)に上場したことがある企業」と「ベンチャーキャピタル(以下、VC)から出資を受けた未上場企業」とし、その合計をスタートアップ就労人口として算出しました。
スタートアップ就労人口に上場したことがある企業を加えた理由は、日本のIPO要件が緩く、多くの新興企業がまだ小規模なうちに上場するためです。上場企業の中では、東証グロース(旧:マザーズ)に着目しました。東証グロースの前身であるマザーズ市場は、成長性が見込まれる企業に、資金調達の場を提供するという目的のもと、1999年に開設されました。マザーズでの上場を認められたということは、スタートアップとして認定されたことと近い意味を持つと考えています。
未上場企業の選定にあたっては、「上場や企業売却など、EXITの意思があるか」を重視しました。一般的に、VCから調達を受けたスタートアップはEXITを目標とするため、高い成長を目指すと考えられています。
集計結果
2023年度末時点において、国内スタートアップの就労人口は402,541人(4,504社が集計対象)でした。総務省・経済産業省の産業大分類で見ると、農林漁業の従事者数は約46万人に近い規模です(※2)。上場企業の中では、従業員数(連結ベース)が最も多いトヨタ自動車株式会社の約38万人を上回る規模となっています。1社あたりの従業員数の平均値は89人、中央値は19人でした。
国内スタートアップ 従業員数ランキング(上位10社)
従業員数上位10社は以下となっており、スタートアップ就労人口の約16%を占めています。投資家が日頃見ている時価総額ランキングと上位の顔ぶれが異なることが特徴です。全国に店舗を展開する株式会社コスモス薬品、株式会社ネクステージ、エンジニアやコンサルタントが多く在籍する株式会社SHIFT、株式会社ベイカレント・コンサルティングなど、事業拡大に人材が必要不可欠なビジネスモデルを有する企業がランクインしています。
VCから出資を受けた未上場企業 従業員数ランキング(上位10社)
VCから出資を受けた未上場企業における従業員数上位10社は以下となっており、スタートアップ就労人口の約5%を占めています。株式会社ビズリーチなど、親会社が上場企業であってもその会社が未上場企業の場合は、こちらのランキングに含めています。
第1位は、就職・採用支援の株式会社ネオキャリア(7,597人)でした。同社は、87拠点で60の事業を展開しています。事業の幅広さや人材サービスを展開していることで従業員数が多くなっているものと思われます。売上は506億円(2022年)であり、上場していても違和感のない規模です。同社の一部門であったHRTech事業のクラウドサービスのjinjer株式会社を2021年に分社化するなど、事業の入れ替えを定期的に行っています。
第2位は、障がい者グループホームのソーシャルインクルー株式会社(3,268人)でした。障がい者グループホームとは、障がい者が支援を受けながら、アパートなどで共同生活を行うものであり、同社では障がい者の生活をサポートする方が多く勤務しているものと思われます。同社は2017年に創業し、235施設(2023年11月末時点)を展開しています。他にも、株式会社アニスピホールディングスがペット共生型障がい者グループホームを展開するなど、障がい者グループホームに対するニーズは強いと思われます。
第3位は、ICTソリューションのキューアンドエー株式会社(1,380人)でした。コンタクトセンターサービス、BPOサービス、フィールドサポートサービスなど、顧客企業のバックオフィス業務における人手不足を解消していると考えられます。2013年にNECネッツエスアイ株式会社が同社を子会社化しました。なお、第9位の株式会社ユーザベースは、2022年10月に法人登記した企業を指しています(2023年2月に上場廃止した企業を、2023年7月に吸収合併)。
東証グロース(旧:マザーズ)に上場したことがある企業 従業員数ランキング(上位10社)
東証グロース(旧:マザーズ)に上場したことがある企業の従業員数上位10社は以下となっており、スタートアップ就労人口の約14%を占めています。上位10社の全てが東証一部に昇格しており、上場後も順調に成長できています(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社は上場廃止、株式会社セラクはスタンダード市場での上場を選択)。
下記フォームより、各ランキング上位30社のデータを無料でダウンロードいただけます。ぜひご覧ください。
ダウンロードフォーム:https://share.hsforms.com/1FQmqtg0IS2qcuHSzwkw09Ac12qu
また、集計対象企業4,504社のデータについては、下記からお問い合わせいただければ有償で生データのご提供が可能です。
問い合わせフォーム:https://corp.kepple.co.jp/contact
KEPPLE DBに従業員数表示機能が搭載
ランキング内の未上場スタートアップ企業の従業員数については、ケップルが提供するスタートアップデータベース「KEPPLE DB」(https://corp.kepple.co.jp/investor/keppledb)にて企業ごとに検索いただけます。
従業員数表示機能により、スタートアップエコシステムの新たな指標を示し、スタートアップの認知促進や雇用の創出、イノベーションの加速を目指します。
今後もケップルは、スタートアップと投資家の支援によるエコシステムの発展に向けて、事業の拡大を進めてまいります。
ケップルについて
ケップルは、「Create New Industries(世界に新たな産業を)」をミッションに掲げ、スタートアップエコシステムの発展に貢献するための様々な事業を展開しています。代表的なものとして、スタートアップエコシステムを可視化するスタートアップメディア「KEPPLE」や、イノベーションを促進するためのスタートアップデータベース「KEPPLE DB」、VC・事業会社向けの未上場株式管理ツール「KEPPLE CRM」等を運営。また、ファンド決算業務の受託やスタートアップ企業の株価算定など幅広いサービスを提供しています。今後はさらに、世界中のスタートアップ・投資家へと支援を広げてまいります。
ケップルの各種サービス
・KEPPLE DB
イノベーション活動を促進するスタートアップデータベース。15,000社以上の企業情報や事業概要に加え、最新マーケット情報を網羅。さまざまな条件で情報抽出できる検索機能も充実。
https://kepple.co.jp/investor/keppledb
・KEPPLE CRM
VC・事業会社向けの未上場株式管理CRMツール。投資活動のあらゆる情報を一元管理できる基盤を中心に、ソーシングから報告業務まで多様な機能を提供。業務効率化や意思決定を支え、投資活動に貢献。
https://kepple.co.jp/investor/kepplecrm
・スタートアップメディア KEPPLE
「スタートアップエコシステムを可視化し、発展に貢献する」をコンセプトに、資金調達を中心とした取材記事、業界レポート、イベント情報などを発信するスタートアップメディア。
https://kepple.co.jp/
・KEPPLE FUND SUPPORT
ベンチャーキャピタリスト、公認会計士など高い専門性と経験を有するメンバーが、信頼できるパートナーとしてファンド会計/決算などファンド運営事務を幅広く柔軟にサポート。
https://kepple.co.jp/investor/kepplefundsupport
・株価算定・投資検討DD
独自のスタートアップデータベースと知見を活かして、スタートアップに特化した株価算定・投資検討DDを実施。
https://kepple.co.jp/investor/keppledd
・スタートアップスカウト
ストックオプション求人に特化した転職サービス。公認会計士など経験豊富なプロフェッショナルが独自のデータベース情報を活用し、ハイクラス向けスタートアップ転職を支援。
https://startup-scout.kepple.co.jp/
・株主総会クラウド
スタートアップのための株主総会電子化ツール。株主総会の招集通知の発送や委任状の回収など株主管理に関する煩雑な業務をオンラインで完結でき、実務に役立つ機能も充実。
https://kepple.co.jp/startup/mtgcloud
サービスについてのお問い合わせは、各サービスページまたはお問い合わせフォームよりお願いいたします。
お問い合わせフォーム:https://corp.kepple.co.jp/contact
<注釈>
データは2023年度末時点のものとなります。企業ホームページなどで記載されている従業員数の定義や数値と異なる可能性があります。
<出典元>
※1 内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局「スタートアップ・エコシステムの現状と課題」
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/innovation_ecosystem/4kai/siryo2-1.pdf
※2 総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 速報集計」
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220531005/20220531005-1.pdf
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- ネットサービス経営・コンサルティング
- ダウンロード