光触媒技術による『高病原性鳥インフルエンザウイルスの不活化』を実証
~養鶏場での大量殺処分を抑止し、家禽肉や卵製品の安定供給に資するために~
光触媒技術で社会課題の解決に向けて取り組む大阪のベンチャー企業、カルテック株式会社(本社:大阪市中央区、社長:染井潤一)と間特任教授を研究代表とする東京大学大学院農学生命科学研究科は、光触媒技術による高病原性鳥インフルエンザウイルスの不活化を宮崎大学と共同で実証しましたので、お知らせいたします。
■背景
昨今、高病原性鳥インフルエンザの流行で、養鶏場での大量殺処分の頻発という課題が発生しています。創業以来、カルテックは光触媒除菌脱臭装置を開発・販売する中、家禽肉や卵製品の安定共有に資するため、養鶏場での設置に適した光触媒除菌脱臭機の開発にも取り組み、この度、光触媒による高病原性鳥インフルエンザウイルスの不活化について実証しました。
■実証実験 概要
『光触媒シートによるインフルエンザウイルスの不活化』
<目的>
光触媒の高病原性鳥インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果をJISR1702:2020を改変した手法で評価する。
<試験方法>
「光触媒をコーティングしたガラスシートにウイルス液を滴下し、励起光を当てた試験群」と、「光触媒をコーティングしていないガラスシートにウイルス液を滴下し、暗所に静置した対照群」を比較する。
(1)試験群:光触媒(+)、励起光(+)
(2)対照群:光触媒(-)、励起光(-)
■実証実験 結果
1時間の光触媒反応によって、ウイルスの感染力価が2933プラーク形成単位(PFU)/500μlから、273PFU/500μlまで減少し、その不活化率は90.7%であった。

■研究者コメント

■研究者 間陽子氏
(東京大学大学院農学生命科学研究科、農学国際専攻、地球規模感染症制御学講座、特任教授)
高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAI)は、世界中で甚大な経済被害をもたらし、食の安心と安全を脅かしています。近年では、ウシからヒトへの感染も報告されており、その対策は必要不可欠です。特に、日本においてはワクチンを使わない”スタンピングアウト政策”をとっているために、感染を起こさないことが重要となります。本研究において、光触媒によってHPAIの不活化を証明することが出来たことが、今後のHPAI対策の一助になればと考えております。
■会社名:カルテック株式会社
所在地:〒541-0059 大阪府大阪市中央区博労町3-3-7ビル博丈
HP:https://www.kaltec.co.jp
instagram:https://www.instagram.com/kaltech_jp/
X (旧Twitter):https://twitter.com/kaltech_jp
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