【省エネ・地球温暖化対策】放射冷却技術を用いた新素材SPACECOOLの販売に向けた共同検討について
大阪ガス株式会社(以下「大阪ガス」)が出資するSPACECOOL株式会社(以下「SPACECOOL社」)は、丸紅株式会社(以下「丸紅」)と、放射冷却素材SPACECOOL(以下「本素材」)を、液化石油ガス(以下「LPG」)船舶、陸上保管用LPGタンク、LPG輸送車・貨車、穀物運搬用船舶・陸上保管用サイロ向けに国内外で販売していくことについて、共同で検討することを合意しました。
本素材は、大阪ガスが独自技術を用いて開発したもので、宇宙に熱を逃がす放射冷却技術により、エネルギーを用いずに温度低下を実現できる新素材(*1)です。太陽光により地球上で発生した熱は、常に宇宙に向けて放出されていますが、一部は大気中の二酸化炭素や水蒸気に吸収されて大気中に留まり、地球温暖化につながっています。本素材は、二酸化炭素や水蒸気に吸収されにくい赤外線波長を放射する性質を持つため、熱を大気中に留めることなく、宇宙に放出することができます。
大阪ガスによる実証実験では、直射日光が当たった状態で、本素材の表面温度が外気温より最大約6℃(*2)低くなったことを確認しています。これは、世界最高レベルの冷却性能(*3)であり、地球温暖化対策、省エネおよび冷却快適素材としての活用が期待されます。
現在、高圧式LPG船舶やタンクによるプロパン、ブタン、プロピレンやブタジエンなど( *4)の製品の高温な地域や季節での輸送・保管においては、最大積載・保管数量が制限されることや品質が変化する場合があります。また、穀物の輸送・保管においては、温度上昇によって穀物へのダメージが発生し、廃棄処分が必要となる場合もあります。
本素材を使用することで、製品の最大積載・保管数量の増加による輸送効率の改善(使用燃料の削減)、品質維持のための費用削減、廃棄物の削減や二酸化炭素の排出量削減などの効果が期待されます。SPACECOOL社と丸紅は、将来的には、本素材の特性を活かし、地球温暖化抑制効果の数値化およびクレジット創出の方策についても検討することに加え、丸紅グループが持つネットワークを活用し、その他用途での共同検討も積極的に推進していきます。
丸紅、SPACECOOL社、大阪ガスは、国内外で本素材の使用を広く推進し、暑熱・地球温暖化・エネルギー枯渇問題などの社会課題解決に貢献することを目指します。
*1:大阪ガス独自の光学制御技術を用い、太陽光の入熱を抑え、熱放射による放熱(熱せられた物体の熱が電磁波(光)として運ばれる現象)を大きくした材料設計により実現(図1)
フィルムと帆布の2種類の製品が開発済(図2)
図1 本素材の概念図
*3:公開されている論文を用いた大阪ガスおよびSPACECOOL社調べによる
*4:プロパンとブタンは燃料や化学製品の原料、プロピレンは合成樹脂など様々な石油化学製品の原料、ブタジエンは合成ゴムや合成樹脂などの原料として利用される
以 上
本素材は、大阪ガスが独自技術を用いて開発したもので、宇宙に熱を逃がす放射冷却技術により、エネルギーを用いずに温度低下を実現できる新素材(*1)です。太陽光により地球上で発生した熱は、常に宇宙に向けて放出されていますが、一部は大気中の二酸化炭素や水蒸気に吸収されて大気中に留まり、地球温暖化につながっています。本素材は、二酸化炭素や水蒸気に吸収されにくい赤外線波長を放射する性質を持つため、熱を大気中に留めることなく、宇宙に放出することができます。
大阪ガスによる実証実験では、直射日光が当たった状態で、本素材の表面温度が外気温より最大約6℃(*2)低くなったことを確認しています。これは、世界最高レベルの冷却性能(*3)であり、地球温暖化対策、省エネおよび冷却快適素材としての活用が期待されます。
現在、高圧式LPG船舶やタンクによるプロパン、ブタン、プロピレンやブタジエンなど( *4)の製品の高温な地域や季節での輸送・保管においては、最大積載・保管数量が制限されることや品質が変化する場合があります。また、穀物の輸送・保管においては、温度上昇によって穀物へのダメージが発生し、廃棄処分が必要となる場合もあります。
本素材を使用することで、製品の最大積載・保管数量の増加による輸送効率の改善(使用燃料の削減)、品質維持のための費用削減、廃棄物の削減や二酸化炭素の排出量削減などの効果が期待されます。SPACECOOL社と丸紅は、将来的には、本素材の特性を活かし、地球温暖化抑制効果の数値化およびクレジット創出の方策についても検討することに加え、丸紅グループが持つネットワークを活用し、その他用途での共同検討も積極的に推進していきます。
丸紅、SPACECOOL社、大阪ガスは、国内外で本素材の使用を広く推進し、暑熱・地球温暖化・エネルギー枯渇問題などの社会課題解決に貢献することを目指します。
*1:大阪ガス独自の光学制御技術を用い、太陽光の入熱を抑え、熱放射による放熱(熱せられた物体の熱が電磁波(光)として運ばれる現象)を大きくした材料設計により実現(図1)
フィルムと帆布の2種類の製品が開発済(図2)
図1 本素材の概念図
図2 左:製品(フィルム)、右:製品(帆布)
*2:大阪ガスエネルギー技術研究所(大阪市此花区)にて計測(計測時の周囲気温は約35℃)
*3:公開されている論文を用いた大阪ガスおよびSPACECOOL社調べによる
*4:プロパンとブタンは燃料や化学製品の原料、プロピレンは合成樹脂など様々な石油化学製品の原料、ブタジエンは合成ゴムや合成樹脂などの原料として利用される
以 上
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