冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査
冷え解消で睡眠改善 入浴のゴールデンタイムは就寝90分前 お風呂ドクター・早坂先生監修 正しいお風呂の入り方
主な調査結果
■ 冬の身体の不調1位冷え 滋賀7割
■ 私って冷え性? 隠れ冷え性診断テスト 冷え性・隠れ冷え性8割
■ 毎日湯船に浸かるお風呂好き県 千葉7割
■ 早坂流健康入浴法 40℃10分 富山は熱風呂・山梨は長風呂好き?
■ 冷えに効く正しいお風呂の入り方 健康入浴テスト 入浴優等生2割
■ 冬場の脱衣所・浴室に潜む危険 暖冬こそヒートショックに要注意
■ ヒートショック診断テスト ヒートショック予備軍4割
監修者の紹介
早坂 信哉先生
東京都市大学人間科学部学部長・教授、医師、博士(医学)、温泉療法専門医。お風呂を医学的に研究している第一人者。「世界一受けたい授業」「ホンマでっか!?TV」など多数のメディアに出演。主な著書は『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と溪谷社)、『最高の入浴法』(大和書房)、『入浴検定 公式テキスト お風呂の「正しい入り方」』(日本入浴協会)など。
冬の身体の不調1位冷え 滋賀7割 冷えの原因は運動不足?
全国の2,350名に冬の時期に多い身体の不調を聞きました。その結果、最も多い回答は「冷え(44%)」続いて「肩こり(24%)」でした。地域別では、「冷え」が多い順に、滋賀(70%)、続いて鳥取(58%)、山梨・大阪(54%)でした。また、冷えに悩む回答者に、冷えを感じる身体の部位を聞いたところ、「足先(94%)」が最も多く、続いて「手先(69%)」、「脚部(21%)」でした。
早坂先生コメント
調査の結果、男女合わせて冬の悩みで最も多いのは「冷え」でした。冷えは、運動不足や筋肉量の低下、食事量の低下により熱生産量が減り、薄着などによる熱放散が多いと起こりやすくなります。女性は男性と比べて筋肉量が少ないことから、冷えに悩まされる傾向があります。寒い時こそ、しっかり食べて運動をすることが大切ですね。
私って冷え性? 早坂先生監修 隠れ冷え性診断テスト
あなたに当てはまる項目をチェックしてください。チェックの数で冷え性の可能性を判定します。
■1. 手足が冷たいと感じる
冷え性の主たる症状です。手足の血流が悪くなり温かさがうまく運ばれないことが原因です。
■2. 下腹部が冷えると感じる
最近内蔵型の冷えと言われるタイプがあり、下腹部を中心に冷えを感じます。実際に、内臓の温度が低くなっているとの研究結果があります。
■3. 一度手足が冷えると温かいところに来てもなかなか手足が温まらない
冷え性の特徴の1つで、手足が一旦冷えると温かいところに移動しても手足の温かさがなかなか回復しません。自律神経がうまく活動できていないため、必要な血管の拡張が起こりません。
■4. 冷房が効いているところでは冷えてつらい
冷え性の方は、そうでない方が気にならないような冷房が効いている部屋でも手足が冷えて「つらい」と不快に感じることがあります。手足の血流不良による症状です。
■5. 手足が冷えて寝付けないことがある
これも冷え性の方が良く感じる悩みです。ヒトは体温が下がることでスムーズに入眠できます。手足の血管が収縮して血流が悪いため、適切な体温の放散ができず寝付きが悪くなります。
■6. めまいや立ちくらみがある
自律神経の活動のバランスが悪いと手足の血管の拡張や収縮が適切にできず、手足が冷えて冷え性の症状が出ます。自律神経のバランスが悪いと、血圧の調節がうまくいかず、めまいや立ちくらみを感じることがあります。
■7. 胃の不快感や便秘がある
冷え性の方は交感神経が強く働きすぎていることが多く、交感神経の働きが過剰になると胃腸の動きが悪くなります。その結果、冷え症状がなくとも、胃腸症状が前面に出ることがあります。
■8. 肩こりになりやすい
冷え性の方は交感神経が強く働きすぎて筋肉が過剰に緊張していることが多く、肩こりを感じる方が多いです。
■9. 頭痛が多い
肩こりと同様に、首回りや頭部の筋肉の緊張により重苦しい筋緊張性頭痛を感じる他、自律神経が乱れていて特に交感神経が適切に働かない状態だと、頭の血管が不必要に拡張してズキンズキンと痛む片頭痛にもなりやすいです。
■10. 疲れやすい
冷え性の方は血流が悪いことが多く、疲労物質が血流で除去されにくくなるため疲れが取れにくい場合があります。
冷え性診断テスト 冷え性・隠れ冷え性8割 疲れやすいのに冷えで眠れない
調査対象者へのテストの結果、最も多いチェック項目は「10.疲れやすい(59%)」、続いて「1.手足が冷たいと感じる(54%)」で、8割が「冷え性(67%)」または「隠れ冷え性(10%)」に判定されました。また、冷えでつらいと感じることについては「眠れない(41%)」が最も多い回答でした。
早坂先生コメント
冷え性診断テストでは「10.疲れやすい」(59%)、冷えでつらいこととして「眠れない」(41%)が最も多い回答でした。疲れているのに眠れないという、悪循環に陥っている方がいるのではないでしょうか。ヒトは身体の中心部分の体温(深部体温)が下がらないと良い睡眠が取れません。血流が悪いと、就寝時に手足から熱の放散がうまくいかず、深部体温が下がらないため睡眠の質が悪くなります。結果として疲れが取れず、絶えず疲れやすさを感じるのです。この悪循環を断ち切るためには、入浴して血流を改善させましょう。
自己流の冷え対策で失敗していない? お風呂も入り方次第 1割が入浴に悩み
冷えに悩む方にその対策方法を聞きました。その結果、最も多い回答は「温かいものを食べる(61%)」、続いて「暖房器具を使用する(57%)」、「入浴する(全身浴)(50%)」でした。また、冷え対策としての入浴に15%が悩みを抱えていました。
早坂先生コメント
冷え対策に食事や暖房も有効ですが、自宅のお風呂も活用できます。冷え対策に改めて入浴を見直してみましょう。お風呂も入り方次第では、優秀な健康増進機器になりますが、約15%もの方が入浴法で悩みがあるようです。入浴で疲れてしまったり、入浴しているのに身体の冷えが気になる方も多いようで、正しい入浴ができていないのかもしれません。基本の入浴法は40℃10分間とお伝えしています。熱すぎると逆に温かさが長続きせず、また長風呂は湯疲れの元です。
毎日湯船に浸かるお風呂好き県 千葉7割 冷えとり以外でもおすすめしたいお風呂
日々の入浴で湯船につかる頻度を聞きました。その結果、「毎日、湯船につかっている(53%)」が最も多く、地域別では、多い順に千葉(72%)、続いて滋賀(70%)、三重・鳥取・香川(68%)でした。湯船につかる理由には、「身体の冷えをとるため(56%)」や「良い睡眠のため(36%)」があがりました。
早坂先生コメント
半数以上の方が毎日湯船に浸かっているという嬉しい結果でした。一方で毎日シャワーだけの方も2割弱いらっしゃり、お風呂の健康効果を得られる機会を逃してしまいもったいないと感じました。最近の私たちの長期間にわたる追跡研究では、冷えや睡眠以外でも期待できる湯船に浸かる効果として、毎日湯船に浸かる人は「介護状態」や「うつ」になりにくいことが分かってきました。将来の健康維持のためにもお風呂はおすすめですね!
早坂流健康入浴法 40℃10分 富山は熱風呂・山梨は長風呂好き?
冬の時期の入浴方法を聞きました。その結果、入浴温度は40℃(31%)、入浴時間は10分~14分(31%)が最も多い回答でした。地域別の平均値を比較すると、入浴温度は富山が最も高い41.3℃、入浴時間は山梨が最も長い17.8分でした。
早坂先生コメント
健康的な基本の入浴法は、湯船の温度が40℃、入浴の時間が10分間です。多くの方が実践されていることが分かり、とてもうれしく思います。10分間は連続する必要はなく、途中で湯船から出ても構いません。
42℃は2番目に多い湯温でした。夜に42℃で入浴すると交感神経が刺激されて目がさえてしまうことがあります。そんなときは少しお湯の温度を下げると良いでしょう。
冬は浴室内の気温が下がりますので、10分で体が温まらないときは15分ほど入浴しましょう。
お風呂ドクター伝授 冷えに効く正しいお風呂の入り方 健康入浴テスト
お風呂ドクター・早坂先生に正しいお風呂の入り方をチェックする簡易テストを作成いただきました。正しいと思う項目はいくつありますか?
■1. 就寝の直前にお風呂に入ると良い⇒×
身体が温まりすぎると眠りにつくことができません。就寝の90分前に入浴することで、程よく体温が下がります。リラックスした状態で入眠でき、質の良い睡眠がとれます。お風呂で上がった体温が下がってきたタイミングで眠ると良いでしょう。
■2. 普段より熱めの湯船につかると良い⇒×
熱い湯はいったん体温を上げても、湯船から出たらその効果が長く続かず、むしろ早く冷えてしまいます。おすすめの湯船の温度は40℃。ぬるいと感じたら「おいだき」で一時的に温度を上げるのも手です。
■3. 普段より長めに湯船につかると良い⇒×
長めに浸かりすぎると今度はのぼせ(熱中症)の危険があります。おすすめの時間は10分程度です。
■4. 最初から全身浴で肩までつかると良い⇒×
温かいお湯に突然首まで浸かると、心肺に負担をかけることになります。まずは半身浴からはじめ、徐々に身体を湯船に沈めていきましょう。
■5. お風呂から上がる前に手足に冷たい水をかけると良い⇒×
サウナ後の水風呂のように、入浴後、浴室を出る前に水をかけて体を締める、という一部で話題になっている健康法ですね。せっかく温まった身体に水をかけてしまうと、血管が収縮し血流が悪くなります。冷えが悪化してしまう可能性があります。
■6. さら湯に入ると良い(入浴剤などを使わない)⇒×
冷え対策によく効く入浴剤も多くあります。みかんの皮やゆず、自宅でバスボム(重曹とクエン酸)を作ってみるのも良いでしょう。
上記は、いずれも冷え性には好ましくない間違った入浴法です!
健康入浴テスト 入浴優等生2割 青森・三重3割 入浴は就寝 90 分前がベスト
調査対象者へのテストの結果、チェック数0個の入浴優等生は21%に留まりました。地域別では、青森・三重 (34%)が最も多く、続いて福島・奈良・山口(28%)でした。チェックが最も多い項目は「3.普段より長めに湯船につかると良い(54%)」、続いて「1.就寝の直前にお風呂に入ると良い(37%)」「5.お風呂から上がる前に手足に冷たい水をかけると良い(同)」でした。就寝前の入浴時間については、「3時間以上(29%)」が最も多い結果でした。
早坂先生コメント
意外に多くの方が間違ったお風呂の認識を持っていることが分かりました。学校では正しい入浴法を教わらない のでやむを得ないことではあります。就寝の直前に入ると健康に良いと勘違いしている方が多い一方で、実際に は就寝の3時間以上前に入浴されている方が多数派でした。就寝90分前を目安に入浴を終えると睡眠の質が上がりますよ。
シャワー派は時短・節約重視 忙しい現代人にシャワー足湯 残り湯の再利用は控えて
週1回以上、入浴をシャワーで済ませる方にその理由を聞いたところ、最も多い回答は「シャワーの方が短時間で済むから(59%)」、続いて「節約を意識しているから(35%)」でした。また、光熱費の高騰を受け、入浴をシャワーで済ませることが増えた方は23%でした。地域別では、九州の節約意識が高い傾向にありました。
湯はりとシャワーの比較
シャワーのお湯を1分間に約12L、15分間流した場合、お湯の使用量は浴槽1杯分(180~200L)とほぼ同じに。家族の人数やシャワーの使い方によってお湯の使用量が変わるため、シャワーで済ませた方が節約になるとは限りません。この試算条件を例にすると、ご家族が2人以上、もしくは、シャワーの時間が22分以上の場合は、お湯をはった方が節約になります。
早坂先生コメント
節約のためにシャワーで済ます方も多くいました。昨今の光熱費の高騰も影響しているのでしょう。湯船に浸か るのが一番ですが、シャワーしながら浴槽に湯をためる「シャワー足湯」で身体を温めることができます。節約のため、翌日残り湯を沸かし直して入浴することはあまりおすすめしません。一晩おいた残り湯は雑菌が6000倍に増えたという調査結果もあります。残り湯を再利用する場合、追い炊きするのではなく、洗濯や散水などに活用をすると良いでしょう。
冬場の脱衣所・浴室に潜む危険 暖冬こそヒートショックに要注意
冬場に気をつけたいヒートショック。自宅で冷えが気になる場所について聞きました。その結果、最も多い回答は 「脱衣所・洗面室(51%)」、続いて「トイレ(42%)」、「浴室(34%)」でした。また、ヒートショックの認知度は7割ありましたが、地域別では鹿児島(48%)、大阪(50%)、奈良(52%)で低い傾向にありました。
早坂先生コメント
「ヒートショック」は、急激な温度差によって引き起こる血圧の急な乱高下の結果、失神、脳卒中や心筋梗塞などの疾患が起こることを言います。例年注意を促しているヒートショックですが、やはり脱衣所・洗面室の冷えを気にされている人が最も多かったです。入浴時服を脱ぐ場所であり冷たい空気に直接触れますので特に注意が必要な場所です。ヒートショックのことを皆さん認知するようになってきましたが、暖冬でも油断できません。室内にはかなりの温度差があります。冷えている部屋に移動するときは1枚羽織る、スリッパを履くなどのひと手間をかけるようにしましょう。
お風呂ドクター・早坂先生監修 ヒートショック診断テスト
3個以上チェックでヒートショック予備軍
お風呂ドクターの早坂先生のヒートショック診断テストを作成いただきました。普段のお風呂の入り方を見直して みましょう。
■1. お風呂に入る前よりお風呂の後に水分をとる
脱水は血液の粘り気を増やし、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。心筋梗塞をひき起こしやすくなることから、入浴前にもコップ1~2杯の水分をとりましょう。
■2. できるだけ食後すぐにお風呂に入る
食後すぐに入浴すると、本来消化器官に血液が集まるべきタイミングなのに、皮膚へ血液が集中し、消化不良の原因となります。食後は1時間程度空けることが望ましいです。
■3. 家族に声をかけずにお風呂に入る
ヒートショックが怖いのは意識を失いお風呂でおぼれてしまうことです。異変に気付いてもらいやすいよう、入浴前には家族に声をかけましょう。
■4. お風呂場が寒くても我慢する
急激な温度変化により血圧が乱高下します。昨今の光熱費アップに伴い節約の意識が高まっているかもしれませんが、健康のためにも入浴時は室温に気をつけましょう。脱衣所とリビングの温度差は5℃以内がベストです。
■5. お風呂に入ったらすぐに湯船に浸かる
かけ湯で徐々に身体を慣らしましょう。血圧の急激な上昇を防ぎます。
■6. あつあつの湯船に浸かる
体温が上がりすぎて意識障害に陥る可能性があります。血圧も上がります。
■7. 湯船から出るとき立ちくらみすることがある
めまいや立ちくらみは、急激な血圧低下によるものです。若い方でも起こり得ます。立ちくらみで転倒して大けがをすることもあるので気をつけましょう。
■8. 湯を張るときは湯船にふたをする
もったいないと感じるかもしれませんが、湯船のふたを外して湯を張ることで、浴室内の温度を上げることができます。
■9. サウナに行ったら水風呂に入る
体温を上げた後、一気に水風呂で身体全体を冷やすと、若い方でもヒートショックの危険があります。水風呂に入る場合は、手足からゆっくりと水をかけて身体を慣らしましょう。
ヒートショック予備軍4割 宮城6割 福島はみまもり上手?
調査対象者へのテストの結果、3個以上当てはまるヒートショック予備軍は、全体の41%を占めました。地域別では、宮城(62%)が最も多く、続いて福井・群馬(56%)でした。チェックが最も多い項目は「8.湯を張るときは湯船にふたをする(60%)」、続いて「9.サウナに行ったら水風呂に入る(32%)」でした。 家族の入浴について気にかけている割合は57%で、地域別では福島(72%)が最も多い結果でした。
早坂先生コメント
浴室暖房機があれば安心ですが、設備がない場合でも、湯船のふたを外すことや、家族で声を掛け合うなど、で きることから始めるのが大切です。若い方でも血圧の急な低下による立ちくらみは起こります。湯船から出るとき は、手すりにつかまってゆっくり立ち上がりましょう。また、湯船から立ち上がる前に手に水をかけると、交感神経の刺激になり血圧の低下を防げます。
お風呂ドクター・早坂先生監修 冷え対策
冷え解消で睡眠改善 入浴のゴールデンタイムは就寝90分前
今回の「健康入浴テスト」(8ページ)では入浴優等生が2割に留まりました。お風呂ドクターの早坂先生に、お風呂にまつわる冷え対策を解説していただきました。
お風呂ドクター・早坂先生監修 ヒートショック対策
サウナブームに警戒 水風呂は無理せずパス
今回の「ヒートショック診断テスト」(12ページ)ではヒートショック予備軍が4割でした。お風呂ドクターの早坂先生に、お風呂にまつわるヒートショック対策を解説していただきました。
お風呂ドクター・早坂先生監修
入浴優等生・ヒートショック予備軍ランキング
調査概要
調査名:熱と暮らし通信 冷え・ヒートショックに関する都道府県意識調査
調査時期:2023年9月24日~10月4日
調査方法:インターネット調査
対象者:都道府県別 計2,350名、20~60代男女
調査結果を利用する際は「リンナイ調べ」と明記するか、こちらの画像を掲載してください。
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