イノカ、東洋製罐グループの「アマモ再生プロジェクト」にて環境移送技術を活用した共同研究を開始。全国のアマモ場の再生を目指す。
〜イオンカルチャーによるアマモの成長促進効果を科学的に検証〜
株式会社イノカ(本社:東京都文京区、代表取締役CEO:高倉葉太、以下「イノカ」)は、東洋製罐グループホールディングス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:中村琢司、以下「東洋製罐グループホールディングス」)が行う「アマモ再生プロジェクト」の一環で、イノカ独自の「環境移送技術」(*1)と、東洋製罐グループの東洋ガラス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:野口信吾)が株式会社不動テトラ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:奥田眞也)と共同開発した藻類増殖材「イオンカルチャー」を活用した共同研究を開始します。東日本大震災により99%消滅した松島湾のアマモ場の再生を目指し、イオンカルチャーによるアマモの成長促進効果を科学的に検証します。
イノカは、海をはじめとした水域の自然環境を陸上に再現する「環境移送技術」を持つベンチャー企業です。海洋生態系の保全と再生を目指し、これまでに日本各地で、149社との共創、51件の研究プロジェクトの実施、そしてのべ21,397名が参加した教育イベントの開催といった実績を重ね、海と人の未来をつなぐさまざまなプロジェクトを推進してきました。アマモについては、瀬戸内海の豊かな藻場や干潟を次世代へ継承するため、産官学が連携する「瀬戸内渚フォーラム」の立ち上げを2025年9月から行うほか、企業と協働した海草(海藻)の調査・研究にも積極的に取り組んでいます。
今回のプロジェクトでは、東洋製罐グループホールディングスとともに、高輪ゲートウェイ駅直結のビジネス創造施設「TAKANAWA GATEWAY Link Scholars' Hub(以下、LiSH)」内ににあるイノカの水圏ラボにて、アマモの成長促進効果を科学的に検証します。両社はいずれもLiSHに入居しており、同じ拠点で活動する中で生まれた出会いと対話が、本実験のスタートにつながりました。今回の取り組みは、LiSHを舞台にした入居企業同士の共創事例となります。
※1 環境移送技術:特許7681935号。天然海水を使わず、水質をはじめ、水温・水流・照明環境・微生物を含んだ様々な生物の関係性など、多岐に渡るパラメーターのバランスを取りながら、自社で開発したIoTデバイスを用いて、任意の生態系を水槽内に再現するイノカ独自の技術。2022年、時期をずらしたサンゴの人工産卵に世界で初めて成功。
本取り組みについて
イノカの水圏ラボでは、「イオンカルチャー」がアマモの成長に及ぼす影響を検証します。
実験では、イオンカルチャーを使用した場合と使用しない場合を比較し、アマモの成長速度や光合成効率など、生育の違いを評価します。
この取り組みは、2025年8月末から10月末にかけて実施予定です(図1)。

イオンカルチャーとは
イオンカルチャーは、東洋ガラス株式会社が株式会社不動テトラと共同開発した藻類増殖材で、海洋植物の成長を促進する二価鉄やケイ酸、リン酸イオンといった成分がゆっくりと水に溶け出すよう成分調整を行ったガラス製品です。磯焼けの原因とされている二価鉄イオンの不足を補うガラスの開発に着手し、1993年にイオンカルチャーを製品化しました。
製品詳細:https://www.tskg-hd.com/businesstopics/detail/bt_ion_culture.html
本取り組みの背景
海草(海藻)などが大気中のCO₂を吸収し、海底に貯留するブルーカーボンは、地球温暖化対策として注目されています。アマモは、ブルーカーボン生態系の創出に寄与するだけでなく、稚魚や小動物のすみかになったり、水質を浄化したりする重要な役割を担っています。
しかし、2011年の東日本大震災によって松島湾では多くのアマモ場が失われ、現在も自然回復が難しい状況で、10年以上経過した現在も回復は進まず、2024年の調査では藻場の回復率はわずか0.3%に留まっています(*2)。このアマモ場の減少は全国的な課題となっており、東洋製罐グループホールディングスはイオンカルチャーを用いて全国のアマモ場の再生を目指しています。
イノカは、このプロジェクトを通じて、東洋製罐グループホールディングスと連携し、アマモ場の回復、ひいては脱炭素社会と自然共生社会の実現に貢献していきます。
*2 https://policies.env.go.jp/water/waterside-environment/activities/list/01/01_overview_r6.pdf
株式会社イノカについて
株式会社イノカは、2019年創業の自然環境の総合的プロフェッショナル集団です。サンゴやマングローブ、海藻などの海洋生物から、ゲンゴロウやメダカなどの淡水生物まで、水圏の生態専門家を中心に、大学教授をはじめとする自然科学の研究者、そして環境ビジネスの専門家が在籍しています。


「人類の選択肢を増やし、人も自然も栄える世界をつくる。」というミッションを掲げ、産官学と連携し、共に持続可能な豊かな地球を目指し、自然関連の新規事業創出を行っています。
イノカは様々なバックグラウンドの人材が在籍しておりますが、一つの共通項があります。
それは全員、自然や生き物が好きということ。
「自分たちが好きな自然をみつづける。」というフィロソフィーのもと、一人一人が自分が好きな自然や生き物をもっと探究したい、そして未来に繋げたいという想いを持って活動をしております。
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