UNESCO×欧州機関の国際知見基盤「Inclusive Education in Action」に、なかよし学園のケーススタディが掲載
— 特別支援学校の学びが“支援される側から支援する側へ”転じる、往還型(CoRe Loop)インクルーシブ学習モデル —
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県松戸市、代表:中村雄一)は、UNESCO と European Agency for Special Needs and Inclusive Education が共同で運営する国際知見プラットフォーム Inclusive Education in Action に、当法人のケーススタディ「From being supported to becoming supporters(支援される側から支援する側へ)」が掲載されたことをお知らせします。

本ケーススタディは、広島市立広島特別支援学校 における実践を中心に、紛争・貧困・低資源環境下にある海外の学びの現場と日本の教室をつなぎ、「教材づくり→現地実装→フィードバック→再設計」の循環で、学び手の尊厳・エージェンシー(主体性)を相互に育てる“往還型インクルーシブ教育”として整理されたものです。

掲載で評価されたポイント:なぜ「国際知見」として取り上げられたのか
1) “一方向の支援”ではなく、相互に「支える側」へ転じる設計
ケーススタディでは、障害のある学習者や、紛争・避難下にある子どもたちが「支援の受け手」として固定されがちな構造に対し、両者が“支える側としても位置づく”学習デザイン(return-loop)を提示しています。
これにより、「かわいそうだから助ける」ではなく、互いの尊厳を前提にした協働へ転換できることが、国際的に重要な示唆として整理されています。

2) Create–Reach–Co-Reflect–Return(CoRe Loop)の“実装可能性”
取り組みは、
Create:日本の教室で、誰もが参加できる形で教材・平和教材を共創
Reach:海外の教育現場で実際に使用
Co-Reflect:写真・動画・コメント等で反応を返送し共に振り返る
Return:学びを再編集して次の実装へ
という循環で、教材が「使われて終わり」にならず、学びが改良され続けるモデルとして明示されています。

3) 先生方の専門性(授業観)も更新する「教員研修・校内文化」への波及
ケーススタディは、子どもだけでなく、教員が権利基盤・参加型・PBL型のインクルーシブ教育へ踏み出すプロセス(校内での学習文化づくり)も対象にしています。
“単発イベント”ではなく、学校文化として継続可能な枠組みである点が、国際知見としての価値になっています。

経済産業省採択事業としての展開:全国50校超へ、先生の負担を最小化して実装
なかよし学園の「世界とつながる学び」は、児童生徒の成果物を“未来の架け橋教材”として海外の現場で実装し、その反応を教室へ還す往還型(CoRe Loop)プログラムです。
2025年度は 経済産業省 「探究・校務改革支援補助金」採択事業として、全国50校以上規模で展開していることが、公開情報として明記されています。
さらに、広島特別支援学校の実践は、制作物が海外で活用される“実装”としても継続的に報告されており、教材(福笑い等)がカンボジア避難民支援の学びと交流の場を支えた事例が公開されています。
この「国内の学び→国際現場での実装→教室へのフィードバック」が、今回の国際掲載内容とも整合する“実証の連鎖”になっています。

今後の取り組み:国際掲載を“称号”で終わらせず、現場の再現性へ
今回の掲載は、なかよし学園の取り組みが「インクルーシブ教育の実践知」として国際的に参照されうる形で整理されたことを意味します。
私たちはこれをゴールではなく、次の改善サイクルの起点と捉えます。
・特別支援学校・通常校・フリースクール等を横断する“普遍的実装モデル”として、導入プロトコルと教材化手順を整備
・評価(学習者のエージェンシー/学校文化/相互交流の質)を、現場負担を増やさずに蓄積
・海外パートナーとともに、「支援」ではなく「関係」を生む往還を拡張
“支えられる学び”が、“誰かを支える学び”に転じたとき、教室は社会につながり、そして世界とつながります。なかよし学園は、この循環を日本各地の学校とともに、さらに確かな教育の基盤として育てていきます。

代表メッセージ(なかよし学園プロジェクト 代表 中村 雄一)
今回、私たちの「世界とつながる学び(CoRe Loop)」が、UNESCO×European Agency for Special Needs and Inclusive Education の国際知見基盤「Inclusive Education in Action」にケーススタディとして掲載されたことを、心からありがたく受け止めています。これは“称賛”というよりも、現場で積み重ねてきた実装が、世界の教育関係者が参照できる「再現可能な知」として整理された、という事実です。私たちにとっては、次の改善と拡張に向けたスタートラインです。
なかよし学園が一貫して問い続けてきたのは、インクルーシブ教育を「守るべき理念」で終わらせず、「現場で機能する仕組み」にできるか、ということでした。特別支援学校を含む多様な学びの場では、子どもたちはしばしば“支援される側”として語られがちです。けれど本当は、誰もが誰かの人生を支える力を持っている。私たちはその力を、教室の中で、世界の現場とつなげながら立ち上げたいと思っています。
CoRe Loopは、教材やメッセージを「作って終わり」にしません。日本の教室で生まれた学びを海外の現地で実装し、そこで生まれた反応や声を、写真・動画・コメントとして“里帰り”させ、教室で振り返り、次の実践へつなぐ。——この往復によって、子どもたちは「世界は遠いニュースではなく、関係を結び直せる現実だ」と体感します。支援は一方向ではなくなり、学びは知識ではなく行動になり、そして“自分にもできる”という自己効力感が、確かな手触りを持って育っていきます。


この取り組みは学校だけで成立しません。経済産業省の採択事業として、全国の学校と連携し、先生方の負担を増やしすぎずに実装できる形へ磨いてきました。教育は、熱意だけでは続きません。続けるためには、設計が必要です。誰が、いつ、何を、どの順番でやれば、学びが現地で役に立ち、フィードバックが戻り、次の学びが立ち上がるのか。私たちはその「続く構造」をつくることに、執念を持って取り組んできました。日本中に数多ある海外との取り組みの中で、「本物」を目指し、生徒児童たちに提供する。私たちの「世界とつながる学び」は単なるボランティアでも、スタディツアーでもありません。世界を平和にする「活動」です。だからこそ、国際連合はじめ多くの世界評価をいただいています。この活動に子どもたちが関わることによって未来のリーダーが成長し、日本を、世界を支えてくれます。そんな未来を目指してなかよし学園はこの取り組みを続けます。
今回の国際掲載は、その構造が、特別支援教育と国際教育協働をつなぐ実装モデルとして、世界と共有できる地点に来たことを示しています。しかし、ここがゴールではありません。これから私たちは、特別支援学校だけでなく、通常校、フリースクール、地域の学びの場へと、より広くこの循環を開いていきます。誰もが世界に挑戦でき、誰もが誰かの希望になれる教育環境を、全国の先生方、子どもたち、地域の皆さんと一緒に築いていきます。
「支援される側」から「支援する側」へ。
その転換は、子どもたちの人生の主語を取り戻します。
そして、教育が平和を“願うもの”から“つくるもの”へ変える力になる——私たちは、その可能性を信じ続けます。

関連リンク:Inclusive Education in Action(IEA)掲載ページ
本ニュースリリースでお知らせした UNESCO×European Agency for Special Needs and Inclusive Education の国際知見基盤「Inclusive Education in Action」 に掲載された、なかよし学園のケーススタディ本文は以下よりご覧いただけます(英語)。
「From being supported to becoming supporters: A return-loop inclusive learning model linking a Japanese special needs school and children in conflict-affected countries」
団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
所在地:〒270-0021 千葉県松戸市小金原4-14-14
代表者:中村 雄一
事業内容:教育支援・平和/防災教育、探究学習の設計運用、海外(アフリカ・中東・アジア)での教育協働
本件に関するお問い合わせ
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局・広報)
担当:中村 里英
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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