消費者の76%が複数ブランドを取り扱う販売店で、購入または情報収集を行う傾向
収益力向上のため、直営店とマルチチャネル店舗の細かな最適化が求められる
欧州系最大級のグローバル戦略コンサルティングファームであるローランド・ベルガー(本社:ドイツ、ミュンヘン)は、ドイツ、米国、日本の1,800 人以上の消費者を対象に、衣料品、靴・靴下、アクセサリー、美容・セルフケア用品におけるショッピング行動を調査したレポート「流通戦略を再考する」を発表しました。
本調査によると、消費者はファッション、美容、スポーツ用品等のショッピングの際に、複数のブランドを提供する販売店(マルチブランド チャネル)を好むほか、購入前に他のチャネルを経由する購買経路の傾向が明らかになりました。
小売業界において、企業は直営販売(Direct to Consumer – D2C)を通じ、ブランド管理、消費者データ、潜在的には高い利益率を得てきましたが、近年は直営販売による売り上げ成長率は下降傾向にあります。実店舗、オンランショップともに質の高い消費者体験を生み出すためには、テクノロジーや人材などの大きなコストも負担となっています。それに加え、チャネルを通じた一体的な消費者体験が損なわれないようにする必要があります。このような事業環境の変化に対し、多くの企業がチャネル戦略の見直しを図っています。
本調査では、各国の10の大都市、中規模自治体、地方を含むデータを収集し、性別、年齢、地理的位置、回答者の支出行動ごとにデータを分類しました。これにより、ローランド・ベルガーは、チャネル戦略を検討する小売り企業に、基盤となる最新の有益な消費者情報を提供することができるようになりました。たとえば、回答者が挙げた約27のブランドに関するデータは、それぞれのセクターの最大手企業を表しています。必要に応じて、企業のパフォーマンスを 27 社全体、特定の同業グループ、または個々のブランドと比較することも可能です。
本調査結果の抜粋は以下の通りです。
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調査に回答した84% の消費者が、製品に関する情報収集と購入の両段階において、実店舗またはオンラインのマルチブランド チャネル利用していました。この傾向はドイツが最も高く89%、米国が85%、日本が最も低く76%となりました。
直営店での購入では6割以上、マルチブランド チャネルでの購入では4 割以上の消費者 が、購入前に別の販売経路で情報収集を行っていました。
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購入までに複数の販売チャネルを経由する傾向があり、その傾向は年齢が若い層ほど強いことが明らかになりました。マルチブランドを扱う実店舗で購入した回答者のうち、事前に直営店の実店舗で情報収集を行ったのは35歳までのグループで27%だったのに対し、51歳以上のグループでは12%にとどまりました。
本調査を実施したローランド ・ベルガーのパートナーで小売り業界に精通するファリス・モマニは、次の2点を指摘しています。
「第一に、直営店は今後も企業の総合的な戦略において重要な位置づけであることは変わりません。そして第二に、複数のチャネルを統括するオムニチャネル流通アプローチによってのみ、消費者の嗜好の複雑さを完全に捉え、最適な消費者体験を提供することが可能となります。企業は、消費者への理解を深め、既存の販売チャネルの適合性を評価し、流通戦略を再調整することで、直営店とマルチブランドチャネルの両方の長所を活用していけるでしょう。」
ローランド・ベルガーの最新のショッピング行動に関する調査のレポート「流通戦略を再考する」(英文)はこちらのフォームからダウンロードしてご覧いただけます。
本調査方法の詳細
・調査期間 :2024年4月17日~2024年4月22日
・調査機関:ローランド・ベルガー
・調査対象:日本、米国、ドイツの10の大都市、中規模自治体、地方の消費者
・有効回答数:1,800名
・調査方法:オンラインによる選択回答。結果は、性別、年齢、地理的位置、回答者の支出行動ごとにデータを分類。
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