国内初となる大型壁面でのETFEフィルム使用

透光性があり、屋根からは柔らかな光が注ぐ、ダスキンくりはら新社屋

太陽工業株式会社

ETFEフィルム膜が採用された社屋前面のアトリウム部分

 大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業株式会社(東京本社:東京都世田谷区、大阪本社:大阪市淀川区、社長:能村 祐己、以下:太陽工業)は、このほど竣工した株式会社ダスキンくりはら(本社:埼玉県比企郡、代表取締役:栗原 一博)本社新社屋の大型壁面に、高透明で軽いETFEフィルムを導入しました。ETFEフィルムは窓や壁としての使用例はなく、国内では初めての事例となります。当社では今後、本事例をモデルに、ETFEフィルムの新たな活用方法として積極的に採用を提案していく計画です。なお、新社屋の屋根にはPTFEガラス繊維膜材※1を使用しており、正面からは透光性があり、屋根からは柔らかな光が注ぐ空間を作り出しています。

膜屋根が採用された社屋前面のアトリウム部分

■白江建築研究所 代表取締役社長 白江 龍三様 コメント

 建築計画に当たっては常に高機能な素材を探していますが、今回はオフィス南面のアトリウムの窓にETFEフィルムを採用しました。コストを意識しつつ、強度が高く、ガラスのように割れることがなく、光を透過する素材としてETFEを採用し、安全性を担保した明るい空間を実現しました。今後の建築物におけるETFEフィルムの可能性としては、幼稚園や保育園の半屋外空間や、工場における食堂やオフィス・厚生施設等での明るい空間作り、役所や役場や交通インフラなどの公共空間での活用が考えられます。基本的に光の透過率が高く、紫外線等の調整もできるので、動植物が関連する建築でも活用が期待できます。

■高機能フッ素樹脂ETFEフィルムについて

 ETFEフィルムはフッ素樹脂をフィルム状に圧延したもので、ガラスに代わる新しい建築表現が可能な材料として注目されており、日本では現在、有明地区へ移設している新豊洲Brilliaランニングスタジアムの屋根や2024年2月にオープンした広島新サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島)の庇(ひさし)に使用されています。

 今回使用したETFEフィルムは、わずか500μm(マイクロメートル=0.5㎜)の薄さで、重量874g/㎡と超軽量です。ガラスと比較すると製造工程でCO2排出を大きく低減できるほか、輸送による環境負荷も大きく減らすことができる素材です。膜構造の特徴である変形追随性に優れているため、建築躯体への負荷を軽減し耐震性に優れています。

<主な特長>

①耐久性

厚さ0.5㎜にも関わらず、耐久性は25年程度あり、防炎性能を有しているため、建築基準法22条地域でも用途によって使用可能です。

②透明性

紫外線・可視光・赤外線のすべての領域で高い光線透過率(*500NJ(透明・500μm)の可視光透過率86.8%)を保持しています。フィルム種類(透明、梨地、ホワイト、ブルー、ドットプリントなど)の使い分けで、透過する光をコントロールできます。

③耐震性

ETFEフィルム(500μm)の重さは約874g/㎡と一般的な他の建材と比較して軽量です。従来の膜構

造と同様に、建築躯体への負荷を軽減して大幅に耐震性を向上させることができます。また、変形追

従性に優れ、ガラスのように割れて破片が飛び散ることもなく、内部空間が安全になります。

新豊洲Brilliaランニングスタジアム(有明地区へ移設中)

広島新サッカースタジアム(エディオンピースウイング広島)

■ZEB認証取得の環境に配慮された建物

 本建物はZEB認証を取得した環境に配慮された建物となっています。ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称であり、「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」※2、と定義されています。

 本建物は、オフィス部分は高断熱と高効率熱交換機等でZEBを実現し、アトリウムは自然換気を使用した半屋外空間として楽しい・イベント空間を実現しています。屋上には太陽光発電や蓄電池を設置し、災害時にライフラインが途絶えても24時間は規定の生活ができる設備を備えています。

■ダスキンくりはら本社新社屋 建築物の概要

・施主:株式会社ダスキンくりはら

・設計:株式会社白江建築研究所

・施工:伊田テクノス株式会社

・膜構造: 太陽工業株式会社

・着工:2022年11月

・完工:2024年1月

・規模(建築面積):585.57㎡

   (延べ面積):1321.12㎡

・構造:鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造 地上3階建て

・規模(膜面積):壁面 346㎡(ETFEフィルム)、屋根 268㎡(PTFEガラス繊維膜)

<注釈>

※1 PTFE膜材(四フッ化エチレン樹脂コーティング膜)は、ガラス繊維織物にフッ素樹脂をコーティングした複合材料

※2 経済産業省資源エネルギー庁「ZEBロードマップ検討委員会とりまとめ」(平成27年12月)

■太陽工業株式会社について

 太陽工業は、経済性、施工性、透光性、デザイン性に優れた大型膜面構造物のリーディングカンパニーです。「膜の無限の可能性を引き出し、お客さまに感動と快適な環境をお届けします。」の企業理念のもと、軽くて丈夫な素材の特性を活かし、巨大ドームの屋根に象徴される各種建築事業をはじめ、土木や物流、さらには環境分野などにも事業を展開し社会の安全・安心を支えています。

 イベントコンサルティングのTSP太陽株式会社ならびに施設運営のアクティオ株式会社をはじめとするグループ会社とともに「世界を、やわらかく。未来を、あたたかく。」することを目指しています。

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会社概要

太陽工業株式会社

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URL
https://www.taiyokogyo.co.jp
業種
製造業
本社所在地
大阪府大阪市淀川区木川東4-8-4 太陽工業本館
電話番号
06-6306-3033
代表者名
能村祐己
上場
未上場
資本金
25億7059万円
設立
1947年10月