来庁不要の“顔パス定期券”を加賀市の乗合タクシーで実用化へ
~国内最大級の市民利用率である顔認証IDを、病院などの施設利用に続き交通にも展開~
ELEMENTSグループの株式会社Liquid(本社:東京都中央区、代表取締役:長谷川 敬起、以下「Liquid」)は、国家戦略特区の石川県加賀市が推進する「乗合タクシー×顔パス」実証事業に採択され、2025年10月1日より実証実験を開始しました。2026年春の本格開始を予定しています。本事業では、マイナンバーカードで本人確認した情報をもとに顔認証などを行うデジタルIDウォレット「PASS」に定期券情報を紐づけ、本人確認と定期券提示を“顔ひとつ”で可能にします。PASSはすでに市内の医療施設、屋内公園、避難所などに導入され、開始から約1年半で市民の約6%が利用しています。マイナンバーカードを活用した顔認証IDウォレットの市民利用率としては、地方自治体のなかで国内最大級であり、こうした社会実装の成果が評価され、今回の採択に至りました。
PASSのWebサイト https://liquidinc.asia/smartcity/


背景:高齢者を中心に年間2万人が利用する乗合タクシーの利用者支援と運用効率化の課題
加賀市では2024年8月より、AIが利用者の予約に合わせて、リアルタイムで最も効率的な車両を自動的に手配するAIデマンド型の乗合タクシーを導入しています。利用者数は導入前の約1.5倍となる2万人に増え、特に高齢者層の利用が中心となっています。一方で、チケット費用の負担が課題となっており、加賀市は新たに定期券制度の導入を決め、利用者支援と持続可能な運行のための運営効率化に向けた「顔パス定期券」の実証を行うに至りました。
実証事業の概要
本実証では、地域住民、とくに高齢者の健康増進に向けて、乗合タクシーを継続利用して外出の機会を増やすことができるよう、定期券制度を新設し、PASSによる顔認証で本人確認と定期券確認を一体的に行える仕組みを構築します。将来的に紙チケットの発行や提示を不要とすることで、利用者の利便性を高めるとともに、運営側の確認業務の簡略化も図ります。医療や子育て、防災分野で実績のあるPASSを交通にも展開し、誰一人取り残されないデジタル化(DX)を進め、移動困難者を生まないまちづくりにつなげます。

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事業名 |
「乗合タクシー×顔パス」実証事業 |
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実施期間 |
2025年7月1日~2026年1月30日 |
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本格運用 |
2026年春開始予定 |
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対象エリア |
加賀市内のAIデマンド型乗合タクシー路線 |
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狙う効果 |
利用者 ・定期券制度の導入による費用面での負担軽減、継続的な利用の促進 ・高齢者の外出機会の増加を通じた社会参加や、フレイル(心身の衰え)、介護予防への寄与 加賀市 ・ドライバーの負担軽減と担い手不足対策、運行効率の向上 |
<流れ>
利用者はまず、マイナンバーカードによる本人確認と顔写真の登録を行いPASSアプリにアカウントを作成します。次に、本人か家族が、市役所やショッピングセンター(アビオシティ加賀)などで定期券を購入し、その情報をPASSアプリに紐づけします。利用者は、乗車時に定期券やスマートフォンの提示が不要で、顔をかざすだけで本人確認と定期券確認を同時に完了できます。

<ポイント>
・本人来庁不要の“顔パス定期券”
定期券の購入手続きに必要な本人確認はオンラインで完結するため、本人が窓口へ出向く必要はなく、家族が代理で手続きを行うことも可能です。乗車時は顔認証で本人確認し、定期券の携帯を不要とします。マイナンバーカードと顔認証を組み合わせた本人確認機能を交通機関に実導入し、将来的な決済機能の導入も見据えたオンライン完結の取り組みは全国でも限られています。
・1回の登録で複数サービスや施設を手ぶらで利用できる
PASSは、1つの顔認証IDで、医療、防災、子育てといった生活インフラを横断的にカバーし、市民を対象に実用化している点に革新性があります。今回、交通にも展開し、従来のIC乗車券やMaaSアプリとは異なる特長を備えています
・スマホを持たない人でも利用できる
PASSは、家族のアカウント連携や、職員による代理登録・申請用のアプリの提供にも対応し、誰でも登録できる仕組みを提供します。
加賀市政策企画部企画課担当者のコメント
加賀市では、高齢化が進むなか、すべての市民が安心して移動できる交通環境の整備が重要な課題となっています。これまでもAIデマンド型乗合タクシーの導入などに取り組んできましたが、頻繁に利用される高齢者にとっては、費用負担が課題でした。今回の実証で活用される「PASS」は、既に市内の医療施設や避難所などで利用実績があり、利用する市民に親しまれていることから、安心して導入できる仕組みだと考えています。顔認証によって手続きが簡略化されることで、より多くの方にとって使いやすい公共交通になることを期待しています。
■デジタルIDウォレット「PASS」について
「PASS」は、氏名や住所、生年月日、資格、資産、健康情報など、自分や家族に関する情報を一元管理できるスマートフォンアプリです。サービスごとの情報登録や本人確認の手間を減らし、施設の受付では本人確認書類の提示なしで顔認証やスマホでQRコードを読み取り本人確認が可能です。デジタル田園都市国家構想※1と親和性が高く「誰一人取り残されない」DXの先行事例として、避難所や自治体施設における本人確認・受付の仕組みを構築しています。これらの取り組みを背景に、ELEMENTSグループは日本スタートアップ大賞2024※2で総務大臣賞を受賞しています。
Webサイト: https://liquidinc.asia/smartcity/
イメージ動画: https://youtu.be/X8JaWfedGNA
※1デジタル田園都市国家構想とは、「デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されずすべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する」構想。(参考:内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/index.html)
※2 日本スタートアップ大賞とは、次世代のロールモデルとなるような、インパクトのある新事業を創出した起業家やスタートアップを表彰する制度。有識者等で構成される審査委員会において受賞者を決定。(参考:経済産業省 「「日本スタートアップ大賞2024」の表彰式を行いました!」 https://www.meti.go.jp/press/2024/07/20240722003/20240722003.html)

■加賀市について
加賀市は、市民がデジタル技術を活用して便利で快適にすごせるまちを目指す「スマートシティ加賀」を進めており、デジタル技術で人口減少など地域の課題に重点的に取り組む自治体として、国家戦略特区の一つである「デジタル田園健康特区」に指定されています。2024年3月より、マイナンバーカードと生体パスポート(顔認証)を活用し、市内の様々な施設を“顔パスによる手ぶら”で利用できるようにする「加賀市版スマートパス構想」の本運用を開始しています。
URL:https://www.city.kaga.ishikawa.jp/
■株式会社Liquidについて
Liquidは、生体認証を活用し、認証を空気化することで、世界約80億人全ての人があるがままの状態であらゆるサービスを簡単・安全に使える、なめらかな世界の実現を目指しています。また、金融の取引時確認(犯罪収益移転防止法)、携帯電話契約(携帯電話不正利用防止法)、中古品買取(古物営業法)、不動産取引、CtoC取引などにおける本人確認のオンライン化の流れに合わせ、業界や導入事業者をまたがって横断的に不正検知を行う仕組みを提供し、利便性とセキュリティの両面を追求して参ります。
所在地:東京都中央区日本橋本町3-8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3 5階
代表者:代表取締役 長谷川 敬起
設立:2018年12月
事業内容:生体情報、生体行動に特化した画像解析・ビッグデータ解析(LIQUID eKYC、LIQUID Auth等)
Webサイト: https://liquidinc.asia
サービスサイト:
身元確認サービス「LIQUID eKYC」https://liquidinc.asia/liquid-ekyc/
当人認証サービス「LIQUID Auth」https://liquidinc.asia/liquid-auth/
デジタルIDウォレット「PASS」 https://liquidinc.asia/smartcity/
外国人向けデジタルIDウォレット「GPASS」https://liquidinc.asia/gpass/
■株式会社ELEMENTSについて
所在地:東京都中央区日本橋本町3-8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3 5階
代表者:代表取締役会長 久田 康弘
代表取締役社長 長谷川 敬起
証券コード:東証グロース市場 5246
設立:2013年12月
事業内容:生体認証・画像解析・機械学習技術を活用した個人認証ソリューション、衣食住における個人最適化ソリューション、個人情報を管理するクラウドサービスの開発・提供
Webサイト: https://elementsinc.jp/
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