25~39歳女性の「肌のうるおい」も高まっていることを発見
女性の活躍が飛躍的に高まった平成時代
株式会社ポーラ(本社:東京都品川区、社長:横手喜一)は、平成2年5月から蓄積してきた全国のスキンチェックデータの中から、角層細胞分析法ならびに解析手法が同一である平成11年2月~平成30年12月、約20年間の「肌のうるおい」に関するデータを解析したところ、25~39歳女性の「肌のうるおい」が年々高まっていることを発見しました。平成時代、25~39歳の女性は急激に就労率が高まり、未婚率も増加するなど生活スタイルが大きく変化し、仕事、家事、育児と多忙な世代であるにもかかわらず、肌のうるおいは高まり続けています。女性活躍推進が加速する令和時代、様々なことにチャレンジする女性が増え、それによって美容意識や行動が変化し、肌のうるおいや美しさはさらに高まるであろうと期待されます。
この事実は、30年もの間、47都道府県・年齢別の肌データを見続けてきたポーラが所有する約1,800万件(2019年1月現在)の肌のビッグデータの解析から捉えたものです。さらに、本リリースの結果について、マーケティングライターの牛窪 恵氏よりコメントを頂戴しています。
平成女性の生活スタイルにおいて大きく変化したことは、就労率がM字カーブから台形へ変化したことです。平成初期は、25~39歳は寿退社、第1子出産退職が一般的でしたが、30年後(平成後期)には、未婚者が増え仕事でキャリアを積み、また結婚・出産しても仕事を続ける女性が当たり前のようになっています。当然、多忙な世代であり、人間関係も複雑となり、ストレスも増加しているため、肌のうるおいは低下していると予想されましたが、結果は逆となり、うるおいは高まっていました。なぜ、高まったのでしょうか。
■美容手段の多様化
平成初期の若い世代は、夏はアウトドアで小麦色の肌になることが美しいとされていました。しかし、中期(2000年)以降、急激に美白意識へと変化し、UVケアが定常化し日ヤケによる肌のカサつきが抑えられようになりました。また、韓国Kビューティーへの注目度も中期以降、徐々に高まり、今や「シートパック」による保湿も一般化しています。ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査 2017 スキンケア篇」によると、シートパックの「毎日」あるいは「週に5~6回くらい」の使用率は、中高年と比べて20~30代は高い傾向にあります。さらに、エステに対する意識も、「ご褒美・非日常」であったのが、今では「エイジングケアの日常化」へと変化しています。当社におけるエステ顧客の20~30代が増加していることからも裏付けられます。このように、多様化する美容手段を積極的に取り入れていることも、うるおいが高まっていった要因と考えられます。
■スキンケア意識の変化
ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査~スキンケア・メーク篇2010」(平成22年)によると、スキンケア化粧品の重視度を年代別にみると、20代後半が重視者の割合が最も高く、30代後半以降は年齢が上がるごとに重視者の割合は少なくなるという調査結果があります。また、スキンケア化粧品の重視度は年々増加傾向にあり、若年層ほど素肌を大切にする傾向が高まってきています。さらに、専業主婦よりも有職者、特に正社員は、1か月のスキンケア投資額が高い傾向にあることから女性の社会進出が、メークなどの見た目だけではなく、素肌への意識をも高め、それがうるおいアップという結果をもたらしたのではないかと考えられます。
マーケティング会社・インフィニティ代表取締役。立教大学大学院にて、修士(経営管理学/MBA)取得。財務省財政制度等審議会専門委員。トレンドやマーケティング関連の著書多数。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネートされる。NHK「所さん!大変ですよ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」、毎日放送「ミント」などでのコメンテーター等としても活躍。今年8月20日には、光文社より「なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?」(共著)が発売に。
<より賢く積極的な素肌のお手入れへ>
スキンケアアイテムの母娘使用に注目しています。
今回のポーラがもつビッグデータの解析結果を見て、まず、私自身が最近注目している「スキンケアアイテムの母娘使用」の影響を感じました。これは90年代後半から始まった傾向で、エイジングケアなどを積極的に行う母のスキンケアアイテムを、娘が一緒に使うというものです。未婚女性では、20代で約8割以上、30代では約7割以上が両親と同居しているというデータもありますが、若い頃から、母の丁寧なスキンケアを上手に真似してきた25〜39歳の女性たちは「肌のうるおい」がアップしていったという考察もできるのではないでしょうか。母世代は「もっとケアをしておけばよかった」「若い頃に日ヤケをしなければよかった」など自身の後悔をもつ世代のため、娘世代への美容アドバイスや化粧品のシェア使いにも積極的です。
素肌に対してもつ、高い意識。
美容情報の質と量がアップしている影響もありそうです。平成中期(2000年前後)には、アットコスメ(1999年12月サービス開始)や美容専門雑誌が創刊され(美的、VOCEともに2001年~)、女性たちに届く美容知識が爆発的に増えました。そんな情報を上手に活用しながら、ドラッグストアやネットでの通信販売においても自分の肌に合った化粧品を選択できるようになり、その結果うるおいが高まったと予想されます。
さらに、SNSの普及による影響も大きいですね。「盛りアプリ」などで目の大きさやメークの印象を手軽に自由自在に変えることが流行りましたが、最近ではナチュラル傾向に落ち着いてきていて、「盛りすぎの一歩手前」が好まれるようです。そんな中、「すっぴんを投稿する」などの流行は見逃せません。もともと肌がキレイな女性だと思われたい意識は、以前よりも高まっているのではないでしょうか。最近の若い世代では、「工夫しながらきちんと行う」ことが評価されます。素肌の美しさは、この「工夫して、きちんと手をかける」ことにつながるため、メークなどでは安価なプチプラコスメや面白いアプローチの新製品などを活用しながらも、スキンケアは母の高級スキンケアを借用したり、SNS動画などでケア法を調べ、丁寧に時間をかけたりしているのではと思います。
将来の肌を見据え、賢く積極的なお手入れへ。
現代の20〜30代は、将来への不安がとても強い層で、何かを選ぶ際には「今よりも老後のため」「いずれ結婚して生まれてくる子どものため」など、先々を考えてお金を使う世代です。とても慎重ですが、いいものは分かる世代で、その効果の違いも感じています。コストパフォーマンス重視は単なる節約志向とは違い、効果も含めてトータルでお得なものを選びたいということ。美容について言えば、放っておくと年齢を重ねた後に大変になるだろうと理解しているので、将来の肌を考えて予防したり、スキンケアチェックしたりと、意識もとても高いと思われます。忙しい毎日でありながら、時短コスメやエステなどをメリハリをつけながら組み合わせ、賢く積極的にお手入れを続けているのではないでしょうか。素肌の美しさに対して持つ高い理想と、自分との差に葛藤しながらも、日々のケアを上手に積み重ねている結果が、今回のデータに現れていると思います。
はがれる(重層剥離)ことをポーラ研究所が発見し、角層細胞のはがれ具合を5段階スコアで分析する角層分析法を
確立(平成3年 SCCJ(日本化粧品技術者会)優秀論文賞)。この分析法で求められた日本女性の角層細胞のはがれ具合のスコアを、月別の加重平均値として算出し、回帰分析検定を行った。
平成2年5月~平成31年4月の約29年間、初回スキンチェック、25~39代女性、計2,882,489件のうち、角層細胞の画像解析手法が同一となった平成11年2月~平成30年12月のデータについて12か月移動平均法による検定にて
統計学的に確認し、うるおいの変化とした。
<資料のダウンロード>
https://prtimes.jp/a/?f=d36737-20190918-7284.pdf
“なぜ、25~39歳の女性の「肌のうるおい」は高まっているのか”
平成女性の生活スタイルにおいて大きく変化したことは、就労率がM字カーブから台形へ変化したことです。平成初期は、25~39歳は寿退社、第1子出産退職が一般的でしたが、30年後(平成後期)には、未婚者が増え仕事でキャリアを積み、また結婚・出産しても仕事を続ける女性が当たり前のようになっています。当然、多忙な世代であり、人間関係も複雑となり、ストレスも増加しているため、肌のうるおいは低下していると予想されましたが、結果は逆となり、うるおいは高まっていました。なぜ、高まったのでしょうか。
■美容手段の多様化
平成初期の若い世代は、夏はアウトドアで小麦色の肌になることが美しいとされていました。しかし、中期(2000年)以降、急激に美白意識へと変化し、UVケアが定常化し日ヤケによる肌のカサつきが抑えられようになりました。また、韓国Kビューティーへの注目度も中期以降、徐々に高まり、今や「シートパック」による保湿も一般化しています。ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査 2017 スキンケア篇」によると、シートパックの「毎日」あるいは「週に5~6回くらい」の使用率は、中高年と比べて20~30代は高い傾向にあります。さらに、エステに対する意識も、「ご褒美・非日常」であったのが、今では「エイジングケアの日常化」へと変化しています。当社におけるエステ顧客の20~30代が増加していることからも裏付けられます。このように、多様化する美容手段を積極的に取り入れていることも、うるおいが高まっていった要因と考えられます。
■スキンケア意識の変化
ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査~スキンケア・メーク篇2010」(平成22年)によると、スキンケア化粧品の重視度を年代別にみると、20代後半が重視者の割合が最も高く、30代後半以降は年齢が上がるごとに重視者の割合は少なくなるという調査結果があります。また、スキンケア化粧品の重視度は年々増加傾向にあり、若年層ほど素肌を大切にする傾向が高まってきています。さらに、専業主婦よりも有職者、特に正社員は、1か月のスキンケア投資額が高い傾向にあることから女性の社会進出が、メークなどの見た目だけではなく、素肌への意識をも高め、それがうるおいアップという結果をもたらしたのではないかと考えられます。
- 世代・トレンド評論家/マーケティングライター 牛窪 恵氏 コメント
牛窪 恵
マーケティング会社・インフィニティ代表取締役。立教大学大学院にて、修士(経営管理学/MBA)取得。財務省財政制度等審議会専門委員。トレンドやマーケティング関連の著書多数。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネートされる。NHK「所さん!大変ですよ」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、読売テレビ「ウェークアップ!ぷらす」、毎日放送「ミント」などでのコメンテーター等としても活躍。今年8月20日には、光文社より「なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?」(共著)が発売に。
<より賢く積極的な素肌のお手入れへ>
スキンケアアイテムの母娘使用に注目しています。
今回のポーラがもつビッグデータの解析結果を見て、まず、私自身が最近注目している「スキンケアアイテムの母娘使用」の影響を感じました。これは90年代後半から始まった傾向で、エイジングケアなどを積極的に行う母のスキンケアアイテムを、娘が一緒に使うというものです。未婚女性では、20代で約8割以上、30代では約7割以上が両親と同居しているというデータもありますが、若い頃から、母の丁寧なスキンケアを上手に真似してきた25〜39歳の女性たちは「肌のうるおい」がアップしていったという考察もできるのではないでしょうか。母世代は「もっとケアをしておけばよかった」「若い頃に日ヤケをしなければよかった」など自身の後悔をもつ世代のため、娘世代への美容アドバイスや化粧品のシェア使いにも積極的です。
素肌に対してもつ、高い意識。
美容情報の質と量がアップしている影響もありそうです。平成中期(2000年前後)には、アットコスメ(1999年12月サービス開始)や美容専門雑誌が創刊され(美的、VOCEともに2001年~)、女性たちに届く美容知識が爆発的に増えました。そんな情報を上手に活用しながら、ドラッグストアやネットでの通信販売においても自分の肌に合った化粧品を選択できるようになり、その結果うるおいが高まったと予想されます。
さらに、SNSの普及による影響も大きいですね。「盛りアプリ」などで目の大きさやメークの印象を手軽に自由自在に変えることが流行りましたが、最近ではナチュラル傾向に落ち着いてきていて、「盛りすぎの一歩手前」が好まれるようです。そんな中、「すっぴんを投稿する」などの流行は見逃せません。もともと肌がキレイな女性だと思われたい意識は、以前よりも高まっているのではないでしょうか。最近の若い世代では、「工夫しながらきちんと行う」ことが評価されます。素肌の美しさは、この「工夫して、きちんと手をかける」ことにつながるため、メークなどでは安価なプチプラコスメや面白いアプローチの新製品などを活用しながらも、スキンケアは母の高級スキンケアを借用したり、SNS動画などでケア法を調べ、丁寧に時間をかけたりしているのではと思います。
将来の肌を見据え、賢く積極的なお手入れへ。
現代の20〜30代は、将来への不安がとても強い層で、何かを選ぶ際には「今よりも老後のため」「いずれ結婚して生まれてくる子どものため」など、先々を考えてお金を使う世代です。とても慎重ですが、いいものは分かる世代で、その効果の違いも感じています。コストパフォーマンス重視は単なる節約志向とは違い、効果も含めてトータルでお得なものを選びたいということ。美容について言えば、放っておくと年齢を重ねた後に大変になるだろうと理解しているので、将来の肌を考えて予防したり、スキンケアチェックしたりと、意識もとても高いと思われます。忙しい毎日でありながら、時短コスメやエステなどをメリハリをつけながら組み合わせ、賢く積極的にお手入れを続けているのではないでしょうか。素肌の美しさに対して持つ高い理想と、自分との差に葛藤しながらも、日々のケアを上手に積み重ねている結果が、今回のデータに現れていると思います。
- 分析法・分析期間・解析件数
はがれる(重層剥離)ことをポーラ研究所が発見し、角層細胞のはがれ具合を5段階スコアで分析する角層分析法を
確立(平成3年 SCCJ(日本化粧品技術者会)優秀論文賞)。この分析法で求められた日本女性の角層細胞のはがれ具合のスコアを、月別の加重平均値として算出し、回帰分析検定を行った。
平成2年5月~平成31年4月の約29年間、初回スキンチェック、25~39代女性、計2,882,489件のうち、角層細胞の画像解析手法が同一となった平成11年2月~平成30年12月のデータについて12か月移動平均法による検定にて
統計学的に確認し、うるおいの変化とした。
<資料のダウンロード>
https://prtimes.jp/a/?f=d36737-20190918-7284.pdf
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