ラベルレスペットボトルの消費者価値を実証
明治大学加藤拓巳専任講師と株式会社クロス・マーケティングが共同研究の成果をAsia Pacific Journal of Marketing and Logisticsで発表
明治大学商学部の加藤拓巳専任講師と株式会社クロス・マーケティングの共同研究「Balancing the environment and customer value: Evaluation of the attractiveness of label-free plastic bottles for green tea」がAsia Pacific Journal of Marketing and Logistics (Emerald Publishing)で出版されました。このジャーナルは、2022 Impact Factorが3.7で、Australian Business Deans Council (ABDC) Journal Quality ListにてAランクに位置しています。本研究は、ラベルレスボトルデザインが環境保護と同時に消費者価値に貢献する施策であることを実証したものです。
詳細:Asia Pacific Journal of Marketing and Logistics (Emerald Publishing)ホームページ
https://doi.org/10.1108/APJML-09-2023-0825
本研究のポイント
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消費者は、価格に見合った最大の価値を得たいという意識のもと、購入の意思決定をしている。よって、消費者価値を蔑ろにした環境施策は、消費者は受け入れにくい。例えば、環境問題の対策として導入された紙ストローは、性能と水への耐性が低い状況のため、ストローが使いにくいという苦情が生まれ、顧客から廃止するよう圧力をかけられている。よって、環境配慮と消費者価値を両立する商品開発が求められている。
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食品業界では、ラベルは、情報や感覚経験を提供する重要なマーケティングツールと認識されてきたため、ラベルレスという正反対の施策の導入がまだ限定的な状況である。そこで本研究は、日本市場の緑茶を対象に、「ラベルレスプラスチックボトルは、ラベルありの場合よりも、消費者は魅力を感じる」という仮説を立案した。
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直交表を用いたデザイン生成により、主要なデザイン要素を機械的に組み合わせることで、ラベルありボトルとラベルなしボトルの条件を揃えて検証を行った結果、仮説は支持された。
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ラベルレスプラスチックボトルは、以下3つの理由から、消費者価値を下げずに環境配慮を実現できる可能性がある。(1)素材が減るため、製造コストは下がり、消費者の価格負担が増えることはない。(2)紙ストローと異なり、飲料が飲みにくくなることがない。(3)環境に配慮した商品が受け入れられるには、視覚的に理解できることが重要である。消費者もラベルは環境に悪いことを既に意識しているため、ラベルレスは環境対策であることが容易に伝達できる。
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