【調査結果】性的自撮り画像の要求等8人に1人が経験、男性はオンラインゲームからの接触多く。子ども・若者約1700人の調査で判明
特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区、事務局長:武田勝彦)は、若者を対象にしたグルーミングに関する調査を行いました。調査結果から、オンラインで性的画像や面会等の要求を経験したことがある人は約8人に1人(12.4%)にのぼり、そのうち相談したのは4.7%にとどまることなどがわかりました。
高い水準で推移する児童ポルノに関する被害。「16歳未満の者に対する面会要求等(グルーミング)」の罪も新設。
警視庁によると、令和5年、児童ポルノに関する被害を受けた児童数は1,444人で、このうち児童が自ら撮影した画像の被害、いわゆる自撮りによる被害が527件と約4割にのぼっています。性的な目的のために子どもにやさしく接し、信頼関係を得る「グルーミング」も深刻化し、令和5年7月13日には、性犯罪の規定が改正され、「16歳未満の者に対する面会要求等」の罪が新設されています。
チャイルド・ファンド・ジャパンでは、これまでに、子どもたちを性搾取から守るための取り組みとして、生成AIによる子どもの性搾取画像の状況についてのシンポジウム「生成AIの子どもの権利への脅威」を開催。また、子どもや若者にグルーミングの注意喚起をするため、アニメーション動画の作成を行ってきました。
SNSの急速な普及により、性被害に巻き込まれる子どもたちの状況が今もなお深刻である中、チャイルド・ファンド・ジャパンはこの度、上記の取り組みの一環として、グルーミングに関する若者への調査を実施しました。
調査概要
調査名 若者を対象としたグルーミングに関する調査
調査期間 2023年12月22日〜2024年1月5日
調査対象 全国の15〜24才の男女
回答数 1,735名
調査方法 オンライン調査
実施体制 追手門学院大学との共同研究
若年層の約7割が知らないグルーミング。男性に多いオンラインゲームを通じての接触。
調査から明らかになった主な点は以下のとおりです。
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知らない人からチャットをもらう経験は女性の方が多いが、男性はオンラインゲームを通じての割合が高い。
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約8人に1人(12.4%)の人が性的自撮り画像や面会の要求経験があり、そのうち相談した割合はわずか4.7%。
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グルーミングについて約7割の若者が「知らない」と回答。15歳〜17歳は特に強い傾向。
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グルーミングへの対策については、「相談できる場所を増やす」に次いで「グルーミングについて知識を広め、被害者が被害を自覚しやすくする」という回答が得られた。
こうした結果を踏まえ、調査チームは、「SNSを利用した啓発キャンペーンなど、若年層のグルーミングに関する知識を広める必要性」、「特に、男性に対する、オンラインゲーム上でのグルーミングに対する注意喚起やキャラクターを使った啓発」、「相談所の存在の広報の必要性」などを提言としています。
その他の質問の回答結果、分析、提言、調査票など、詳細な調査報告は、以下で公開しています。
https://www.childfund.or.jp/blog/wp-content/uploads/2024/06/grooming_survey_ja.pdf
■引用・転載の際のクレジット表記のお願い
調査結果を引用・転載される際は、「特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン調べ」と、クレジットの記載をお願いいたします。
~チャイルド・ファンド・ジャパンとは~
1975年より、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長、家族と地域の自立を目指した活動を行う国際協力NGO。フィリピン、ネパール、スリランカを中心に、スポンサーシップ・プログラム(現地の子どもとの手紙のやりとりなどで成長を見守りながら支援するプログラム)などを通して、子どもたちを支援し続けている。また、11ヵ国のチャイルド・ファンドのメンバー団体で連携し、世界70ヵ国、2300万人の人々へ支援を届けている。
SDGsの目標1、3、4、5、16の達成につながる活動を行い、特に、目標16.2「子どもへの暴力をなくす」の達成に向けて、啓発・アドボカシー活動を通して「子どもの保護」の活動に力を入れている。
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