微細藻類ユーグレナおよび特有成分パラミロンが免疫細胞や神経細胞に作用することを示唆する研究結果を確認しました

 株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、東京医科歯科大学の安達貴弘准教授との共同研究により、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)およびその特有成分・パラミロンの腸管における影響をリアルタイムに観察し、食シグナル※1として免疫細胞や神経細胞に作用することを示唆する研究結果を確認しました。
 なお、今回の研究成果は、「日本農芸化学会2020年度大会」(3月25~28日開催※2)で発表し、優秀発表に選出されました。
※1 細胞内に情報伝達を活性化する食品成分のこと。細胞内カルシウム濃度を指標としている。
※2 日本農芸化学会2020年度大会は、2月26日に政府が発表した「大規模なスポーツや文化イベントなどについて中止か延期、または規模を縮小するよう要請する考え」に鑑み、大会並びに各種イベントのプログラムが中止となりましたが、大会ホームページ上での大会講演要旨集の掲載をもって発表は成立したとみなされています。
https://www.jsbba.or.jp/2020/
■研究の目的
 腸管は、食物の栄養を吸収するだけでなく、病原体を防御する免疫細胞や、末梢神経の半数以上が集まる臓器であり、生体の恒常性維持に大切な役割を果たしています。当社ではこれまでに、パラミロンの継続摂取が免疫バランスを保ち、疾患の発症を予防できる可能性※3や、ユーグレナの継続摂取が脳の状態に効果的に寄与すること※4などを報告しています。
 本研究は、これらの効果の作用機序の考察のために、ユーグレナおよびパラミロンが腸管内において認識される機構を研究しました。具体的には、細胞内の情報伝達に関わるカルシウム(以下Ca2+)濃度の変化を指標として、ユーグレナおよびパラミロンが、①免疫細胞の一種である樹状細胞※5や②腸管の知覚神経細胞に与える影響を確認しました。
※3 2014年4月17日のリリース https://www.euglena.jp/news/n20140417/
※4 2019年5月28日のリリース https://www.euglena.jp/news/20190528/
※5 免疫細胞の一種であり、侵入した異物を取り込み分解して、他の免疫細胞を活性化させるために指令を出す細胞。

■研究の内容と結果
①ユーグレナおよびパラミロンは免疫細胞に作用することが示唆されました
 カルシウムバイオセンサー※6を免疫細胞の一種である樹状細胞に発現させた遺伝子改変マウスを用いて、小腸パイエル板※7に局在する樹状細胞の細胞内Ca2+濃度変化を観察しました(図1)。ユーグレナおよびパラミロンをマウス腹腔内に投与すると、小腸パイエル板に局在する樹状細胞においてCa2+濃度の上昇が確認され、その上昇はユーグレナよりもパラミロンで強く確認されました。このことから、ユーグレナに含まれるパラミロンが主要な関与成分として免疫細胞に作用することが示唆されました。
※6 カルシウムバイオセンサーYellow Cameleon 3.60 (YC3.60))は、1分子内にシアン蛍光蛋白質(CFP)と黄色蛍光タンパク質(YFP)を持ち、カルシウムに依存して構造変化を起こして2つの蛍光タンパク質が隣接し、CFPのみを励起した時に蛍光共鳴エネルギー移動により蛍光がシアンから黄色に変化する。YC3.60は2つの蛍光タンパク質(YFP/CFP)の蛍光強度の比により、細胞内Ca2+濃度をモニターできるバイオセンサーで、神経細胞や免疫細胞などにおいて、さまざまな情報伝達が行われる時にセカンドメッセンジャーとして利用される細胞内Ca2+の濃度変化を可視化することができる。
※7 小腸に局在するパイエル板は、リンパ球や樹状細胞が集積する末梢リンパ組織である。

図1:小腸パイエル板の免疫細胞におけるCa2+濃度の変化
※パラミロンおよびユーグレナを投与後に、細胞内Ca2+濃度が上昇した免疫細胞の細胞数を調べたところ、パラミロンでは全体の78.9%、ユーグレナでは全体の31.2%の免疫細胞が活性化した。 

② ユーグレナが腸管の知覚神経に作用することが示唆されました
 カルシウムバイオセンサーを神経細胞に発現させた遺伝子改変マウスから採取した後根神経節由来の神経細胞※8を用いて、知覚神経細胞の細胞内Ca2+濃度変化を確認しました(図2)。知覚神経細胞にユーグレナを添加すると、Ca2+濃度の上昇が確認されました。一方で、パラミロンを添加したときには、Ca2+濃度の変化は見られませんでした。このことから、ユーグレナに含まれるパラミロン以外の成分が腸管の知覚神経に作用することが示唆されました。
※8 後根神経節は、末梢からの感覚情報の中継点として機能する神経細胞の集団のこと。

図2:腸管の知覚神経細胞におけるCa2+濃度の変化
※ユーグレナを添加すると、細胞内Ca2+濃度が高くなる細胞が確認された(赤)。

<微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
ユーグレナ(和名:ミドリムシ)は、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。ユーグレナが含まれる「からだにユーグレナ」シリーズは、「栄養不足」「心身の疲労」「免疫力低下」の相互関係の事実をとらえ、健康の基盤を妨げる複合的要因に着目しています。健康の基盤を妨げる要因に左右されずに、からだが本来持つ“つくる・はたらく・まもる”のサイクルを保ち、よりよい状態へ高めることで、一時的ではなく、持続的な健康を叶えることが大切と考えています。

<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島で微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産した微細藻類ユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。経営理念は「人と地球を健康にする」。https://euglena.jp

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